速度論に基づいた高pH溶液中へのCO
2ガス溶解モデルを構築し,実験的・数値解析的な検証を行なった.アルカリとしてNaOHを用いた模擬細孔溶液,および固相物質としてCa(OH)
2を加えた模擬細孔溶液中へのCO
2の溶解に関して,構築した溶解速度モデルを適用して数値計算を行った結果,pH等の実験値の挙動を概ね再現することができた.
一方,気相に接する液相要素が瞬時にCO
2の溶解平衡に達するとの仮定に基づいた平衡モデルと,溶解速度モデルとの数値計算結果の比較を行なった結果,気相のCO
2濃度が低くなり実環境条件に近づくほど平衡モデルにおける仮定は成立しなくなり,実環境条件において CO
2の溶解プロセスを律速しているのは拡散速度ではなく,溶解速度であることを示した.
抄録全体を表示