学校ソーシャルワーク研究
Online ISSN : 2758-5018
Print ISSN : 1881-9788
12 巻
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論文
  • ―学校ソーシャルワーク実践の必要性―
    寺田 千栄子
    2017 年 12 巻 p. 2-13
    発行日: 2017年
    公開日: 2023/04/03
    ジャーナル フリー
    本研究は,LGBTQの子どもたちが求めている潜在的ニーズを含め,学校ソーシャルワークはどのような支援を担えるのかを文献研究を通して検討することを目的とする. 本論では,わが国の学校教育現場では人権と教育保障が侵害されている状況を先行研究からみてきた.ソーシャルワークは人権と社会正義を価値基盤とするが,LGBTQの子どもたちへの学校ソーシャルワーク実践が切に求められていることが示された.他方,北米においてはLGBTQへの学校におけるソーシャルワーク実践が行われており,その支援方法や専門性についても積極的に研究がすすめられている状況にある. これらの知見より,わが国でのLGBTQの子どもたちへの学校ソーシャルワーク実践として,本論では①学校教育現場にLGBTQ理解の普及を促進していくこと,② LGBTQの子どもたちにとって「安全な場所」(safespace)を作ることが重要であることを指摘した.
  • ―一番ヶ瀬康子の児童福祉研究からの示唆をふまえて―
    渡邊 充佳
    2017 年 12 巻 p. 14-25
    発行日: 2017年
    公開日: 2023/04/03
    ジャーナル フリー
    本稿は,スクールソーシャルワークの基礎理論の構築に向けた端緒として,一番ヶ瀬康子の児童福祉研究の検討を通じてスクルソーシャルワークにおける「子どもの生活」への視座について考察を行うものである.一番ヶ瀬の児童福祉研究において,子どもの生活の中心は「遊び」であり,子どもは「遊び」を通じて成長•発達権を実現する主体として位置づけられる.そして,成長・発達権の基盤となる生存権および環境権の保障について,おとなの果たすべき役割の重要性を強調する.また.資本主義社会における学校が,能力主義的側面と,子どもの生活の場としての側面の二面性を抱えていることを指摘した上で,学校および地域社会の双方の変革の必要性を提起する.一番ヶ瀬の子ども観と学校観は,資本主義社会体制がグローバル・スタンダード化する時代状況での「子どもの生活」をとらえる上で今なお確かな視座を提供するものである.
第11回全国大会鼎談
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