日本獣医がん学会雑誌
Online ISSN : 1884-3352
Print ISSN : 1884-3344
ISSN-L : 1884-3344
1 巻, 3 号
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原著
  • 佐藤 敏彦, 川村 裕子, 山田 徹, 圓尾 拓也, 金久保 佳代, 伊藤 哲郎, 武田 晴央, 杉山 大樹, 石川 剛司, 斑目 広郎, ...
    2010 年 1 巻 3 号 p. 39-44
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/11/24
    ジャーナル フリー
    病理組織学的に悪性腫瘍と診断された犬16例に、術後補助的化学療法として低用量シスプラチン(CDDP) 療法(CDDP20-30mg/m2/2-3wk) を行った。CDDPの投与回数は全体で110回、中央値6回(3-15回)、平均投与量24.2mg/m2、累積投与量中央値145mg/m2(60-320mg/m2)であった。副作用の発現は16例中10例で、そのうち嘔吐が6例、食欲低下が2例、好中球減少症が2例あった。the Veterinary Co-operative Oncology Group(VCOG)分類では、これらの症例はグレードIまたはIIで軽度であり、入院治療は必要なかった。また、腎障害も認められなかった。
    これらの結果より、術後補助的化学療法としての低用量シスプラチン療法は安全な方法であると考えられ、より多くの症例での検討が望まれる。
  • 信田 卓男, 圓尾 拓也, 福山 泰広, 保坂 創史, 林 光児, 今井 理衣, 横山 知美, 山田 徹, 伊藤 哲郎, 斑目 広郎
    2010 年 1 巻 3 号 p. 45-51
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/11/24
    ジャーナル フリー
    イヌの上顎および下顎に発生した高分化型線維肉腫の31例に対して回顧的調査を実施した。腫瘍の大きさは平均6.5cm、生存期間中央値は270日で、発生部位(上顎と下顎)による差は認められなかった。生存期間は、無治療で162日、局所療法(切除/放射線治療)を実施したもので592日であり、有意差が認められた(p=0.008)。無腫瘍期間は切除のみでは68日であり放射線治療を併用すると515日であり、有意に延長した(p=0.027)。死亡原因は局所腫瘍の増大によるが、切除と低分割放射線治療により遅らせることが可能であった。
短報
  • 石川 剛司, 信田 卓男, 圓尾 拓也, 杉山 大樹, 金久保 佳代, 伊藤 哲郎, 茅沼 秀樹, 菅沼 常徳
    2010 年 1 巻 3 号 p. 52-57
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/11/24
    ジャーナル フリー
    歯肉に発生した腫瘤に対し、腫瘤切除と抜歯を行われていた2例に遭遇した。扁平上皮癌と診断され、早期に再発したため麻布大学附属動物病院に紹介された。CTにより両例とも鼻腔内への浸潤が認められた。症例1は放射線治療を、症例2は切除と術中照射および術後照射を実施した。その後にカルボプラチンとピロキシカムを投与し、症例1は2年、症例2は1年経過しているが再発を示唆する症状は認められなかった。抜歯を行うことで鼻腔内への浸潤が容易となるため、抜歯を行う前に組織学的検査をすることが重要である。
技術講座
第3回 日本獣医がん学会報告
目次
表紙
奥付
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