空氣脱濕器の計算に於いて,温度差と濕度差の合成としてエンタルピー差が最近盛に用いられる.これは空氣水蒸氣混合物には幸い熱及び物質移動境膜係數の間にLewisの法則即ちhg/kg=CHが成立するたあである.ところが空氣水系以外の一般の不凝縮ガスと凝縮ガス性蒸氣の混合物に於いてはhg/kg=α.CHであり,αはその系に特有な恒數で一般に1には等しくない.故にこれらを冷却して蒸氣を凝縮する凝縮器の計算に於いては,空氣脱濕器に於ける如くエンタルピー差を推進力として用いることはできない.ここに筆者等は新しい變形エンタルピー一即ちi'=αCH・t+λi・Hなる量を導入し,圖式解法を用いて一般の場合の計算を行う方法を考案した.
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