化学機械裝置の設計は物質および熱量收支,熱力学的平衡関係,熱および物質の移動速度,反應速度等で一應行いうるが,熱力学的効率に対する考慮は余り拂われていない。これはわが国の化学機械製造の発足が諸外国に比して遅れたために,既存の諸外国のプラントを輸入し,又は模倣して耒たことに原因するのではなかろうか。
本研究は主として熱力学の第2法則に基いて,プラントの熱力学的意義,理論所要仕事,実際仕事,熱力学的効率を示し,エンドロピの收支から効率を決定する因子を定量的に追求せんとする試みである。例として空氣の液化諸サイクル,リンデの空氣分離サイクル,ドライアイスサイクル,吸收式冷凍機,および蒸発器についてエントロピ分析を加えて見る。
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