抽出装置の設計計算には三角図表を用ひて平衡関係を表はすのが従来の常識であつた。本報文は三角座標を用ひず,直角座標に依つて理論段数其他の計算を行ふ方法を例題に適用,説明したものである。此の解法の理論に関しては既にRandall及びLongtin(Ind. Eng. Chem., 1938, 30, 1063, 1188, 1311)が発表してゐるので,ここでは主として,問題及びその解法に関連して多少の理論的説明を行ふ。例示の問題はVarteressian及びFenske(Ind. Eng. Chem., 1937, 29, 270)が三角図表を用ひる解法を発表した場合に採用したものと同一で,従つて本法による結果をVarteressian等の結果と比較した。
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