韓国企業の物流費水準は'97年度基準で12.9%であり, 物流費低減は経営戦略の主要部分を占めている。しかし, 物流費低減に当たって深刻な問題は、企業で発生している物流費を正確に算定するだけではなく算出された物流費情報を有用に活用している企業が少ないことである.
本研究の目的は韓国企業の物流費構造を物流氷山及び物流氷壁を通じて分析することである。そのため物流氷山に関する理論的研究と物流氷山及び物流氷壁を利用し物流費構造の技術的分析を行う。分析のため物流費データは'98年大韓商工会議所の調査結果を利用し、領域別及び機能別物流費構造を製造業と流通業に区分し分析する。
研究結果をまとめると、まず、物流氷山に関する理論的研究では、物流氷山の定義や作成法、有用性について検討した。従来の領域別データによる物流氷山に加えて機能別/自家・委託別データによる物流氷壁を開発し作成した。ここでいう物流氷山は西澤教授の物流氷山説を発展させた'新物流氷山説'と言える。
次に、物流氷山による韓国企業の物流費構造の分析結果、1) 物流費の算定方式よる氷山分析で実際物流費12.9%を正確に算定するため物流原価計算の重要性を明確にしている。2) 領域別氷山分析では、産業全体と製造業では規模、水面の下・上及び領域別氷山が類似しているが、流通業は氷山の規模が小さく、水面の上の委託物流費が殆どでかつ調達物流費が製造業の2倍以上と異なった氷山の形状を示している。3) 機能別氷壁分析では、産業全体は水面の上の委託運送費と水面の下の自家保管費を中心とした氷壁構造を示しているが、製造業は運送と保管氷壁が水面の下に産業全体より若干潜んでおり、流通業は運送氷壁が殆ど水面の上に浮かんでいる。
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