日本微生物資源学会誌
Online ISSN : 2759-2006
Print ISSN : 1342-4041
25 巻, 1 号
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総説
原著論文
  • 村松 由貴, Yukphan Pattaraporn, 高橋 麻衣, 金安 美香, Malimas Taweesak, Potacharoe ...
    2009 年25 巻1 号 p. 13-20
    発行日: 2009年
    公開日: 2025/03/27
    ジャーナル フリー

    タイ国で分離された酢酸菌302 株の16S rRNA 遺伝子塩基配列を決定し,系統解析を行った.5 株はAcetobacteraceae 科の新属に分類すべきと考えられ,残りの297 株はAcetobacter,Asaia,Gluconacetobacter あるいはGluconobacter 属のいずれかに含まれた.Acetobacter 属には17 株が含まれ,8 グループ(AB1-AB8)に分かれた.グループAB2 以外の7 グループはAcetobacter 属の既知種に近縁であった.Asaia 属には150 株が属し,11 グループ(AS1-AS11)に分かれた.グループ AS11 はAsaia 属の既知種から独立していた.Gluconacetobacter 属に含まれた9 株は,Gluconacetobacter liquefaciens NBRC 12388T と100% の16S rRNA 塩基配列相同性を示した.残りの121 株はGluconobacter 属に含まれ,13 グループ (GB1-GB13)に分かれた.2 つのグループGB1 とGB6 はGluconobacter 属の既知種から独立していた.

    新種あるいは新属に分類すべきと考えられたいくつかのグループが見つかり,タイの酢酸菌は系統的に多様であると考えられた.日本国内のユーザーが利用できるよう,今回研究した株のうち155 株をBIOTEC Culture Collection (BCC) から NITE Biological Resource Center (NBRC) に寄託して公開した.

短報
  • 植田 紘行, 大塚 重人, 妹尾 啓史
    2009 年25 巻1 号 p. 21-25
    発行日: 2009年
    公開日: 2025/03/27
    ジャーナル フリー

    MCC-NIES コレクション(国立環境研究所)において非無菌の状態で継代培養されてきた3 株の微細緑藻 Chlorella saccharophila NIES-640,Ulothrix variabilis NIES-329,Volvox aureus NIES-864 について,それらの株と共存して培養されて いる細菌の組成を解析した.16S rRNA 遺伝子の部分塩基配列の相同性に基づき,U. variabilis NIES-329 およびV. aureus NIES-864 の培養株には,既知の種と近縁ではないBacteroidetes 門やProteobacteria 門,Actinobacteria 門に属する細菌が多く共存し,C. saccharophila NIES-640 の培養株には,既知の種と近縁なBacteroidetes 門やProteobacteria 門に属する細菌 が多く共存することが示された.本研究と過去の報告とから,例えばPhyllobacterium 属細菌とChlorella 属緑藻のように, 一部の細菌が藻類との間に何らかの関係を持っている,または藻類の培養株に半選択的に集積される可能性が示唆された. 本研究により,藻類−細菌相互作用の研究材料としての,非無菌の藻類培養株の潜在的な有用性が示された.

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