メルコ管理会計研究
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13 巻, 1 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
研究論文
  • 環境会計導入が環境パフォーマンスと生産性に与える効果
    西谷 公孝
    2021 年13 巻1 号 p. 3-18
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/09/22
    ジャーナル フリー
    本稿の目的は,持続可能な開発目標(SDGs)を促進するための手法としてのサステナビリティ会計の可能性を探ることである。サステナビリティ会計の導入によって企業活動における環境と経済の両立をもたらすことが期待される。もしそれが一般化できれば,多くの企業がサステナビリティ会計を導入するインセンティブとなるために,その結果,SDGsが促進されるはずである。そこで,本稿では,サステナビリティ会計の一つである環境会計導入,環境パフォーマンス,生産性の関係を2009~2018年の東京証券取引所第一部上場企業のデータを用いて定量的に分析し,環境と経済の両立を実証する。
  • 稟議による責任およびアカウンタビリティ共有機能について
    上山 晋平
    2021 年13 巻1 号 p. 19-28
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/09/22
    ジャーナル フリー
    本稿では,予算管理における稟議制度の機能,とくに稟議による責任およびアカウンタビリティ共有機能について,実態調査にもとづき検討を行った。その結果,予算編成時と予算執行時において,稟議の対象が異なること,垂直的と水平的な関係で稟議に求める機能が異なることを確認した。予算管理上の稟議の責任およびアカウンタビリティ共有機能については,予算管理において稟議を実施する場合,起案者や決裁者と比較して回議者にアカウンタビリティがあるとする企業は少ないが,稟議を用いて回議者の承認を得る場合には,回議者にもアカウンタビリティがあるとする企業が増える傾向にあることを確認した。
  • 堀井 悟志
    2021 年13 巻1 号 p. 29-45
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/09/22
    ジャーナル フリー
    本論文では,中期経営計画立案およびその後の期中管理に関する定性的研究によって,戦略化における中期会計目標の位置づけ・役割についてより詳細に検討した。その結果,特定の戦略や行動計画と結びついていない願望としての会計目標が社会コントロールとの補完関係のなかで達成すべき規範となることで,中間管理者にとっての戦略化の出発点および扇の要のような戦略的結節点として,組織に確固たる目標を与えるとともに,その目標に向かうからこそ企業活動に柔軟性をも与えているという会計目標の遂行性を明らかにした。また,その分析のなかで,経営管理期間の多様性,複雑性と相互関連性をも明らかにした。これらの知見は,管理会計の戦略化における役割についてだけでなく,管理会計における経営管理期間の適切性を明らかにしたという点で学術的な貢献をしたと考えられる。
  • 新改 敬英
    2021 年13 巻1 号 p. 47-62
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/09/22
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,組織慣性にかかわる管理会計領域のこれまでの研究を概観するとともに,既存研究が論じていない管理会計と組織慣性との関連性について,研究領域の拡張を試みることである。まず組織慣性にかかわる管理会計領域のこれまでの研究,具体的には管理会計変化およびマネジメント・コントロール(MC)についての代表的な既存研究を概観したうえで,これらの既存研究がいまだ論じていない管理会計と組織慣性との新たな関連性について,Simonsの4つのコントロール・レバーを理論的枠組みとした探索的分析を行った。構造方程式モデリングによる分析の結果,既存研究では明らかにされていなかったMCと組織慣性との関連性の存在が示唆された。
Workshop講演録
座談会
  • 先達の経験から考える
    伊藤 嘉博, 尾畑 裕, 片岡 洋人, 加登 豊, 篠田 朝也, 丸田 起大, 吉田 栄介, 澤邉 紀生
    2021 年13 巻1 号 p. 81-94
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/09/22
    ジャーナル フリー
    『メルコ管理会計研究』編集委員会の委員・委員長補佐にオンラインで集まってもらい,2020年8月12日に「査読制度についての座談会」を開催した。この座談会は,日本の管理会計研究者が査読制度についての理解を深めるための一助として開催されたものである。査読制度を運用する立場にある編集委員・委員長補佐同士がそれぞれの経験や考え方についてざっくばらんに意見交換し,それを読者と共有することが有用であるという考えにたち,下記に座談会の模様をお伝えする。
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