国立のぞみの園紀要
Online ISSN : 2435-0494
2 巻
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 伊藤 寿彦, 大森 寛和, 小笠原 恵, 加瀬 進, 桑原 綾子, 坂井 賢, 高森 裕子, 田邊 貴仁, 出口 晋, 戸枝 陽基, 野口 ...
    2009 年 2 巻 p. 5-21
    発行日: 2009年
    公開日: 2022/12/31
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    当法人では、平成18年度から厚生労働省の補助金を受けて、行動援護の普及とサービス水準の確保、そのためのサービス従業者の養成に取り組んできた。本年度は、都道府県の普及状況に地域格差があることを踏まえ中央セミナーを全国5か所で開催し、そこで情報交換会による現状把握と研修の効果測定を行った。情報交換会ではアンケート結果と同様の結果が得られ、研修の効果測定では理解を示す傾向がみられた。 また、行動援護が担うべき役割、それに対応したサービスの質の向上と従業者養成研修の在り方などを検討する際の基礎資料を得ることを目的に、市区町村と行動援護事業所を対象とした質問紙調査を実施した。その結果、利用を勧めるような市区町村は少なく利用希望もあまり出ないことなどから全体的に支給決定者数は低調な一方で、支給決定を受けても地域にサービス提供事業所がないことから実際の利用につながらない場合もあることなどが明らかとなった。
  • 渡辺 次男, 清水 義悳, 狩野 祥司, 石川 恒, 高橋 勝彦, 山田 邦雄, 遅塚 昭彦, 北岡 賢剛, 阿部 百合子, 前田 秀信, ...
    2009 年 2 巻 p. 22-35
    発行日: 2009年
    公開日: 2022/12/31
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    犯罪歴のある知的障害者は、刑務所等出所後、地域社会に復帰するための支援が不十分なために、再犯を繰り返す確率が高く、社会的な問題となっている。 このため、こうした知的障害者の再犯を防ぎ、地域生活移行を推進するために、どのような機能を持った支援体制を整備することが効果的であるか、その体制のあり方と必要な機能について研究を行うものである。
  • 水嶌 友昭, 森地 徹, 佐々木 賢一, 古川 慎治, 皿山 明美, 清水 清康, 中島 穣, 下田 泰司
    2009 年 2 巻 p. 36-49
    発行日: 2009年
    公開日: 2022/12/31
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    地域生活移行のためのアセスメントを作成することを目的に、平成15年に国立のぞみの園個別支援計画(アセスメント)を用いて収集された入所者501名のデータを用いて分析を行った。その結果、数量化3類を用いた分析により、国立のぞみの園の入所者の特徴を示すアセスメント項目が18項目であることが分かった。また、これらのアセスメント項目はADL項目群、コミュニケーション項目群、危機回避項目群、余暇項目群、社会性項目群、の5つのグループに分かれることが分かった。また、地域生活移行をした群において全般的にアセスメント得点が高いことが確認された。しかし、地域生活移行をした群において、アセスメント得点が高くない場合にも地域生活移行が達成されるケースも確認され、その際にはアセスメント項目以外の環境要因が地域生活移行に影響していると考えられた。
  • 相馬 大祐, 松永 千惠子, 佐々木 賢一, 古川 慎治, 皿山 明美, 清水 清康, 水嶌 友昭, 中島 穣, 下田 泰司
    2009 年 2 巻 p. 50-73
    発行日: 2009年
    公開日: 2022/12/31
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本研究は、国立のぞみの園の地域移行支援が実際にどのように行われているのか、支援の過程を明らかにすることを目的とする。地域移行支援の際の課題について、知的障害者本人が抱える課題、保護者が抱える課題、社会資源が抱える課題の3点に絞り、地域移行に携わった経験のある職員へのインタビュー調査から地域移行支援の具体的な課題とそれに対する支援、さらに、その過程を明らかにした。その結果、本人が抱える課題では、地域移行や生活体験に対する不安があげられた。それに対し、職員は地域生活体験支援を行っていた。また、保護者の抱えている課題では、地域移行に否定的な態度があげられ、その対応として職員は生活体験中の本人の様子を保護者に見せるなどの対応をしていた。さらに、社会資源における課題の対応策としては、職員は移行先の事業所、市町村との連携を行っていたことが確認された。以上の3つの課題における共通する支援としては、地域生活体験支援を行っていることが確認された。
  • ―知的障害者更生施設(新体系及び旧体系)を対象とする 日中活動に関する全国調査結果から―
    松永 千惠子, 樋口 幸子, 村岡 美幸, 五十嵐 敬太, 吉澤 ゆう子, 髙橋 直, 石坂 和久, 関口 智絵, 渡邊 守, 松本 佳雅, ...
    2009 年 2 巻 p. 74-116
    発行日: 2009年
    公開日: 2022/12/31
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本研究では、近年、ますます顕在化する知的障害者の重度・高齢化への対応を中心に日中活動の支援の状況に関するアンケート調査を全国の知的障害者更生施設すべて(1412施設)に行った。本調査の回収率は67.8%、調査結果からは、日中活動に課題があると答えた施設が全体の93.9%、その要因としては、施設の職員数の少なさや、利用者の年齢や特性の幅が広いために全利用者への充分な支援が行き届かない点が挙げられた。また、障害者自立支援法移行群と未移行群では日中活動の内容に差がないことも分かった。今後の日中活動の取り組みには、重度・高齢化への対応を含め、日中活動支援を行っている他の事業所の活用を含めた多角的かつ積極的な事業展開が望まれる。
  • 松永 千惠子, 樋口 幸子, 森地 徹, 中島 穣, 下田 泰司, 水嶌 友昭
    2009 年 2 巻 p. 117-146
    発行日: 2009年
    公開日: 2022/12/31
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    群馬県内の知的障害者に対する医療体制作りの一環として、「群馬県知的障害者の医療を考える会」が発足し、その成果物の1つとして、知的障害者の医療受診をサポートするためのツールである「受診サポートメモリー」が群馬県より発行された。この「受診サポートメモリー」の配布後1年の医療受診者の利用実態を調査し、「受診サポートメモリー」による知的障害者への医療受診サポートの現状を把握することを目的に調査を実施した。その結果、「受診サポートメモリー」を持っているとの回答が7割を超えていた(70.8%)が、使っていないとの回答が9割近くを占めていることがわかった (88.1%)。その理由として、かかりつけ医に対応してもらっているが6割ほど(60.3%)となっており、既にかかりつけ医がいる場合には「受診サポートメモリー」が使用されていない状況にあることがわかった。また、定期的に通院していない場合の方が定期的に通院している場合に比べて受診サポートメモリーを使う割合が高いことがわかった。これらのことから、「受診サポートメモリー」は概ね保持されているものの、実際の利用にまでは至っていないことがわかった。またその理由として、かかりつけ医がいるというものが多く指摘された。しかし、定期的に通院していない場合の「受診サポートメモリー」の利用状況が定期的に通院している場合に比べて高いことから、医療受診が日常的ではない場合に「受診サポートメモリー」の必要性が生じることがわかった。
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