国立のぞみの園紀要
Online ISSN : 2435-0494
10 巻
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  • ―地域で生活する知的等障害者に焦点を当てて―
    村岡 美幸, 志賀 利一
    2017 年 10 巻 p. 1-8
    発行日: 2017年
    公開日: 2022/12/31
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本研究は , 昨 年度 実施し た 知 的 障 害 者 の定 期 健 康 診 断 の 結 果 を 踏ま え , 地域で生活 してい る 知 的 等 障害者 ,具体的には 家 庭 及 び GH 等で 生活する 知的等 障 害 者を 対 象 に , 定期健 康診断の 受 診 状況を 明 らか に す る こ と を 目 的 に 実施 し た . 対象は , 人 口 規模 の 異なる 2 つ の 自治体の親の 会 に 所 属 する 知 的 等 障害者 ( 18 歳 以上 ) の 保護者 と し た . その 結 果 , 160 名 ( A 県 26 名 , B 市 134 名 ) の地域生活者から回答が 得ら れ , A 県 が 20 名 ( 受 診率 76.9% ) , B 市 が 121 名 (受診率 90.3%) , 定期健康診断を 受 診し て い た . 今回の 調査は, 障害のある 者 の 支援に比較的熱心に取り組んでいる 親 の 会 の 会 員を 対象と しているこ と を考えると , その他 の知的 等 障 害 者 の 健 康 診断 の 受診状況 は , 今回の調査の数字より低い可能性がある . 早期に 介護・医療の必要度が高くなることが想定される知的 等 障害者 において ,効果的な健康診断 の実施のあり方を検討する ためにも, 今 後 , 更 なる 調査の 必要性 が 確 認 され た .
  • -ライフストーリーワークを使った実践-
    大塚 雅人, 金井 美穂, 桑原 さやか, 四方田 武瑠
    2017 年 10 巻 p. 9-18
    発行日: 2017年
    公開日: 2022/12/31
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    のぞみの園の入所利用者 の 平均年齢 は 60 歳を超え ,利用者と 家族 と の つ な が り も 変化し ,入所前の 情 報等 ,利用者のこれまでの 生 活歴 を 知ること が 難 し く なっ て き て い る .ま た 利用者本人から過去の情報を聞くことも ,知 的障 害 が 重い方が多く ,利用 者 の 人 と な り を 知 ることが 難しい .本 研 究で は ,利用者をより深く正確に知るための支援者の引継ぎのツールと し て も 有 効 的 に 機 能 す る と い わ れ て い る ラ イ フ ス ト ー リ ー ワ ー ク の 実 践 を 通 し , 筆 者 自 身 が 利用者の 理 解 を 深 め る こと に 繋 が る か を 実 証 す るこ と を 目的と し た 研 究 であ る .な お ,考察の 視点として ,① ラ イ フ スト ー リ ー ワ ー ク に よ り 支援 者 は 利 用 者 を よ り 深 く理 解 で き る か ,② 周 囲でワークの実践を見ていた支援者が ,利 用 者 をよ り 深 く 理 解 す る こ と に繋 が る か ,③ ワーク を通し ,中年期,高 齢 期 の重 度 知 的 障 害 者 が 過 去 を振 り 返 る こ と に 繋 が る か ,といった3 者 の 視点で考察を 行った .その 結 果 ,① 中・重 度 の 知 的 障 害 が あ っ て も ,職 員と 一 緒 に ラ イ フ ス ト ーリーワークを行うことで ,過去の情報の理解につながる .② ラ イ フ ス トー リ ー ワ ー ク を 行 う 時間を持つことで ,過 去の 情 報 だ け で な く ,現 在の 利 用 者 の 人 と な り を より 深 く 理 解 す る こ と につながる ,③ 利 用 者 にと っ て も 職 員 の 人 と な りを 理 解 す る こ と に つ な がり ,より好ましい関 係性の構築につながる ,ま た ④定期的な職員とのライフストーリーワークは 中・重 度 知 的 障 害 者 ,あるいは高齢期になっ た知的障害者の日中活動や余暇活動としての展開が期待できる ,こ と が 示唆され た .
  • 村岡 美幸, 小島 秀樹, 悴田 徹, 織茂 智行
    2017 年 10 巻 p. 19-29
    発行日: 2017年
    公開日: 2022/12/31
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    平 成 17 年 度 以降 の ぞ み の 園 で 取 り 組 んで き た 寮 の 再 編 成 に 関 して 、 平 成 21 年度に これまで 多 種 多 様 な 支 援を 必 要 と す る 利 用 者 が 混在 し ていた 寮 の あり方 を,「 医 療 的 配 慮 グ ル ー プ 」「 高 齢 者 支 援 グ ルー プ 」「 特 別 な 支 援 を 必要 と す る グ ル ー プ 」「 自立 を 支 援 す る グ ル ー プ」に再編成 し , 支 援 を提 供 す る こ と と し た . 本研 究 は , 平 成 21 年 度 の寮 の 再 編成時の 概 要 とそれに 伴 う 支援の変化,グ ル ー プ ご と に 求 め られ る 職 員 の役割 等 に つ いて ま と め ,障 害 者 支 援施設における高齢化対策のあり方のひとつとして提案するものである .
  • 村岡 美幸, 志賀 利一
    2017 年 10 巻 p. 30-34
    発行日: 2017年
    公開日: 2022/12/31
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本 研 究 は , 単 身 生 活 を し て い る 障 害 者 の 傾 向 と 単 身 生 活 と な っ た 経 緯 に つ い て 明 ら かにするものである .方法 は ,相談機関 3,013 カ所 を 対 象 に 往 復 葉 書 調 査を 実 施 し た ほ か 2 事 業所を対象に電話等にて事例調査を行った(回収率 52.4% ) . 葉 書 調 査 では , 2016 年7月の 1ヶ月間に相談を受けた単身生活をしている障害者の実数及び年齢・種別・支援区分の内訳を 聞 き ,事例調査では ,単身 生 活 と な っ た 経 緯 等 につ い て 確 認 し た .そ の 結果 ,単身生活者の傾 向として ,40 代から 64 歳ま で に 多 く ,全体の 65.1%を占めていたこと .障害 支 援 区 分 は ,「不 明・非 該 当 」の 者 ,つまりは軽度の障害者が多い一方で ,障 害 支 援 区 分「 5 」「 6 」の 単 身 生 活者が 1,000 人 近 く 確 認さ れ た .単身生活となった経緯については ,「 親 が 高齢 者 施 設 に 入 居 」 「 パ ー ト ナ ー の 死 別 」 「 パ ー ト ナ ー と の 別 居 」 と い っ た も の が 確 認 で きたが , 2 事 業 所 か ら の非常に限られ た 情 報 で ある た め , 今 後 , 継 続 し てケ ー ス の 収 集 に あ た る 必要 が あ る .
  • 志賀 利一
    2017 年 10 巻 p. 35-39
    発行日: 2017年
    公開日: 2022/12/31
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本 研 究 は , 訓 練 等 給 付 事 業 を 利 用 し て い る 障 害 者 の う ち , 障 害 支 援 区 分 で 区 分 「 な し 」 と 判 定 を 受 け て い る 人 が , 8 0 項 目 の 認 定 調 査 項 目 に よ る 一 次 判 定 ( コ ン ピ ュ ー タ 判定)を行うと , ど の よ う な 判 定 結 果 が 出 る か を 検 証 す る , パ イ ロ ッ ト 研 究 で あ る . 具体的 に は , 全国の 就 労 移 行 支 援 事 業 所 を 利 用 し て い る , 区 分 「 な し 」 者 に 対 し て , 指導員 ・支援 員 が 認定調査 と 同 様 の 評 価 を 行 い , コ ン ピ ュ ー タ 判 定 の 結果がどのようになる か を 調査した . 27 事業所 115 人のデータを一次判定 したところ ,区 分 「なし」の 者 の 大 多数 ( 96.5% ) は, 区 分 1~3の 結果が出た.今回の 調査対象は ,三障 害 す べ て が 含まれて いる( 一 部 手 帳 未 取得 者も含まれる) 一方で , 若年者に 偏りの あ る サ ン プ ル で あ る . し か し , 障 害 者 が 訓 練 等 給 付 の み を 申 請 し た 場 合 , 当 該 自 治 体 に お い て は , 必 須 で は 無 い 障 害 支 援 区 分 認 定 の プ ロ セ ス を 省略している こ と が 多 い と 推 測 さ れ , グ ル ー プ ホ ー ム 利用者も 介 護 給 付 の 申 請 を 同時に 行 わ なければ 区 分「 な し 」の 受給者証が交付される可能性が高い .ま た ,コ ンピ ュ ー タ 判 定 ソ フト は , 介護給付を 選 択 し ない と , 区分「なし」 の 結果 し か 出ない 仕 組 み に なっ て い た .
  • 信原 和典, 志賀 利一
    2017 年 10 巻 p. 40-44
    発行日: 2017年
    公開日: 2022/12/31
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本研究は,障害者支援施設における新規入所者と退所者の状態像を調査し,障害者 支援施設に求められる機能について考察することを目的として,平成 25 年に WAM NET に登録 されていた障害者支援施設(2,612 施設)を対象に,郵送方式のアンケート調査を実施した. アンケート調査の内容は,各施設の基本情報と,平成 27 年度入退所者の実態として,性別・ 年齢,障害種別,区分,入所前・退所後の状況等である.平成 27 年度新規入所 4,493 人の内, 65 歳以上は 244 人(5.4%)であった.入所前の居所などから,高齢化に伴う身体機能の低下 に対応した施設へ移動している高齢者が一定数存在することが明らかとなった.また 65 歳以 上の退所者の内,半数が死亡退所であり,残る半数についても 「一般病院」や「老人施設」,「障 害者支援施設」への移行が8割以上であった.本調査から,障害者支援施設ではグループホー ム等への地域移行が一定進められている一方で,利用者の高齢化や,それにともなう医療行為 や身体介護等の支援が求められている現状がうかがえた.
  • 村岡 美幸, 志賀 利一
    2017 年 10 巻 p. 45-50
    発行日: 2017年
    公開日: 2022/12/31
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本研究は , グ ルー プ ホ ー ム に お け る ス プリ ン ク ラ ー 設 置 状 況 を 明ら か に し た 上 で , 設置義務があるものの設置予定のない事業所の数と , その理由を明らかにし , 安全な環境が 整えられた上で事業所の運営が行われるよう , 対応 策 を 検 討 す る 際 の 基 礎資 料 を 作 成 す る こ とを目的に取り組んだものである . 調 査 は 2 種 類行 っ た . ① 全 国 の グ ル ープ ホ ー ム 7,885 事 業所を対象にホーム毎の設置状況等を調査した .さらに , 1 次 調 査 で 明 らか と な っ た ② 平 成 30 年4月以降に設置予定のホームと設置予定のないホーム等を運営している事業所 587 カ 所 を対象に , 設 置 義 務 の 有無 , 今後の設置予定を調査した . その結果 , 設 置義 務 は あ る も の の , 今後の方向性が定まっていない事業所が 17 事業 所 確 認 さ れ , 早 急 に 検討 の 場 を 持 つ こ と の必要性が確認された .ま た , 1次調査で「設置義務なし」とのみ記載があった事業所に対 しても , そ の 事 由 を 確 認す る こ と の 必 要 性 が 確 認 さ れ , 次年度の課題とした .
  • 志賀 利一, 古川 慎治, 田中 正博, 信原 和典, 古屋 和彦
    2017 年 10 巻 p. 51-60
    発行日: 2017年
    公開日: 2022/12/31
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    重度障害者等 包括 支 援 事 業 (重度包括)は , 仕組みが誕生してから 10 年 以上が 経 過しているが , 全国で 30 人程度の 利用実績しか なく , 普及が進まない . また , これまで実際 に重度包括を実施している 事業の実態ならびに その 対 象 者 像 に つ い て , 調査 し た も の は ほ と んど存在しな い . そこで, 本研究では , 重 度 包 括の サ ー ビ ス を 提 供 し て いる 事 業 所 の 実 態 等 を調査することにより ,①利用者の類型 , ② 利 用者 へ の サ ー ビ ス 提 供 の 実態 , ③重度包括事 業運営の実態と課題 , ④重 度 包 括 の 今 後 の 展 開 と可 能 性 に つ い て 考 察 す るこ と を 目 的 と す る . 平 成 28 年 12 月 時 点で 10 事業所 31 人 の 利 用実 績 が あ り , そ の す べ ての 事業所 の ヒアリ ング調査を行った( 訪 問3 事 業 所 ・ 電 話 7事業所 ). 結果として , 利 用 者 全員 が 重 度 ・ 最重度 の知的障害があり(Ⅰ 類型 の 利 用 実 績 な し ), 様 々な サービスを組み合わせた支援を受けてい た . ま た , いくつかの 事例 で は 包 括 的 支 援 の特徴を活かした運用が行われていた . 一 方 , 事 業所の 運営上の 課 題 は 大き く , 度重なる 制 度 改 正に 取り残される , 煩 雑 な事 務 負 担 が 大きい といった課題が明確になった . 対象者像 や 事 務 手続 き を 含 め , 制 度 改 正 が早 急 に 求 め ら れ る .
  • 志賀 利一
    2017 年 10 巻 p. 61-83
    発行日: 2017年
    公開日: 2022/12/31
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    強 度 行 動 障 害者 支 援 の実践現場で 先 駆的 な 取 り 組 み を 行 っ て いる 研 究 協 力 者 と 専門分科 会 ならびに研究検討委員会において の 提 出 資 料 や議 論 の 内 容 を , 障 害 福 祉サ ー ビ ス としての 取り組 みを中心にまとめる . ま ず , 強度行動障害支援者養成研修の 開始移行 ,強度行動障害者支援の現時点の到達点につい て , ここに至るまで の 歴史 的 経 過 を 振 り 返 り な がら 整 理 す る . 次 に , こ れか ら 解 決 が 必要な課題を リストアップし7つに 整理 し , 各課題の 背 景 に ある 要因から 3つの 階 層 (Ⅰ 支援者が標準的な支援 を学ぶ , Ⅱ 支 援 の 質 の 高い 事 業 所 の 拡 大 , Ⅲ 地 域に お け る モ デ ル 的 な 施 策と ネ ッ ト ワ ー ク 構 築 ) に まとめ , 図示した . 3 階層 7 つ の 大 き な 課 題 に つい て は , 現 在 , 特定の 地域 に お い て 解 決 に 向 け て 取り組んでいる 事 例 が いく つ か 存 在 し て お り , この よ う な 取 り 組 み の 成 果を 確 認 す る こ と と広く 情 報 発信することが , 当 面重 要 だ と 考 え ら れ る . 平成 29 年度では , こ の よ うな 全 国 の 先駆的な取組 事例をさらに詳細に調査し , 強度行動障害者支援として欠かすことができない 施策を提案する予定 である .
  • 信原 和典, 志賀 利一, 村岡 美幸
    2017 年 10 巻 p. 84-89
    発行日: 2017年
    公開日: 2022/12/31
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本 調 査 は 強 度 行 動 障 害 支 援 者 養 成 研 修 の 実 施 状 況 を 明 ら か に し , 今 後 の 同 研 修 実 施 に向けた基礎資料とすることを目的とし ,47 都 道府 県 の 障 害 保 健 福 祉 主 幹部( 局 )を 対 象 と し た 郵送方式でのアンケート調査を,平成 28 年 7月 11 日 ~ 7月 27 日の 期間 で 実 施 し た . 調 査 の結果 , 平 成 28 年 度 に 基礎 研 修 を 開催予定の 47 都道 府 県 で は 実施修了 予 定者 数 は 10,000 人 以 上 , 実 践 研修は 5,000 人 , 行動援護従業者養成研修についても 1,600 人以上となっていた . このように 全国で 強 度 行 動 障 害 者 支 援 の 基 礎 的 知 識 を 有した 支 援 者 が 急 速 に 増 加 し て い る 中 , 都道府県 で は な く 指 定 事業 者 に よ る 研修の開催が増加し ている状況もある.これにより ,研 修 の質を ど の よ う に 担 保 し て い く か と い っ た 課 題 を 抱 え て い る 都 道 府 県 担 当 者 の 存 在 も 確 認 さ れ た .ま た ,研 修 プ ロ グラ ム が 基礎研修・実 践 研 修 と 同 一 の 内 容 と な っ てい る 行動援護従業者 養成研修を別に開催している 都道府県 が 17 都 道府 県 あった . 強 度 行 動 障害 支援者養成研修と は 別 に 開 催 し て い る 理 由 と し て は ,「 受 講 対 象 者 が 異 な る た め 」,「 受 講 ニ ー ズ へ の 対 応 」 の 2 つがあげられていた .平成 30 年3月 31 日 ま で の経 過 措 置 期 間 中 に 十 分 な研 修 規 模 を 確 保 で き ない課題を 抱えている 都道 府 県 が 確 認 さ れ た こ とか ら ,次年度 以 降 も 調 査を 継続し ,都道府県 の 取り組み状況について把握していく 必要性 が 考え ら れ た .
  • -全国地域生活定着支援センターに対する実態調査から-
    古屋 和彦, 関口 清美, 水藤 昌彦, 脇中 洋, 相馬 大祐
    2017 年 10 巻 p. 90-107
    発行日: 2017年
    公開日: 2022/12/31
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    特別調整対象となり地域生活定着支援センターがコーディネートを行った知的障害 等のある矯正施設退所者の,帰住先以降の住まいに着目し,住居状況を明らかにするとともに, 支援の課題を抽出することを目的とした.方法として,全国 48 ヶ所の地域生活定着支援セン ターに対し,平成 28 年 10 月1日までに矯正施設退所後3年が経過した方の住まいの変遷につ いて,アンケート調査を実施した.その結果,退所者の帰住先以降の住まいとして,個別の居 住先で見ると,自宅・アパート・公営住宅を利用する退所者が最も多かった.一方,延べ利用 者を類型別に見ると,障害者支援施設,グループホーム,救護施設を合わせた「福祉 関連」の 住居の利用者数が最も多く,一定の役割を果たしていると考えられるが,退所者の「福祉関連」 の住居利用者の実数は,退所者全体の 45%であり,半数以上の退所者が「福祉関連」の住居に 繋がっていない現状が明らかとなり,住居以外の福祉との繋がりの実態把握が課題となる.
  • 矯正施設及び勾留先退所から現在までの福祉との繋がりに着目した当事者 ヒアリング調査
    古屋 和彦, 関口 清美, 水藤 昌彦, 脇中 洋, 相馬 大祐
    2017 年 10 巻 p. 108-123
    発行日: 2017年
    公開日: 2022/12/31
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    福 祉 の 支 援 者 に 繋 が っ た 知 的 障 害 の あ る 犯 罪 行 為 者 で , 矯 正 施 設 及び勾留先 退所後 3 年以上が経過し現在の生活が安定している人を対象に,福祉との係わりの中で,本人の気持 ち の 変 化 を 明 ら か に す るこ と を 目 的 に ヒ ア リ ン グ調 査 を 行 っ た .具 体 的 には ,矯 正 施 設 及 び 勾 留先入所 中 か ら 現 在 ま で の 時 間 経 過 の 中 で ,「 福 祉 と 繋 が る 前 」,「 福 祉 と 繋 が っ た と き 」,「 福 祉 と 繋 が っ た 後 」 に お い て , 本 人 の 思 い , 支 援 者 と の 繋 が り , 思 い の 変 化 を 質 問 項 目 と し た . そ の 結 果 ,住 ま い の 変 遷に と も な っ た 本 人 の 思 いの 変 化 過 程 で は ,本 人 の意 志 決 定 に よ る 環 境 の 変 遷 ,環 境 の 変 化 へ の適 応 が み ら れ ,背 景 と して 支 援 者 の 引 継 ぎ ,チ ーム 連 携 が 必 要 と 考え られる .ま た 住 ま い の 変遷 毎 の 本 人 の 思 い の 変 化過 程 で は ,支 援 者 と の 接触 に よ る 思 い の 変 化 が み ら れ ,そ の 背 景 と して 本 人 と の 接 触 に よ る ポジ テ ィ ブ な 関 係 性 の 構 築が 必要と考えられた.
  • ―保護者の満足度調査から―
    星野 亜希子
    2017 年 10 巻 p. 124-128
    発行日: 2017年
    公開日: 2022/12/31
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    平 成 26 年 度 ,療育支援ニーズを探ることを目的に ,児 童 発 達 支援 および放課後等 デイサービスの 利用者 の保護者 60 名 を 対 象 に 満足度 調 査 を 実施した .今 回 の研 究 で は 平 成 26 年度と 同 様 の ア ン ケ ー ト を 実 施 す る こ と で , 通 所 期 間 や年齢 に よ る ニ ー ズ の違い , 新 規 利 用 者のニーズ ,個別に 見 た場 合 の ニ ー ズ の 変 化 を 探る こ と を 目 的 と し 調 査 研究 を 行った .その結 果 , 満足度 が 高 い 項 目 は 前 回 の 結 果 と も 一 致 し , 幼児期では 集 団 活 動 よ り も 個 別 活 動 の ニ ー ズが高く , 保 護 者 支 援 の 充 実 が 満 足 度 と 関 係 し て い る こ と , 年 齢 が 高 く な る につれ 社 会 性 や 対人関係 を ねらい と し た集団活動 のニーズが 高 いことが 分かった .通 所 期 間が 2 年以上の利用 者では 幼 児 期 は 保 護 者 プ ロ グ ラ ム へ の 満 足 度 が よ り 高 く な っ て お り , 年 齢 が 高 い グ ル ー プ で は将来の 自 立 に 向 け た 具 体 的 な 社 会 ス キ ル を 身 に つ け る こ と へ の 満 足 度 が 上 が っ て い た .こ れ ら の 結 果 か ら , 児 童 発 達 支 援 お よ び 放 課 後 デ イ サ ー ビ ス で は 子 ど も へ の 療育だけで はなく 保護者支援 が 重 要 で あ り , 実際に 社 会 生活に 適 応 し て い く こ と が 満 足 度 の 向 上 に つ な が る こ と が 分 か っ た .
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