実験音声学・言語学研究
Online ISSN : 1883-6763
14 巻
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
研究ノート
  • グエン トゥ ハー, 濱岡 佑帆, 桐越 舞
    原稿種別: 研究論文
    2022 年 14 巻 p. 1-15
    発行日: 2022/03/24
    公開日: 2023/06/15
    ジャーナル フリー

    ベトナム語北部方言と南部方言の代表的な方言差として頭子音のd/gi/r の音価が挙げられる。本稿では、先行研究におけるベトナム語の方言別発音表記を整理した上で、南部方言における頭子音d/gi/r の発音実態調査を行った。その結果、頭子音d/gi では先行研究にはなかった有声硬口蓋破裂音[ɟ]が確認された。また、先行研究で音声的ゆれがみられた頭子音r については、有声そり舌はじき音[ɽ]が比較的安定して確認された。『言語学大辞典』他は南部方言には頭子音d・gi とr の音声的二項対立が保存されているとあったが、具体的なデータが示されていない。本稿では現代の南部方言におけるd・gi とr の二項対立が実態としてあることを、音響音声学的に明らかにした。

  • 文末イントネーションに着目して
    丸島 歩
    原稿種別: 研究論文
    2022 年 14 巻 p. 16-31
    発行日: 2022/03/24
    公開日: 2023/06/15
    ジャーナル フリー

    女性と男性の話し方の違いを音声面から観察するために、女性声優が演じた男性役と女性役の演技音声を比較した。ここでは特に、文末のイントネーションに着目することにした。また、イントネーションは性格印象に与える影響も大きいため、聴取実験によって分析した音声の役柄の性格印象に関するデータも得た。その結果、男性役では「平調」、女性役では「疑問型上昇調」を多く用いる傾向が見られたが、男性役では役柄の性格によっては「強調型上昇調」を多く用いていた。 また、役柄の性別を問わず、外向性が高く勤勉性が高くない役柄では、文末以外の切れ目に「上昇下降調」が多く観察された。

彙報
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