実験音声学・言語学研究
Online ISSN : 1883-6763
4 巻
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論文
  • 丸島 歩
    原稿種別: 研究論文
    2012 年 4 巻 p. 1-21
    発行日: 2012/03/24
    公開日: 2023/06/15
    ジャーナル フリー

    自然言語音ではしばしば発話内で発話速度が変化する。しかし、それが聴覚的な速度感にどう影響するかは、あまり考慮されてこなかった。そこで、発話の速度が一定の音声と次第に加速する音声、減速する音声を3 種類の速度 (fast、normal、slow) でそれぞれ3 トークンずつ用意して聴取実験を行った。

    実験1 ではサーストンの一対比較法を用いた。その結果、速度変化をともなうfast、normal の音声は、速度が一定の音声とは速度感が異なるという結果が得られた。

    実験2 ではそれぞれのトークンの速さを評価させた。その結果、fast、normal の速度変化をともなう音声は、判断のゆれが生じやすいということが示唆された。

  • 桐越 舞
    原稿種別: 研究論文
    2012 年 4 巻 p. 22-36
    発行日: 2012/03/24
    公開日: 2023/06/15
    ジャーナル フリー

    本研究は、韻文リズムについて、埼玉・東京方言などを中心とする青年層の日本語母語話者における俳句形式の韻文の音読資料を考察したものである。話しことばの言語リズムと韻文の言語リズムを区別した上で、ポーズに焦点を当てた分析を行った。ポーズ消失の出現傾向や韻律フレームの有用性の検証をした結果、ポーズの消失は、中七が3 モーラ-4 モーラ構造の場合において出現の可能性が最大になる、韻律フレームは、第1 フレームと第2 フレームにおいて負の相関関係を示す傾向にあるということが明らかとなった。また、中七後のポーズの消失がみられる例は、散布図上で逸脱した分布を示す傾向にあることも示唆された。

研究ノート
  • 早川 友里恵, 福盛 貴弘
    原稿種別: 研究論文
    2012 年 4 巻 p. 37-49
    発行日: 2012/03/24
    公開日: 2023/06/15
    ジャーナル フリー

    本研究では、競技かるたの詠みにおける母音のフォルマント周波数の特徴を捉えることを目的としている。小倉百人一首の初句における全ての母音を計測対象とし、専任読手を被調査者として音響音声学的に解析した結果、通常発話に比べて競技かるたの詠みでは第1 フォルマントが散布図の中央に収束することが確認できた。また初句の句頭と2 字目以降では、2 字目以降において、より第1 フォルマントが散布図の中央に収束することが確認できた。本研究における競技かるたの詠みでは、通常発話に比べてフォルマント周波数が中央化しているが、第2 フォルマントに比べて第1 および第3 フォルマントの方がより値が収束していることが明らかになった。

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