実験音声学・言語学研究
Online ISSN : 1883-6763
13 巻
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論文
  • 日本語・台湾華語・台湾閩南語話者の比較を通して
    瞿 琦
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 13 巻 p. 1-18
    発行日: 2021/03/24
    公開日: 2023/06/15
    ジャーナル フリー

    本研究は、日本語の語頭有声音の無声音化が、台湾人初級日本語学習者の知覚弁別にどのような影響を及ぼすかという点について、母語の影響 (日本語・台湾華語・台湾閩南語) を考慮しながら調査したものである。母語話者と学習者を対象に即時的正誤判断課題を実施した結果、無声音化した語頭有声音において、日本語・台湾閩南語話者が無声音に誤聴する傾向は見られなかったが、台湾華語話者には見られた。この結果から、母語の有声音の有無が、無声音化した語頭有声音の知覚に影響を与えている可能性があることが明らかとなった。このことは、これまであまり表立って議論されてこなかった日本語の語頭有声音の無声音化の現象の重要性を示している。

研究ノート
  • P300 を指標として
    鈴木 皓太
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 13 巻 p. 19-31
    発行日: 2021/03/24
    公開日: 2023/06/15
    ジャーナル フリー

    言語には音声だけでなく、手話や指文字など動きを用いるものがある。今回の実験では文字・音声・指文字を対象としたオドボール課題を実施しP300の潜時について分析を行った。音声の時間長や文字数が認知に与える影響を調査するため音声は2モーラ語と5モーラ語、動作の影響を調査するため指文字では清音と濁音を利用し認知タイミングの特徴をボトムアップ式に探索した。その結果、文字では文字数にかかわらず提示したタイミングから約300ms後にP300が確認できたが、音声と指文字では音や動作などの変化点から約300ms後にP300が確認できた。そのため手話研究では提示のタイミングと変化点を考慮し、注意深く分析する必要があるといえる。

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