本研究の目的は,高齢者における運動実施頻度,自己効力感および他者からの促進的および阻害的な働きかけに関する分析モデルの妥当性について検討することであった.
分析モデルは,独立変数として個人的属性要因および他者からの働きかけ,媒介変数として運動実施に対する自己効力感,従属変数として1か月間での運動実施頻度で構成された.
2016年に,大阪府内の市で等間隔抽出された65歳から80歳までの男女900名に質問票調査を実施した.有効回収数(率)は331部(36.7%)であった.
分析では,対象者の特性と測定項目への回答傾向を確認後,パス解析を行った.
分析の結果,従属変数に対する自己効力感の有意な影響および他者からの働きかけの有意な影響が明らかとなった.影響の経路には性差があった.結論として,分析モデルの妥当性が確認された.
今後の課題として,運動実施に対する社会の文脈効果を明らかにする必要性が示唆された.
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