太成学院大学紀要
Online ISSN : 2423-8945
Print ISSN : 1349-0966
ISSN-L : 1349-0966
15 巻
選択された号の論文の32件中1~32を表示しています
  • 2012年度受講学生について
    池辺 晴美
    原稿種別: 本文
    2013 年 15 巻 p. 1-6
    発行日: 2013年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本学人間学部の2012年度体育実技受講学生に対し,新体力テストを実施した。得られた結果を全国平均と比較したところ,男子においては握力が全国平均を下回り,上体起こし・20mシャトルランが有意に高値であった。女子においては,握力・長座体前屈を除く項目で有意に高値であった。また2007年度受講学生との変化については,女子において差は認められなかったが,男子では立ち幅跳びが低下した。日常生活調査においても,朝食を欠食している学生,睡眠時間が短い学生が増加していることがわかった。
  • 小学校外国語活動新設に伴う英語テキストの分析と検討
    井手 裕美
    原稿種別: 本文
    2013 年 15 巻 p. 7-17
    発行日: 2013年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    2012年4月より, 小学校に外国語活動として, 英語を取り扱うことが原則とされた。この試みは1996年ころよりなされてきたが, 日本人の英語力は上がってきたとは言えない現状にある。文部科学省は, 総合的な学習の時間とは別に, 5,6年生を対象に年間35単位時間, 週1コマ相当を確保する一方で, 英語を教科としての位置付けをしていない。グローバル化の進む現在, 文部科学省の新たな試みで作成された, 小学校の外国語活動使用テキスト "Hi, friends!" はどのようなものであるのか, 教科ではないこのテキストの使用・指導方法を分析, 検討する。
  • 街頭アンケートによる観光動向調査
    猪池 雅憲
    原稿種別: 本文
    2013 年 15 巻 p. 19-28
    発行日: 2013年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本稿は倉敷美観地区の観光地の現状把握のための実態調査として調査票調査を実施し,調査票調査の分析を行った。倉敷美観地区のあり方,方向性の手立てとなる基礎データを示すことができたと考えている。調査票調査から得られたデータ分析で見えてきた事象に対して,現在の社会状況を加味しながら対応をしていかなければならない。分析の次には,質的調査やより詳細な参与調査が必要になってくる。倉敷美観地区がサステイナブルに維持,保存されていくための基礎資料として活用されることを望む次第である。
  • 観光地域研究を例にして
    猪池 雅憲
    原稿種別: 本文
    2013 年 15 巻 p. 29-35
    発行日: 2013年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    現行によるフィールドワークの評価方法は,事後のレポート,課題提出などを基に採点している。この講義の重要点はフィールドワーク時における行動を通じて,自ら学ぶ姿勢を学生生活に反映してもらいたいことにある。事後レポート,課題を中心とした評価では,教員が学生に求めていることを講義とフィールドワークだけでは充分に周知させられない現状がある。フィールドワーク時の評価を文書で提示することで,自ら学ぶ姿勢の部分を評価できる仕組みづくりを構築できるのではと考えた。そこで,今年度試行的にルーブリックの概念の一部を活用し評価基準表を作成し実施した。その結果,学生にとってフィールドワークの目的が評価基準表で示されることで,評価されるにはどのような行動をすれば良いのかがよりわかるようになり,随時目的を確認できる。また,評価基準表によって採点されることで,到達目標を達成するように評価の上位を目指す姿勢が現れた。よって,評価基準表を提示することは,フィールドワークを進めていく上で重要な指針となり,コンセプト固めにもなった。また,学生はフィールドワークの目的を逐一確認しながら作業を実行できる。評価基準表は取り組むべきことが理解でき,双方向に利点をもたらすものとなった。
  • 敬語の指導をめぐって
    笠井 昇
    原稿種別: 本文
    2013 年 15 巻 p. 37-41
    発行日: 2013年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    敬語表現指導をめぐる諸問題にふれた上で,本学の実践データをもふまえ,若者の敬語意識について考えて見た。敬語教育を教師の側から見てそのあるべき姿勢に言及し,さらに,今の若者が敬語の必要性をどう考えているか,言葉遣い全般についての意識の問題も取り上げながら具体的なデータをあげて考えてみた。
  • 金杉 高雄
    原稿種別: 本文
    2013 年 15 巻 p. 43-52
    発行日: 2013年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    心とは人の多岐にわたる認知能力が互いに絡み合い, 脳の統合的な作用によって成り立つといえる。心は人の主観性を顕にする認知機構であり,人がある個体として行動する動物の中枢神経系に創造されるいわば, 主観的な現象と捉えることができる。 人は心を持ち, 感じ, 思考する。この心と感じ, 思考するというプロセスの終端にことばが創発されており, 人は互いに心を理解することができる。これは,「心の理論」と共に近年、研究が興隆しつつある人の心を理解することができる脳, すなわち,「社会脳」の発達として言及される重要な概念となる。人のことばは心が感じ, 思考したりするという認知活動が具現化された一つの形として捉えることができる。心とは人の幾多にも及ぶ基本的認知能力と神経系統を司る統合的な脳の複雑な機能とによって創発される, と定義することができる。心は人の主観的現象の総体と捉え直すこともできる。ことば - 心 - 脳という相互に関係を持つことばの中でも意味はコミュニケーションの観点から非常に大きな重要性を持つ。近年, そのようなことばの意味と脳構造との対応関係は心理学, 工学, 理学の関連分野との連携の下, 社会脳科学の領域から徐々に明らかになってきている。
  • 金杉 高雄, 猪池 雅憲
    原稿種別: 本文
    2013 年 15 巻 p. 53-57
    発行日: 2013年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本学の海外研修のあり方について, 参加者数の動向, アンケート調査, 教育観光学の視点そして事前・事後学習から引率・指導を担当した教員の海外研修に対する見解をまとめている。海外研修委員会(旧全学海外研修分科会)が発足して以来, 海外研修へ参加する学生の数は伸びている。そのような現実の中で, 参加した学生の大部分は自分自身の中に今まで気づくことができなかったもう1人の自分を発見している。これは大学生という感受性豊かな人生の1コマにおいてこそ収穫することができる財産と化している。新しい自分を発見するきっかけとなったのは海外という異国の地であるからこそ洗練される協調性と連帯感がかなり育まれたためであろうと考えられる。海外研修は学生諸君の自己啓発に重要な役割を果たしている。
  • 小高 恵, 金杉 高雄, 田中 秀生, 池辺 晴美, 糸田 千鶴
    原稿種別: 本文
    2013 年 15 巻 p. 59-64
    発行日: 2013年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本論文は,2012年度,アセンブリ・アワーで取り組んだ3年次教育についての報告である。はじめに,春学期と秋学期で取り組んだ内容についての報告を行った。次に,その中から,学生の将来のキャリア意思決定についてどのような態度を持っているかについての報告を行った。
  • 嶋崎 裕志
    原稿種別: 本文
    2013 年 15 巻 p. 65-73
    発行日: 2013年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    ひとりの人間の内面には,「私」が個別に複数想定されることが提案されており,James の場合と Berne の交流分析における構造分析の場合が,論議された。次に,Tulving による5つの記憶の階層性,Sullivan による精神医学における対人関係の習熟度の多少の問題と自己組織,そして Rasmussen によるプログラム化され得る,人間の情報処理プロセスの提案を概括した。結論として,流行が社会によって作られるように,個人の行動も,人格という総合力によって生み出されていると考えられ,全体としての大きな意識即ち人格は機能の観点から細分化され,それらの階層性が定義され,より低位のものは無意識化,シグナル化され,より上位のものは意識・無意識の混在化した処理過程であり(シグナル,サイン,シンボル),その中位には,Sullivan の提案する自己組織,それは巨大な神経組織であろうし,やがて大人の人格へ変身していく対人関係の生成 manner 集とも呼べるものであるのではないか。
  • 太成学院大学の関西学生バスケットボール4部Aリーグでの戦い
    高橋 清
    原稿種別: 本文
    2013 年 15 巻 p. 75-80
    発行日: 2013年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本研究は2011年8月27日〜10月16日まで開催された,関西学生バスケットボールリーグ戦4部Aリーグの上位4チームの対戦した6試合を対象とし,オフェンスの攻撃形態が試合にどのような影響を及ぼし勝敗に関係するかについて,ファースト・ブレイクを3種類,セット・オフェンスを5種類に分類し,比較して分析を試みたものである。その結果,対象4チームにおいてファースト・ブレイクの試行回数が多く,成功率の割合が高い数値を示し準成功率・失敗率が低い数値を示した場合,試合の勝敗に影響を及ぼすことが認められた。セット・オフェンスにおいては,攻撃形態を5種類の動作に分類し集計した結果,各チームの特徴がみられた。太成学院大学は「drive」からディフェンスを崩すし,そのプレイにインサイドプレイヤーが「合わせ」というコンビネーションプレイとインサイドからキックアウトされたパスよる「shot」が多く用いられた。この結果は,太成学院大学の競技レベルを把握できるとともに,今後の練習プログラムの設定やコーチングに役立つと考えられる。
  • 中村 真規子
    原稿種別: 本文
    2013 年 15 巻 p. 81-92
    発行日: 2013年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    東アジアでは, 急速に高齢化が進行している。東アジア諸国は1960年代半以後, 人口ボーナス期に経済発展を遂げた。しかし, 2010年以後は, 人口オーナス期を迎えると予想されている。中でも2015年に人口ボーナス期が終わるタイは, 開発途上の段階で高齢化を迎え, 経済的な成長を目指しながら, 同時に高齢化への対策が求められている。すなわち, 年金や医療サービスへの対応が急務となっている。このように高齢化に直面しても所得水準の低い段階では国家による統一的な社会保障には限界がある。そこで, タイでは, コミュニティのパワー強化によって医療の充実を目指している。西欧的な国家によるサービス提供ではなく, アジア的な共同体を活性化iして行う方向である。そのコミュニティの核となるタンボン・ヘルス・プロモーション・ホスピタルのサービスについて調査を行った。その施設を利用する住民が受けているサービスの満足度, 今度の期待などについて, 特にこれまで満たされていないunmet needを抽出し, サービスを充実させることが目的である。
  • 道本 ゆう子, 中村 真規子
    原稿種別: 本文
    2013 年 15 巻 p. 93-99
    発行日: 2013年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本論では, 近年の国際化によって, その地位を確立しつつあるリンガ・フランカとしての英語(English as a Lingua Franca(ELF)について取り上げ, その言語特徴について論じる。現在, 英語の母語話者と同じぐらいの数, またはそれ以上の数の話者が, コミュニケーションのツールとして英語を使用しているが, ELFについては, その流動的なスピーチ・コミュニティゆえに, 明らかにされていない言語特徴も多い。 ELFの言語特徴を明らかにし, 英語学習者への指導方法を検討することも必要である。本論では, ELFの代表的な特徴について取り上げ, 英語学習者への英語指導の観点から考察をする。
  • 八木 一成
    原稿種別: 本文
    2013 年 15 巻 p. 101-107
    発行日: 2013年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    伊賀地方は三重県伊賀市と名張市を指し,両市の人口の合計は17万6千人,大阪と名古屋を通勤圏とし,伊賀市を通る国道25号(名阪国道)沿いには企業の工場,倉庫等が立地している。一方,総面積の59%が森林,9%が経営耕地であり自然環境が豊かな中で農業が営まれている。また,伊賀市は社団法人全国愛農会の本拠地であり,2010年3月には伊賀有機農業推進協議会が発足し,有機農業に対する意識の高い地域でもある。本稿では有機農業の特性を考察し,建設的な取り組みを行なっている有機農家の集まりのひとつである「伊賀有機農産供給センター」について,作り手(生産者)と受けて(消費者)の両方の立場から有機農業の持つ可能性を論じるものである。
  • 瀬川 滋
    原稿種別: 本文
    2013 年 15 巻 p. 109-118
    発行日: 2013年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    当大学では'11年度にiPod touch(以下iPodと略す。)が全学生に配布されたが,筆者はこれに前後して強化された学修支援システム等ICTを活用した授業を各種試みた。この時に行った教材のオンライン配布, 教材のデジタル化, オンライン記述式小テスト,オンラインアンケート,バーチャル授業等について,その内容,効用,課題・問題点について述べている。
  • 文献検討
    松井 達也
    原稿種別: 本文
    2013 年 15 巻 p. 119-126
    発行日: 2013年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本研究の目的は近年の国内におけるアルコール症の治療導入期における看護の役割に関する文献検討を行い,その現状を明らかにすることである。アルコール症の治療導入期における看護に関連する国内文献20編の文献検討を行った結果,看護師の関わりに関する文献は9編,アルコール症に対する看護師の思いや教育に関する文献は6編,当事者の回復過程に関する文献は5編であった。治療導入期においてクリニカルパスやスケジュールを用いた看護の構造化,患者による攻撃的な言動,対応困難な場面,否定的感情への対処に苦労しながら学びを深め,看護師の教育の在り方の模索,患者の内省や行動パターンの変容を促す関わりの大切さが指摘されていた。今後は看護の構造化,アルコール看護師のための教育プログラムの充実などが求められていた。
  • 文献検討
    松井 達也
    原稿種別: 本文
    2013 年 15 巻 p. 127-136
    発行日: 2013年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本研究の目的は近年の国内におけるホームレスの健康調査とアルコール問題に関する文献検討を行い,その現状を明らかにすることである。ホームレスに関連する調査資料を含む国内文献31編の文献検討を行った結果,全国調査10編,大阪市内の調査9編,他の地域の調査6編,支援報告6編であった。ホームレスの全国調査において路上生活者はこの10年間で1万5千人ほど減少している一方で,路上生活を脱した,脱ホームレスのうち精神障がいの疑いがある者15.2%,アルコール依存症の疑いがある者14.1%となっており,孤立を解消するための伴走型の支援が求められていた。大阪のあいりん地区や東京の山谷地区では高齢化が進み,ほぼ全員が単身男性,家族との関係が絶縁または希薄,若年発症と思われる人が多く,生活障害が顕著であるため,服薬や金銭管理などきめ細やかな関わりが求められていた。アルコール症患者に対しては毎日の生活リズムを重視したハードな治療プログラムが必要であったが,治療導入においては信頼関係をいかに築くかが重要であり,受容的に人間としての患者の尊厳に気を配ることが何よりも大切であった。
  • 吉岡 由喜子
    原稿種別: 本文
    2013 年 15 巻 p. 137-148
    発行日: 2013年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    大学での看護基礎教育は,文部科学省の掲げる「卒業時の到達目標」に照らして,広い視野での深い思考を基盤とした看護実践力の育成と,人間的成熟を目指している。それは,対象者が主体的に自らの疾患や障害に向き合えるよう支援をするために必要なものである。しかし,実際の医療現場は,疾病構造の変化や,繰り返される診療報酬制度の改定などにより,急激に変化している。その中で,看護師は疲弊し,人間関係を歪ませ,仕事についての意欲の低下やメンタルヘルスの不調を引き起こしていた。人間関係の歪みは,さらなる悪循環に繋がっていく可能性が示唆された。メンタルヘルスの不調を訴えている看護師の半数近くは20歳代であることは,看護基礎教育での対策の必要性を示唆する。現在の医療現場の中でも人間的な成熟を目指していける力を,学士教育の中で培える教育方法の検討が急がれる。
  • 吉岡 由喜子, 山本 純子, 三井 京香, 小林 菜穂子, 原 希代
    原稿種別: 本文
    2013 年 15 巻 p. 149-155
    発行日: 2013年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本研究の目的は,看護系大学3年次生の老年看護学実習Iにおける高齢者に対するコミュニケーション力を明らかにすることで,4年次に行われる老年看護学実習II,および今後の老年看護学領域の教育指導の資料にすることである。対象は,A大学看護学部の3年次生であり,老年看護実習I終了後の学生の自由記載文を質的帰納的に分析した。その結果,3年次生が,高齢者とコミュニケーションする際に工夫していることとして,【加齢の影響を踏まえた働きかけ】,【疾患の症状に応じた働きかけ】,【庇護する対象としての関わり】,【高齢者のことを理解しようとする態度】,【看護学生としての態度】の5つのカテゴリーが抽出された。3年次生は,老年看護学実習Iにおいて,高齢者や障害の特徴を踏まえた関わりができていた。一方,高齢者を庇護する対象と捉えている可能性が示唆された。今後,学生の老年観を育成する取組みの必要性が示唆された。
  • 雑誌『教育時論』の報道を中心に
    大西 巧
    原稿種別: 本文
    2013 年 15 巻 p. 157-167
    発行日: 2013年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    文部省の高等教育機関増設計画は,通称「八年計画」と呼ばれるが,大正期の高等教育機関拡張六ヶ年計画に比べ知られていない。本稿では,明治後期における重要な文部省教育政策に焦点を絞り見直すことで,国家の高等教育のあり方を考察したい。八年計画は,計画段階から当時の新聞,雑誌に報道され注目された。ジャーナリズムによって世論が形成され,各地で学校設立の機運が起こった。しかし,この計画は当時の学制改革問題や国家財政の厳しさから見送りにされてしまう。この八年計画の誕生から結末までの経過を,文部省の取り組みや教育世論,地方と政党の動きを『教育時論』等の記事から読み取り,その動向を追うことで,明治後期の文部省教育政策を明らかにするものである。
  • バタイユ理論における
    髙橋 紀穂
    原稿種別: 本文
    2013 年 15 巻 p. 169-178
    発行日: 2013年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本稿の目的はジョルジュ・バタイユの議論における禁止と意味の世界の関係を明らかにすることにある。各節で考察されるのは以下のとおりである。第1節では本稿の目的の確認を行う。第2節では,死,労働,自己意識と禁止の成立を考察する。第3節は原初の禁止としての自死の禁止について考察する。第4節では,自死の禁止の上に積み上げられる諸々の禁止について考察する。第5節では,人間と自然との分割線としての自死の禁止,この分割線の無意味性,およびその意味生成契機の役割,さらにその無意味性の隠蔽のための諸々の禁止について論じる。第6節では,語りえない無意味の体験としての至高性の体験,そしてそれについての記述の失敗の必然性について論じる。第7節「おわりに」では,この失敗による無意味の領域の照射,この領域を基礎に人間の文化と歴史を考察した場合の至高性と俗なる世界の無意味性,そして最後にこの無意味性の自覚の重要性について論じる。
  • 池田・ヘニングセン対談が示唆するもの
    寺田 治史
    原稿種別: 本文
    2013 年 15 巻 p. 179-190
    発行日: 2013年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    教育の目的は人間の幸福にあると考えたのは,デンマ-クではニコライ・フレデリック・セブリン・グルントヴィ(Nikolaj Frederik Severin Grundtvig 1783-1872)であり,わが国においては牧口常三郎(1871-1944)である。(1)近年,行われている各種の幸福度調査ではいずれの調査でもデンマ-クは常に上位を占め,わが国は下位に位置する。今後,我が国の教育を考える時,彼の国の教育理念を再認識し,大いに学ぶことがあるように思える。副題に掲げた「池田」とは創価大学・学園創立者,池田大作(1928〜)のことである。小説「人間革命」の著者でもあり広く世界の教育者と対談を重ね,2012年度で世界の教育学術機関から315を越える名誉学術称号が贈られている。また「ヘニングセン」とはHans Henningsen(1928〜)のことである。グルントヴィ研究の第一人者として著名であり,デンマ-ク教員育成大学協会理事長(1993〜2003)などを勤めた教育者であり,牧師でもある。1994年にはデンマ-ク王室より「国家ナイト十字勲章」の称号を贈られている。(2)この両者が対談集「明日をつくる"教育の聖業"-デンマ-クと日本 友情の語らい-」(2009 潮出版社)を編んでおり,本稿は,それに因んで,グルントヴィの教育理念が日本の教育に及ぼしてきた歴史を振り返りつつ,牧口の教育理念が池田によって新たな人間教育論へと展開されている背景を探ってみようと考えた。
  • 民主的社会における少数者への配慮を中心に
    中塚 健一
    原稿種別: 本文
    2013 年 15 巻 p. 191-199
    発行日: 2013年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本論文は,「民主的社会」において,主に学校教育などで見られる児童の「民主的思考」の形成や「民主的手続き」の習得に関わる場面について,その功罪を取り上げながら,民主主義の課題である「マイノリティへの配慮」について検討し,次世代へ「平和で民主的な」社会を引き継ぐための認識を再確認することを目的とする。児童のマイノリティに対する意識を探るために,「社会的弱者」とされる場合が多い「身体障害者」の文献などを中心に検討する。
  • 堀 清和
    原稿種別: 本文
    2013 年 15 巻 p. 201-210
    発行日: 2013年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本研究の目的は,乳幼児期における音楽療法の可能性と課題を明らかにすることである。文献研究の結果,1)乳幼児期における音楽療法の活用が期待されていること,2)一方で,評価法や実践方法において課題が残されていることが判明した。実践では,子ども達の特性や嗜好性,ケアの目的を十分把握して行うことが重要である。
  • 2011年度経営学部 ・人間学部卒業生対象アンケートから
    黒川 正剛
    原稿種別: 本文
    2013 年 15 巻 p. 211-218
    発行日: 2013年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    経営学部・人間学部の卒業生に対して例年実施している「資格取得に関するアンケート」を2011年度も実施した。資格に関する説明会の開催や『資格取得促進カルテ』の実施についてはおおむね高評価を得ているものの,実際の資格取得者の増加には必ずしも結びついていない。説明会の方法や内容等を再考し,取得者の増加につなげていく必要がある。また学生の各種資格に対するニーズ,社会情勢,さらに大学,学部,学科の教育理念に配慮して,すでに設けている資格,あるいは今後設けるべき資格の吟味を行っていく必要がある。
  • 屋敷 久美, 小島 賢子, 南部 登志江
    原稿種別: 本文
    2013 年 15 巻 p. 219-224
    発行日: 2013年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    タクティールタッチは緩和療法の一つとしてスウェーデンで行われ始め,高齢者・母性・小児などの分野を中心に広がり,その効果の大きさが注目されている。タクティールタッチの理論的根拠に関する研究はスウェーデンにおいても国内においても取り組みが始まった段階である。そこで,自律神経活動を評価する指標であるローレンツプロット情報に着目し,タクティールタッチ施行前後の変化から自律神経活動への影響の検討に加え,施行前後の感情の変化の比較を検討した結果,自律神経活動の有意な変化および感情変化が認められた。今回の結果を今後引き続き予定しているタクティール・タッチの効果の検討に向けての研究の一助としたい。
  • 知的障がい者の自立と社会参加支援
    冨島 磨由美
    原稿種別: 本文
    2013 年 15 巻 p. 225-230
    発行日: 2013年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    今日では、障がい者自立支援法の基本理念にのっとり、ノーマライゼーションの考え方に基づいた障がい者自身が地域や社会の一員として、健常者と同じように、生き生きとした生活を送れるような支援をしていく事が求められている。そのため、障がい者にかかわる福祉サービスの充実を求められ、自立に伴う日常生活での社会参加を促進するための地域サービスも増えつつあるが、障害者数は年々増加の傾向にあり、同時に障害者の高齢化および障害の重度・重複化が進んでいる。また、保護者である家族の高齢化や社会経済上の影響を受けやすい就労の問題等、障がい者とその家族を取り巻く環境は厳しさを増し、新たな課題も生まれてきつつある。そこで、様々な障がい者に対する自立と社会参加支援に着目し考察しながら、その効果や雇用問題を考えて行く。障がいの中でも、今回は知的障がい者の自立支援としてのスポーツプログラムに参加し、サポートをし続けながら、障がい者の日常生活での自立に対しての変化や効果について検証する。
  • 児童詩教育私論を求めて
    佐々木 豊
    原稿種別: 本文
    2013 年 15 巻 p. 231-238
    発行日: 2013年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    これは,筆者の36年間の小学校現場での児童詩の創作指導を振り返り,児童に詩を書かせる意義と,創作児童詩の特徴について行った一考察である。本考察は又,「小学生の詩の書かせ方」を求める一つの「児童詩教育私論」の追究でもある。詩を書くことを学ぶことで,憶えることの大切さと,それ以上に,自分で思うこと,自分で考えること,未来を想像することの大切さを児童自身が気づくことができる。想像する力は,やがて新しい日本の文化を創造するのである。
  • 竹原 明伸, 村田 史之
    原稿種別: 本文
    2013 年 15 巻 p. 239-243
    発行日: 2013年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    近年,コンピュータ技術を始めとする情報化社会における構造の変化には驚くべきものがある。特に,その性能ばかりではなく,利用の範囲が極めて拡張されたことにある。これらの中の注目すべきものとしては,情報処理技術と通信技術LANとの融合が挙げられる。ユビキタスやアヴェイラビリティー等の新たな用語が生まれ,一般社会に定着し始めた。このような状況の下,試行錯誤と取捨選択が行われているが,最も特筆すべきものの中に,可視化が挙げられる。今まで,見ることができなかった,例えば,空気,気流のような常に接している物の認識に関わる事柄に対応することである。また,空間を満たすモノとしての挙動は,極めて一般的で重要な事柄として把握できることである。可視化において,例えば,原子や分子としての物性をシミュレートするための技術として,超高速繰り返し演算が可能なコンピュータ技術が必要になった。そのひとつが並列コンピュータ技術といえる。新たなコンピュータ技術とLAN技術の融合によって,今まで見るということの認識ができなかった分野が開かれたと言える。さらに,これらの解析処理のためのソフトウェアにおける開発が活発に進められている。本研究においては,これらの技術を理解し開発に関わる第一歩であることを基に,基本的で本質を認識しやすいものにするものとして,その原理と仕組みを多大な負担なく試みることを考慮して,試作したものである。
  • C言語におけるポインタの理解のために
    若宮 達夫
    原稿種別: 本文
    2013 年 15 巻 p. 245-255
    発行日: 2013年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    C言語を学ぶに際してわかりにくい事柄の一つにポインタがある。かなりのプログラミング能力を身につけた学生でも,ポインタについてよく理解していない,ということがわかった。ポインタはメモリーアクセスそのものであり,メモリーを実体として,つまりハードウェアとして扱った経験がなければ理解しづらい。この点,機械語によるプログラミングはメモリーを実体として取り扱うので,ポインタの概念がつかみやすくその理解を容易ならしめる。30 数年前,はじめて世にマイクロコンピュータが登場。それは機械語でプログラムするものであった。今回,高性能のパソコンが溢れる中,敢えて当時のマシンを再現。教育用として機械語で動作するコンピュータを設計・製作した。
  • 明治5年前方部中腹出土の石室・石棺の移設の可能性
    中井 正弘
    原稿種別: 本文
    2013 年 15 巻 p. 257-260
    発行日: 2013年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    明治5年から同21年まで大阪造幣寮(現・造幣局)の御雇外国人技師として在日したウイリアム・ガウランド(1842〜1922)は,日本古墳研究のさきがけ者として,その功績は有名である。彼の撮影した大山古墳(仁徳陵)および石津ヶ丘古墳(履中陵)の写真2枚およびこれまでの研究・調査成果をふまえて,明治5年暴風雨により前方部中腹にて露出した石室・石棺がその場で単に埋め戻されたのでなく,墳頂に移設された可能性が高いことを明らかにし,非公開になっている陵墓の古墳研究の一助としたい。
  • 梨木 昭平
    原稿種別: 本文
    2013 年 15 巻 p. 261-268
    発行日: 2013年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    養護教諭養成課程における教職科目は授業をする教員中心の内容となる傾向があり、少数職種である養護教諭への配慮が必要である。同時に、養護教諭とその他の教員との連携を授業でテーマとする必要もあるが、このテーマを考えるためにロールプレイという形式は有効である。教職科目の授業で発表されたロールプレイやその台本をもとに考察をした。
  • 町 惇彦
    原稿種別: 本文
    2013 年 15 巻 p. 269-276
    発行日: 2013年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    平成19年度の改正により所有権移転外ファイナンス・リース取引はそれまで賃貸借取引に係る方法に準じた会計処理のオフバランスを認めてきたが, 会計上は,この例外処理を認めず,所有権移転外ファイナンス・リース取引の処理方法を売買処理に統一した。税務上も基本的に会計基準に即した取扱いを行うこととした。この所有権移転外ファイナンス・リース取引のオンバランス化の論点を紹介し,オンバランス・オフバランスのメリット,会計基準と税制の相違点及び減価償却の計算にどのように影響するか確認する。
feedback
Top