日本冷凍空調学会論文集
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早期公開論文
早期公開論文の22件中1~22を表示しています
  • 竹内 友里, 李 潤珠, 渡辺 学, 鈴木 徹
    原稿種別: 原著論文
    論文ID: 21-17_OA
    発行日: 2021年
    [早期公開] 公開日: 2021/06/15
    ジャーナル オープンアクセス 早期公開

    本研究は液体窒素凍結によるブリの脱油現象調査を目的とした.脱油現象を観察するため,-30 ℃で静置凍結および液体窒素で浸漬凍結したブリ切り身試料を作製し,流水解凍後に紙皿に置いた状態で25 ℃10 時間放置した結果,液体窒素凍結の方が多く脱油された.また,解凍後の時間経過によるドリップ流出において,-30 ℃凍結や液体窒素での浸漬凍結を行い,流水解凍直後と解凍後に10 ℃または25 ℃18 時間保存後に脱水率・脱油率の測定を行った.解凍直後のドリップ流出率は液体窒素凍結の方が0.4%で低かったが,10 ℃25 ℃の保存後はともに2 倍以上の増加傾向であった.25 ℃保存後では,液体窒素凍結試料の脱水率が7.6%,脱油率は5.5%であり,顕著に高い結果であった.以上の結果から,解凍後の貯蔵過程におけるドリップ量,特に脂質分の流出が多くなることが分かった.

  • 山橋 純代 , 李 潤珠, 渡辺 学, 吉江 由美子, 鈴木 徹
    原稿種別: 原著論文
    論文ID: 21-18_OA
    発行日: 2021年
    [早期公開] 公開日: 2021/06/15
    ジャーナル オープンアクセス 早期公開

    本研究では,におい識別装置を用いて解凍後の冷凍マアジの臭気変動をした.市販のマアジを急速凍結させた後,10 ℃および25 ℃で解凍を行い,解凍後の臭気変動をにおい識別装置で分析した.25 ℃で解凍した試料の方が,炭化水素系,芳香族系,エステル系の項目の数値がより高い結果であった.本研究の結果より,解凍温度による臭気の強さや質の変動を臭気寄与度や類似度で数値化することが可能であり,におい識別装置を用いたにおい分析方法は魚肉の臭気変動の評価に有用であることが示唆された.

  • 黒瀬 築, 登立 航, 松澤 遼, 宮田 一司, 濱本 芳徳
    原稿種別: 原著論文
    論文ID: 21-06NK_OK
    発行日: 2021年
    [早期公開] 公開日: 2021/05/15
    ジャーナル オープンアクセス 早期公開

    ヘッダを共有する並列流路の沸騰流では,流量が周期的に変動する流量振動が生じやすい.流量振動は熱伝達特性の予測を困難にし,周期的なドライアウトを誘発するため,振動の発生限界を把握することが重要である.本研究では,2並列ミニチャンネルを対象に,入口クオリティ,平均流量および熱流束が振動の発生限界に与える影響を実験により検討した.その結果,流量振動は出口クオリティが高くなると発生し,入口クオリティが小さいほど低い出口クオリティから振動が生じやすいことを明らかにした.さらに,流路出口の流動様相がスラグ流である場合に流量振動が生じやすかったため,シミュレーションを用いてそのメカニズムを検討した.

  • 坂井 祥平, 黒瀬 築, 宮田 一司, 濱本 芳徳
    原稿種別: 原著論文
    論文ID: 21-07NK_OA
    発行日: 2021年
    [早期公開] 公開日: 2021/05/15
    ジャーナル オープンアクセス 早期公開

    近年,空調機用熱交換器やヒートパイプの高性能化・コンパクト化を目的として,冷媒流路の細径化が進められており,内径1 mm程度のミニチャンネルにおける相変化熱伝達特性の解明が求められている.ミニチャンネル熱交換器の一部条件や自励振動ヒートパイプでは冷媒の流量振動が発生するため,熱伝達性能を予測するためには流量変動を伴う冷媒の過渡相変化熱伝達特性を把握しておく必要がある.本研究では,流量変動時の過渡沸騰熱伝達特性解明の基礎として,内径1.0 mmの水平ミニチャンネルを流れる冷媒の質量速度が過渡的に減少する際の沸騰熱伝達率を測定し,定常熱伝達の実験結果および微細流路内定常熱伝達予測式と比較することで特性の検討を行った.

  • 小林 拓都, 渡邊 廉, 大友 優甫, 上田 祐樹, 秋澤 淳, 榎木 光治
    原稿種別: 原著論文
    論文ID: 21-10NK_OA
    発行日: 2021年
    [早期公開] 公開日: 2021/05/15
    ジャーナル オープンアクセス 早期公開

    本研究では焼結型繊維状多孔質体を充填した管内流の摩擦圧力損失性の特性を実験的に解明して整理式の提案をしている.焼結型繊維状多孔質体に対する摩擦圧力損失は,形状係数および透過率を用いることで,管摩擦係数とレイノルズ数を導出し,また,多孔質体ならではの特徴であるパラメータの多さ,つまり空隙率,内径,繊維径,および多孔質体充填長さについて整理できることを確認した.さらに,本研究で提案した新たな整理法は,空隙率によって変化する管内の流速を考慮することで,実験値との平均偏差5.1 %と,より高い精度で摩擦圧力損失を見積もることが可能である.

  • 小林 哲也, 御手洗 遥輝, 榎木 光治, 西田 耕作, 赤田 郁朗
    原稿種別: 原著論文
    論文ID: 21-11NK_OA
    発行日: 2021年
    [早期公開] 公開日: 2021/05/15
    ジャーナル オープンアクセス 早期公開

    微細管の流れ方向の形状が変化した場合の流動特性への影響を明らかにするために,その一例として内径が約1mm の微細管を波型の形状に加工した管(波形管)と一般的な微細円形管(直線管)を用い,気液二相垂直上昇流の流動様相の観察と摩擦圧力損失および沸騰熱伝達率の測定を行った.流動様相の観察実験では,波形管は,従来の直線管の研究で報告されてきた一般的な流動様式とは一部異なる特徴的な流動様相がみられた.また,波形管の摩擦圧力損失は,直線管の摩擦圧力損失よりも特徴的な流動様相が観察される領域において約2 倍程度高い値を示すことがわかった.さらに,沸騰熱伝達実験では,波形管は直線管と比べて,低熱流束ほど熱伝達率に差異が確認され最大で2.5 倍程度向上したが,高熱流束になるほど波形管の熱伝達率は直線管のそれに漸近することがわかった.

  • 吉田 雅輝, 山田 俊輔, 船見 祐揮, 中村 元
    原稿種別: 原著論文
    論文ID: 21-08NK_EM_OA
    発行日: 2021年
    [早期公開] 公開日: 2021/04/30
    ジャーナル オープンアクセス 早期公開

    微細流路における流動沸騰など,高速かつ微細な熱伝達変動を赤外線カメラで計測する技術を確立するために,可視透明ヒータ上の沸騰熱伝達変動測定を試みた.赤外線透過窓材(CaF2)上に厚さ700 nm ITO 膜を成膜した可視透明ヒータを伝熱面として使用し,落下液滴の沸騰熱伝達を測定した.その結果,100-200 Hz 以上の熱伝達変動と0.5 mm 程度までの熱伝達分布を検出することができた.本実験結果および伝熱面の熱伝導解析から得られた予測式によると,より熱伝導率の低い窓材と時間・空間分解能の高い赤外線カメラを使用すれば,微細流路の流動沸騰熱伝達の非定常性を把握する上で必要となる時間・空間的変動(1 kHz 程度かつ0.1 mm 程度)を定量的に測定できる可能性が示された.

  • -R410A とR134a における気液分配と圧力損失の比較-
    小野寺 亜由美, 澤原 風花, 畠田 崇史, 荒木 勇人, 丸山 直樹, 西村 顕, 廣田 真史
    原稿種別: 原著論文
    論文ID: 21-04NK_OA
    発行日: 2021年
    [早期公開] 公開日: 2021/04/30
    ジャーナル オープンアクセス 早期公開

    本研究では,住宅用や業務用空調機に用いられるパラレルフロー型熱交換器を模擬した垂直ヘッダ/水平多分岐管内の気液二相流について,動作圧力の異なる2 種類の冷媒R410A R134a を用いて実験を行い,冷媒物性とくに蒸気密度の違いが気液分配と圧力損失の特性に及ぼす影響を検討した.流入側ヘッダ内の流動や分岐管への気液分配特性には冷媒の違いによる顕著な差は認められず,高クオリティ時に液相分配が最下部の分岐管に偏る傾向が観察された.一方,圧力損失には冷媒の影響が明確に現れ,R134a における流路圧力損失はR410A における値の1.21.8 倍に達し,クオリティの増加に伴い両者の差は増大した.

  • 松田 昭信, 川邊 武俊 , 加藤 喜峰
    原稿種別: 原著論文
    論文ID: 20-51_EM_OA
    発行日: 2021年
    [早期公開] 公開日: 2021/02/01
    ジャーナル オープンアクセス 早期公開

    温室効果ガスまたはオゾン層破壊ガスに属する冷媒ガス等の濃度測定においては,ガスタンクやパイプからガスを抽出せずに濃度を測定することが望まれている.そこで,外部から測定が可能な超音波による濃度測定法が最も適している.本研究では従来算術的計算が容易でない多原子ガス(例えば冷媒ガスの一つであるハイドロフルオロカーボンなど)と二原子ガスの混合ガス濃度を音速の測定結果から,モデルベース設計手法による非線形解析により瞬時に求めることに成功した.各種ガスの音速は固有値であるため,音波の伝搬時間の違いから混合ガス濃度が計算できる.また,多原子ガスの比熱比は,水素,酸素,窒素などの二原子ガスのそれらとは異なるため,従来のガス濃度算術的計算を適用できないことが課題となっていた.本論文では,異なる比熱比を持つ二原子ガスと多原子ガスの混合ガス濃度を s単位で高速に計算できる新しいアルゴリズムとして,モデルベース設計手法を用いて多原子ガスと二原子ガスとの混合ガス濃度計算における非線形方程式の数値解析の計算法を実現した.

  • 角田 功
    原稿種別: 原著論文
    論文ID: 20-44SY_OA
    発行日: 2020年
    [早期公開] 公開日: 2020/12/15
    ジャーナル オープンアクセス 早期公開

    電気自動車では,走行用として蓄えている電力の一部が,暖房用としても使われる.暖房システムとしては,構造の簡単さからCOP1以下である電気ヒータが使われるが,消費電力が大きいため,暖房運転が走行距離を短縮するという問題が生じる.その対策として暖房効率の高いヒートポンプが検討されているが,様々な課題を有している.室外熱交換器着霜による性能低下はその中でも解決が難しい課題である.建物用のヒートポンプでは,定期的な除霜運転を行う.しかし自動車の場合には走行することと,暖房空間の狭さから一時的に暖房を停止するのは難しいため,着霜したまま運転を続ける.本稿では自動車のヒートポンプにおいて,室外熱交換器に着霜させたまま連続で暖房運転した場合に,その性能と効率の変化を確認したため,その内容を報告する.

  • 田岸 未来子, 大久保 英敏
    原稿種別: 原著論文
    論文ID: 20-46SY_OA
    発行日: 2020年
    [早期公開] 公開日: 2020/12/15
    ジャーナル オープンアクセス 早期公開

     冷凍空調分野で長年問題となっている熱交換器への着霜は,熱交換量の低下と通風抵抗の増大の原因となり,除霜運転が不可欠である.近年,低温機器の成績係数(COP)の向上を目的として,融解を伴わない機械的除霜が提案されている.この機械的除霜を実現するために,霜結晶の冷却面への付着力低減が大きな課題となっている.本研究では,霜層の掻き取り力を低減することを目的として,冷却面表面の微細加工形状として,単純な矩形凹凸面の凸部にR形状を設けたM字型凹凸面形状を提案する.この提案に基づき,数値解析および霜結晶の生成・成長の観察実験を行った.その結果,霜結晶が生成・成長する冷却面面積の低減と,霜結晶同士のブリッジングを抑制する効果について,M字型凹凸面形状の優位性を確認できた.

  • 横山 翔一 , 大久保 英敏 , 関 光雄, 安喰 春華
    原稿種別: 原著論文
    論文ID: 20-49SY_EM_OA
    発行日: 2020年
    [早期公開] 公開日: 2020/12/15
    ジャーナル オープンアクセス 早期公開

    着霜現象は,熱移動および物質移動の同時移動現象であり,霜層を形成する氷結晶が冷却面表面上から生成・成長する非定常現象である.この着霜現象を系統的に理解し,低温機器の熱交換器で問題となっている人工霜の生成・成長を防止または抑制することは,低温機器の消費エネルギーを削減する効果があり,革新的な省エネルギー技術となる.本研究では,微細凹凸面が凹凸面の凹部(溝部)の着霜を抑制し,凸部表面から霜結晶を生成・成長させる方法に関する基礎的研究を行った.結果として,着霜曲線の領域I(-40.1℃≦tw<0℃,tw : 冷却面表面温度)における着霜低減化の可能性を明らかにした.

  • 玉置 亮, 李 潤珠, 鈴木 徹
    原稿種別: 原著論文
    論文ID: 20-47_OA
    発行日: 2020年
    [早期公開] 公開日: 2020/11/15
    ジャーナル オープンアクセス 早期公開

    n-HexadecaneHD)の結晶化に与えるn-DacaneDCA)およびn-OctaneOCT)の影響を調べた.これにより,脂質成分どうしの相互作用が脂質の過冷却解消に及ぼす影響を体系的にとらえることを目的とした.HD-DCA , HD-OCT 系それぞれについて平衡凝固点に対して結晶核生成温度をプロットしたところ,一次の相関が見られた.しかしながらその傾きから評価すると,HD は水溶液系ほど過冷却が進行しなかった.n-Alkane 類は極性を持たず,水溶液系ほど分子間の相互作用が強くないため,過冷却解消の障壁が高くないことがひとつの要因として推察された.また,HD-OCT 系よりHD-DCA 系の方が相対的に過冷却が進行する結果となり,共存物質によって過冷却の進行度合いが異なることも明らかとなった.

  • 松本 亮介, 西浦 雄人, 塩川 貴大, 槇原 拓郎, 小田 豊, 清水 智弘, 依岡 拓也, 荒木 拓人
    原稿種別: 原著論文
    論文ID: 20-20_EM_OA
    発行日: 2020年
    [早期公開] 公開日: 2020/10/31
    ジャーナル オープンアクセス 早期公開

    本研究では,霜層の微細構造をX μCT を用いて測定し,冷却面の表面性状が霜層の微細構造に及ぼす影響について調べた.霜は冷却面上に凝縮した微小液滴を起源として成長する.液滴が合体成長の後に凍結し,その氷滴の頂部より柱状結晶が成長し,霜層が形成される.冷却面の表面性状は,この霜形成初期段階の滴状凝縮の液滴形状に影響をおよぼすと考えられる.本研究では,接触角が15 °以下の親水性と接触角96.2 °のはっ水性の2種類のシリコンチップの冷却面上に霜層を形成した.はっ水性の冷却面では親水面に比べ小さい氷滴が冷却面上に形成され,平板状の氷結晶が氷滴上部を覆い,その上部では霜密度が小さい箇所の存在が確認された.

  • -複数の施策による改善効果-
    村山 知嶺, 宮崎 達也, 勝田 正文, 裵 相哲
    原稿種別: 原著論文
    論文ID: 20-30TN_EM_OA
    発行日: 2020年
    [早期公開] 公開日: 2020/08/31
    ジャーナル オープンアクセス 早期公開

    日本の寒冷地において,暖房と給湯に必要なエネルギーは高い割合を占めており,この削減は高い省エネルギー効果が期待できる.しかし、寒冷地では外気温が低くヒートポンプの効率の低下により、普及が進まず,主に灯油が用いられている.本研究では,CO2 を作動液としたサーモサイフォン型ヒートパイプを熱回収に適用し,地中表層熱を蒸発器の熱源することで効率低下を防ぐ地中表層熱採熱にCO2 サーモサイフォンを用いる場合に考えられる性能向上への試み,例えばヒートパイプコンテナの形状,凝縮部温度の変更及び蒸発部下部への補助加熱が性能に与える影響の評価,さらに得られたデータを組み込んだシミュレーションを実施した. 凝縮部設定温度0℃の場合,コルゲート管のヒータ無し,封入率45%で最大の凝縮部熱交換量を得た.凝縮部設定温度3℃では,平滑管のヒータ無し,封入率40%で最大の凝縮部熱交換量を示した.補助ヒータを設置すると,蒸発部下部の壁面温度の上昇を抑制する効果を確認した.実測値から求めた熱伝達率整理式を用いて平滑管は長さ10mで8 本,長さ15mで5 本,コルゲート管においても同様に10mで7 本,15mは5 本でCOP=2.8 を達成した.

  • 松本 亮介, 塩川 貴大, 西浦 雄人, 小田 豊, 伊藤 大介, 齊藤 泰司
    原稿種別: 原著論文
    論文ID: 20-19_EM_OA
    発行日: 2020年
    [早期公開] 公開日: 2020/07/31
    ジャーナル オープンアクセス 早期公開

    除霜時における融解水の分布や排水挙動の評価は,除霜時間の決定や残留する融解水の排除を考える上で重要である.本研究では,X線ラジオグラフィを用いて単一鉛直平板上の除霜時の水分布を10 秒ごとに測定し,除霜前の着霜分布との差を求めることで,平板内で移動した融解水の挙動を観察した.周囲空気から加熱を行い除霜を行った.平板温度が0℃以上になった箇所から霜層が融解を始め,融解水が平板面方向の残っている霜層内へ毛管力により浸透する.浸透により融解水は冷却面上に残留しない.浸透距離は霜層の融解の進行とともに増加した.霜層が残る平板端にまで融解水が移動した後,融解水は平板から排出される

  • 小司 優陸, 葛 隆生, 阪田 義隆, 長野 克則
    原稿種別: 原著論文
    論文ID: 20-26TN_EM_OA
    発行日: 2020年
    [早期公開] 公開日: 2020/07/31
    ジャーナル オープンアクセス 早期公開

    地中熱利用システムはその高効率性の一方で導入コストが高額となるため,ライフサイクルコストの評価によるシステムの最適設計が必要とされる.このライフサイクルコストの評価を行うため地中熱利用システムの設計段階においては長期間のシステムシミュレーションが不可欠であり,高速なシミュレーション手法の開発が課題となっている.この課題に関して,地中熱利用システムにおいて肝要である地中熱交換器周囲温度場のシミュレーションは,非定常採放熱量変化と一定採放熱条件下での温度応答関数の畳み込みによって計算される.この畳み込み計算はGPU を用いた高速フーリエ変換によって計算が可能であり,この手法によって畳み込み計算における計算負荷が削減される.本研究ではGPU を用いた高速フーリエ変換による畳み込み計算の高速化を行い,この効果を定量的に評価した.本手法によって1 分刻み25 年間のシミュレーションにおける畳み込みが22.8 秒で計算され,GPU を用いない計算と比較して2.5 倍の計算速度を示した.

  • 山下 優, 濱本 芳徳, 宮田 一司, 矢嶌 健史
    原稿種別: 原著論文
    論文ID: 20-14_EM_OA
    発行日: 2020年
    [早期公開] 公開日: 2020/07/15
    ジャーナル オープンアクセス 早期公開

    蒸発伝熱面の冷媒濡れ性を向上・維持して薄液膜からの蒸発熱伝達を向上させるために,著者らはレーヨン短繊維をクロスフィンチューブ熱交換器表面に静電植毛した伝熱面(植毛面)に着目した.本研究では,植毛面に形成される液膜形状や蒸発熱伝達特性を明らかにすることを目的とし,まず本熱交換器を水冷媒に浸してフィン上の液膜を観察した.その結果,フィン間にブリッジされる厚い液膜とフィン面上の繊維間に保持される薄い液膜の2 種類を確認した.そして両液膜の厚さの推算方法を提案し,その妥当性を確認した.次に植毛面が伝熱を阻害しないことを無植毛面との比較実験で確認した.さらにフィン面が繊維間液膜で覆われる場合,蒸発熱抵抗が無植毛面のそれよりも約半分に低下することを明らかにした.最後に繊維間液膜部の熱抵抗の予測モデルを作成し,適用可能な範囲を明らかにした.

  • 関谷 禎夫 , 久保田 淳, 野中 正之, 台坂 恒
    原稿種別: 原著論文
    論文ID: 20-12_OA
    発行日: 2020年
    [早期公開] 公開日: 2020/06/15
    ジャーナル オープンアクセス 早期公開

    気液分離器を用いた二段圧縮インジェクションサイクルでは,インジェクションされる冷媒が常に飽和状態にあり温度が変化しない.このため,分離器内のガス冷媒がどの程度インジェクションされたのか検知することが困難であり,流量の適正化手法の確立が課題とされてきた.そこで本研究では,インジェクション流量を適正化するための制御指標を構築することを目的として,一段目圧縮室からの吐出冷媒を用いて積極的に加熱することで過熱度を作り出し,制御指標とすることを提案し,その有効性を実験により評価した.この結果,過熱度はインジェクション流量により変化し,COP を最大化するための制御指標として有効であることを明らかにした.

  • 気液分配量と圧力損失の測定
    小野寺 亜由美, 畠田 崇史, 荒木 勇人, 廣田 真史
    原稿種別: 原著論文
    論文ID: 20-05_OA
    発行日: 2020年
    [早期公開] 公開日: 2020/05/31
    ジャーナル オープンアクセス 早期公開

    本研究では,パラレルフロー型熱交換器を模擬した垂直ヘッダ/水平多分岐管内の気液二相冷媒流について,ヘッダ内への分岐管の突き出しが気液分配と流路内の圧力損失に及ぼす影響を実験的に検討した.冷媒流量が大きい条件では,突き出しを設けることで液相分配の均一性は突き出しの無い場合に比べ若干向上するが,高クオリティ時に液相分配が最下部の分岐管に偏る傾向は改善されなかった.一方,流路の圧力損失は突き出しを設けた場合に2040%程度増加した.また,突き出しの有無にかかわらず,流路内の圧力分布は高クオリティ条件で上下方向に均一化することが明らかになった.

  • 澤井 清, 峯本 篤志, 石井 徳章
    原稿種別: 原著論文
    論文ID: 20-18CT_EM_OA
    発行日: 2020年
    [早期公開] 公開日: 2020/05/31
    ジャーナル オープンアクセス 早期公開

    家庭用冷蔵庫の省エネルギー化を目的とし,レシプロ圧縮機の高効率化を目指して主要損失の1つである漏れ損失に着目した.圧縮機動作中の圧縮室からの漏れを計測した報告例が少ないことから,まず動作中の漏れの計測方法を検討し,ピストン直径隙間と漏れの関係およびオイル粘度と漏れの関係を調べた.その後,ピストン表面に設けたオイル溝について,溝仕様と漏れの関係を実験的に調べた.その結果,オイル溝は漏れ低減に効果があり,漏れを低減するオイル溝仕様が明らかになった.

  • 張 莉, 東 朋寛, 齋川 路之, 長谷川 浩巳, 飛原 英治, 党 超鋲
    原稿種別: 原著論文
    論文ID: 19-39_OA_EM
    発行日: 2020年
    [早期公開] 公開日: 2020/03/31
    ジャーナル オープンアクセス 早期公開

    省エネ性と快適性から見る従来空調の問題点として,夏季の過冷却除湿による効率低下と冬季の無加湿による部屋空気の乾燥が挙げられる.デシカントによる空気の除加湿方式が解決方法の1つとして期待されている.本検討では,デシカントを熱交換器の表面に塗布したデシカント塗布熱交換器と,コンパクトなスライド式空気流路切り替え部を備えたデシカントモジュールの研究開発を行った.床面積90 m2,換気0.7 timeshour-1 の住宅を対象に,寸法が1100_Length ×500_Height ×700_Width mm のデンシカントモジュールを試作し,実験により,夏季と冬季定格条件の目標除加湿能力(1020 ghour1_summer, 750 ghour-1_winter)の9 割以上を達成できることを確認した.

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