繊維機械學會誌
Online ISSN : 1883-8715
ISSN-L : 0285-905X
14 巻, 7 号
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  • (第5報) 試験片の曲率半径が摩耗率に与える影響
    藤野 清久, 中島 粂男, 井上 卓
    1961 年 14 巻 7 号 p. 481-488
    発行日: 1961/07/01
    公開日: 2009/10/27
    ジャーナル フリー
    目的走っている綿糸による銅の円筒の摩耗率が円筒の半径を変化さしたとき,どのように変化するかを実験によってしらべ,摩耗の法則が成立するか否か,綿ワックスがどんな効果を与えるかを明らかにし,あわせて摩耗の機構を解明する.成果実験結果によれば,糸の張カー定の場合円筒半径が増加すると摩耗率は減少し,単位長さ当りの垂直圧力が一定の場合摩耗率は円筒半径にほとんど無関係である.これらの結果を相当垂直荷重で整理して比摩耗率の形に直すと,いずれの場合にも比摩耗率は一定とはならず,円筒半径の増大に対し逆に減少し,摩耗の法則が成立しない.それゆえ綿糸に含まれている天然潤滑剤による表面の状態の変化を考え,円筒半径の大きいことが糸と円筒との接触時間を長くし,接触時間が表面温度よりもワックスの軟化溶融に対しより著しく作用するため,円筒半径の大きいとき比摩耗率が小さくなると説明することができる. 目的 これまでの報告において論じたように,摩擦熱が綿繊維の表面に含まれているワックスの軟化溶融を促進し,その結果生ずる移動層が相手の物体の摩耗を防止する作用を営む.このように綿ワックスが円筒の摩耗現象において重大役割を演ずるから,もしワックスを有しない糸で実験すれば,事態はすっかり変ってしまうであろうと思われる.それゆえ本報では精練した糸とそうでない糸とによる実験結果を比較検討する. 成果 工業的に精練した糸と精練してない糸による摩耗率,摩擦係数にはほとんど差異がみとめられなかった.またいずれの場合にもこれまでと同様,試験片の入口側の方が出口側より激しく摩耗した.したがって精練の影響はあらわれていないことになる.従来からの研究によれば,ワックスを除去した糸は一般に高い摩擦係数を示し,これに少量の潤滑剤を添加すると,摩擦係数は急激に低下し,添加量がある程度以上になると,摩擦係数はそれ以上は低下しなくなる.この事実と考えあわすと,工業的精練ではかなりの量のワックスが残留しており(ソックスレ抽出試験によってみとめられる),この残留ワックスが,精練してない糸におけるワックスと同じ作用を営んだことになる.したがって潤滑剤の効果をしらべるに当たっては,工業的精練では不十分であり,完全にワックス分を除去できるような方法を取らねばならない.そのためにも,少量の糸で実験できるようなちがった型式の実験装置が必要となる.
  • 鴨川 寿, 神田 英作, 今井 久雄
    1961 年 14 巻 7 号 p. 489-496
    発行日: 1961/07/01
    公開日: 2009/10/27
    ジャーナル フリー
    目的運転中のカード機に供給された綿, スフの繊維の挙動を16mm高速度カメラ, Kerr Cellカメラ等の高速度写真撮影によって解明しようとした.成果この結果, テーカイン下およびシリンダ, ドッファ接触点下部の気流状況, テーカイン, シリンダおよびドッファ上の繊維の挙動, とくにそれらの方向性が明らかになった.
  • (第1報) フライヤの理論について
    一志 淑夫
    1961 年 14 巻 7 号 p. 497-501
    発行日: 1961/07/01
    公開日: 2009/10/27
    ジャーナル フリー
    目的フライヤについては従来あまり検討されていなかったので, まずフライヤの役割を理論的に検討しようとするものである成果(1) フライヤのうちでプレッサに加圧力を生じさせるのは, プレッナの重心位置の偏心によるホローレッグ中心軸まわりのモーメントであること, ならびにプレッデパドルとしの巻の接触位置は2領域によりその性格を異にすることを指摘した.(2) 実際に巻取り中プレッナにはたらくホローレッグ中心軸まわりのモーメントは上の反力によるモーメント, しの巻との摩擦としの巻にまきつけられる粗糸の張力による抗力および空気抵抗によるモーメントとつりあうことから, プレッサがしの巻に与える加圧力をみちびいた.(3) 上で摩擦力および粗糸張力を無視したときの力をプレッサの加圧力とよび, 実際に巻取り中の加圧力は従来指摘されていなかったが, これをプレッサの巻取り加圧力とよび, はっきり区別した.
  • (第2報) ドラフト過程の周波数応答について
    藤野 清久, 吉田 幸吉, 藤本 武, 川端 季雄
    1961 年 14 巻 7 号 p. 502-506
    発行日: 1961/07/01
    公開日: 2009/10/27
    ジャーナル フリー
    目的紡出繊維束に正弦波状のむらを生じるように, ドラフトローラの表面速度に周期的な変動を与える.そして入力変動と, 出力である紡出繊維束の太さむらとの間の振幅比ならびに位相差を実測し, ドラフト過程の動特性を周波数応答法により実測することを目的とする.成果 (1) ドラフトローラの表面速度の周期変動の波長が繊維長の2~3倍のときに紡出繊維束の太さむらが入力変動より大きな値をとる.そのときの位相遅れは約90度になる.(2) 浮遊繊維のない理想ドラフトの場合に比較して実際のドラフトではかなり悪い制御状態であり, このために生じるドラフトむらの状態がボーデ線図によって捕えることができた.
  • 篠原 昭, 呉 祐吉
    1961 年 14 巻 7 号 p. 507-512
    発行日: 1961/07/01
    公開日: 2009/10/27
    ジャーナル フリー
    目的織物の任意の方向のしわ回復角をたて, よこ2方向の回復角をパラメータとして記述し, 実験的な検証を行ない, 同時に曲げ剛さの方向性と比較検討する.成果 (1) たて, よこ方向のしわ回復角を (π-AW), (π-AF) としたとき, たて糸と角θをなす方向を折目としてたたんだ場合のしわ回復角βはβ=1/sinθ+cosθ- (βWsinθ+βFcosθ) ただしβW=cos-1 ((1-cosTW) cot2θ-cosTW), βF=cos-1 ((1-cosωF) tan2θ-cosωF), ωW=AW・2θ/π, ωF=AF (π-2θ) /π (2) 各種織物について上式を実験的に検証した結果たて, よこ糸の交鈷程度の小さいものでは実験値とよく一致する. (3) 曲げ岡さの異方性に関する呉, 篠原の式でよく記述できる試料では, しわについても理論式とよく一致する.
  • 藤田 正
    1961 年 14 巻 7 号 p. 513-517
    発行日: 1961/07/01
    公開日: 2010/06/17
    ジャーナル フリー
    目的
    織方図における組織, ヘルド通し, 踏み順, ならびに釣順の記号を行列であらわし, それらの相互関係を行列の乗法によって求めた.
    成果
    意匠紙に記入された織方図の記号を尤素とよる行列をつくり, 行列の乗法によって織方図における組織, ヘルド通し, 踏み順および釣順の関係を明らかにし, 織方図のあらわす意義を数学的に説明すると共に, 織方図の作製を簡単明瞭にした.
  • 小貫 章, 神谷 卓郎
    1961 年 14 巻 7 号 p. 518-524
    発行日: 1961/07/01
    公開日: 2009/10/27
    ジャーナル フリー
    目的アセテートの紡糸口金に多数の孔をうがつとき, 孔の最適配列を実験的に確認するには困難が伴う.理論的考察をする一法として, 幾何学的パラメータによって紡糸孔相互の妨害率を表現し, その数値によって配列の適否を判断することを試みた.成果計算結果を経験的事実と比較して矛盾するところがない.紡糸孔の最適配列を推定するために, この計算方法が1つの示唆を与えるものと考えられる.
  • (第3報) そ毛糸のたてのり付について
    久野 馨
    1961 年 14 巻 7 号 p. 525-529
    発行日: 1961/07/01
    公開日: 2009/10/27
    ジャーナル フリー
  • 1961 年 14 巻 7 号 p. 533-537
    発行日: 1961/07/01
    公開日: 2009/10/27
    ジャーナル フリー
  • 安宅産業株式会社機械第二部繊維機械課
    1961 年 14 巻 7 号 p. 539-540
    発行日: 1961/07/01
    公開日: 2009/10/27
    ジャーナル フリー
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