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1,771件中 1-20の結果を表示しています
  • *上田 貴志, 植村 知博, 佐藤 雅彦, 中野 明彦
    日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
    2004年 2004 巻
    発行日: 2004/03/27
    公開日: 2005/03/15
    会議録・要旨集 フリー
     エンドサイトーシスは,細胞外,もしくは細胞膜上の物質を細胞内へと取り込む機構であり,細胞膜上のタンパク質,脂質,細胞壁の構成成分,細胞外の栄養分等,多くのものがエンドサイトーシスにより細胞内へと取り込まれる.このエンドサイトーシスを担うオルガネラは
    エンドソーム
    と総称され,動物細胞においては,初期
    エンドソーム
    ,後期
    エンドソーム
    ,リサイクリング
    エンドソーム等の機能的に分化したエンドソーム
    が存在することが知られている.しかしながら,植物細胞における
    エンドソーム
    に,機能的分化が存在するのか,また,存在するとすれば,それぞれの
    エンドソーム
    にどのようなタンパク質が局在し,どのような機能を担っているのか,という点に関しては,これまで全くわかっていなかった.この問題を解明するため,我々はシロイヌナズナにおいてエンドサイトーシスを制御するRab GTPase群とSNAREタンパク質群の細胞内局在を蛍光タンパク質を用いた詳細な解析により比較し,シロイヌナズナ細胞中に少なくとも2種類の機能的に異なる
    エンドソーム
    が存在することを明らかにした.また,その2種類の
    エンドソーム
    は,独立したオルガネラではなく,一方から他方へと連続的に成熟する可能性が高いことも見いだした.本大会では,この
    エンドソーム
    成熟モデルとそれにより維持されていると期待される機能的分化の関係について議論したい.
  • 遠藤 江美
    ファルマシア
    2019年 55 巻 1 号 71
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/01/01
    ジャーナル フリー
    乳幼児期における急性胃腸炎の主因であるA群ロタウイルス(group A rotaviruses: RVA)は,宿主細胞表面に吸着すると,エンドサイトーシスによって侵入し,ウイルスの外殻タンパク質の分解を受けて脱殻する.この脱殻には
    エンドソーム
    の環境変化が関与していると報告されており,その要因の1つが
    エンドソーム
    の酸性化であると言われている.一方で,分裂,分化,代謝などの細胞プロセスを制御するホスホイノシタイド3-キナーゼ/タンパク質キナーゼB(PI3K/Akt)および分裂促進因子活性化タンパク質細胞外シグナル制御性キナーゼ/細胞外キナーゼ(MEK/ERK)シグナル経路が多くのウイルス感染機序に利用されることが知られている.本稿では,後期
    エンドソーム
    (late endosome: LE)の過程において脱殻が起こるlate-penetration(L-P)型RVAの感染初期におけるシグナル経路活性化と
    エンドソーム
    酸性化の関係を明らかにしたSolimanらの研究論文を紹介する.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Arias C. F. et al., J. Virol., 89, 890-893(2015).
    2) Chemello M. E. et al., J. Virol., 76, 13083-13087(2002).
    3) Soliman M. et al., PLoS Pathog., online 14, e1006820(2018).
  • *山田 健志, 富士 健太郎, 嶋田 知生, 西村 いくこ, 西村 幹夫
    日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
    2005年 2005 巻
    発行日: 2005/03/24
    公開日: 2006/01/11
    会議録・要旨集 フリー
    植物において,原形質膜のタンパク質がどのように液胞へ運ばれ分解されるかは明らかにされていない.そこで,原形質膜タンパク質の液胞への輸送を調べる目的で,シロイヌナズナとタバコ培養細胞(BY-2)におけるエンドサイトーシスを解析した.
    エンドソーム
    は非常に早く液胞へ到達するので,通常の条件ではほとんど見ることができない.しかし,パパイン型システインプロテアーゼの阻害剤であるE64dでBY-2を処理すると,
    エンドソーム
    が細胞礎質に大量に蓄積することが分かった.このことは,E64dが
    エンドソーム
    と液胞の融合を阻害することを示唆している.原形質膜タンパク質(PIP2a,LTI6b)とGFPの融合タンパク質を発現するシロイヌナズナ形質転換株にE64dを処理したところ,GFP蛍光を持つ
    エンドソーム
    が蓄積し,融合タンパク質の分解が阻害された.さらに,ビオチン化阻害剤を用いて,蓄積した
    エンドソーム
    に2つのパパインホモログ(ENP)が局在することを見つけた.以上の結果から,ENPは原形質膜タンパク質の液胞への輸送過程の一つである
    エンドソーム
    と液胞の融合に働くことが示された(1).
    1) Yamada et al. (2004) Plant J., in press.
  • *柏田 歩, 坪井 茉奈, ブランデンブルグ エンリコ, 松田 清美, コクシュ ビアテ
    ホスト・ゲスト化学シンポジウム講演要旨集
    2011年 2011 巻 1P-38
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/03/16
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では糖およびその類縁体に対する分子認識を駆動力とした膜融合を実現するために,コイルドコイルポリペプチドとボロン酸誘導体によるデバイスを設計合成した。このデバイスは細胞内
    エンドソーム
    環境においてのみ,標的選択的な膜融合を実現できるよう,pH応答型コイルドコイルに基づき設計がなされている。人工的な系として糖類縁体であるホスファチジルイノシトール含有リポソームを標的とした際に,本研究で合成したデバイスを含む担体リポソームは
    エンドソーム
    環境に匹敵する弱酸性条件において,ボロン酸-イノシトール間の分子認識を経た一方向的な膜融合挙動が観測された。
  • *村井 康高, 黄 基旭, 永沼 章
    日本トキシコロジー学会学術年会
    2005年 32 巻 O-61
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/06/08
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】我々はメチル水銀毒性発現機構を明からにするために、真核生物モデルである酵母のメチル水銀感受性に影響を与える遺伝子群の全容解明を目指している。これまでに、酵母細胞内の輸送小胞を介した液胞への物質輸送経路のうち、ゴルジ体→
    エンドソーム
    →液胞、という輸送経路に関わる蛋白質であるVps27やVps45を欠損させた酵母がメチル水銀に対して耐性を示すことを見出している。そこで、メチル水銀がこの物質輸送経路に与える影響について検討した。【結果および考察】酵母細胞内で合成されたcarboxypeptidase (CPY) は未成熟体のままゴルジ体から
    エンドソーム
    を介して液胞へ運ばれ、液胞内でプロセシングを受けることにより成熟型になることが知られている。まず、Vps27またはVps45の単独欠損酵母、もしくはその二重欠損酵母におけるCPYの液胞への輸送をCPYのプロセシング状態を指標とするWestern blot法により検討した。その結果、これらの欠損酵母では野生株に比べて、成熟型CPY量が少ないことが確認された。このことより、Vps27またはVps45欠損酵母はゴルジ体から
    エンドソーム
    を介した液胞への輸送が抑制されることによってメチル水銀に対して耐性を示す可能性が示唆された。次に、メチル水銀処理がこの輸送経路に与える影響を検討したところ、メチル水銀処理によって成熟型CPYの増加が確認され、メチル水銀によってこの輸送系が亢進される可能性が示唆された。一方、輸送小胞が液胞に融合する際にアダプター蛋白質として機能するVam3やVam7を欠損させた酵母は、メチル水銀に対して耐性を示さなかった。以上の結果から、何らかの蛋白質の
    エンドソーム
    内への輸送が亢進することによってメチル水銀毒性発現が増強される可能性が考えられる。現在は、
    エンドソーム
    に運ばれることによってメチル水銀毒性を増強させる蛋白質の同定を試みている。
  • 爲本 雄太
    ファルマシア
    2024年 60 巻 4 号 343
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/04/01
    ジャーナル 認証あり
    核酸医薬の治療標的への送達にはドラッグデリバリーシステム(DDS)が必須であり,核酸医薬のDDSキャリアとして脂質ナノ粒子(LNP)が汎用されている.SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの送達にもLNPが用いられており,LNPの有用性が改めて認識された.LNPの使命は,核酸医薬を無事に目的地まで送り届けることである.そのために,細胞内で加水分解されるpH応答性脂質を含むLNPが開発され,脂質組成の調節によりLNPを特定の臓器に標的化する手法が開発されてきた.一方で,LNPの構造の違いが及ぼす核酸送達への影響についてはほとんど報告がなかった.本稿では,in vitroにおいてLNPのナノ構造が,
    エンドソーム
    脱出と,RNAの細胞質への送達を制御することを明らかにしたZhengらの報告を紹介する.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Maier M. A. et al., Mol. Ther., 21, 1570–1578(2013).
    2) Cheng Q. et al., Nat. Nanotechnol., 15, 313–320(2020).
    3) Zheng L. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U S A., 120, e2301067120(2023).
  • 中村 直人
    ファルマシア
    2021年 57 巻 11 号 1047
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/11/01
    ジャーナル フリー
    mRNAを医薬品として応用する試みが加速度的に進んでいる.COVID-19ワクチンに留まらず,その短時間の発現を利用してオフターゲットの懸念が大きい遺伝子編集治療への応用も期待されている.生体成分との接触で容易に分解するmRNAを医療応用するには,脂質ナノ粒子(lipid nanoparticle: LNP)に内包する手法がよく用いられる.典型的なLNPでは,細胞外でのmRNAの安定化や細胞内での
    エンドソーム
    脱出を目的に,イオン化脂質,リン脂質,コレステロール,PEG脂質の4成分が使用される.これまでイオン化脂質のpH応答性を最適化し
    エンドソーム
    脱出能を付与する研究が多く行われてきたが,本稿では,粒子表面の安定化を担うリン脂質にpH応答性を付与し,活性向上および臓器選択性の付与を検討した報告を紹介する.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Shuai L. et al., Nat. Mat., 20, 701-710(2021).
  • *海老根 一生, 藤本 優, 台信 友子, 植村 知博, 堤 伸浩, 中野 明彦, 上田 貴志
    日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
    2011年 2011 巻
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/02
    会議録・要旨集 フリー
    細胞内では小胞を介して様々な物質の輸送が行われており,RABとSNAREはこの小胞と標的オルガネラ膜の融合を制御する分子である.我々は,小胞輸送が植物の高次現象において果たす役割を明らかにすることを目的とし,特に植物固有のRABとSNAREであるARA6とVAMP727に注目し研究を行っている.ARA6は特徴的な一次構造を持つ植物固有のRAB5であり,保存型のRAB5とは一部重なりながらも異なる
    エンドソーム
    に局在している.一方,VAMP727はlongin domainに約20アミノ酸からなる挿入を持つR-SNAREであり,液胞膜と
    エンドソーム
    の接する部分でQ-SNAREであるVAM3と複合体を形成することにより,
    エンドソーム
    と液胞間における膜融合を制御している(Ebine et al., 2008).これら植物固有の小胞輸送制御因子について様々な手法を用いて機能解析を行った結果,我々は新たに,VAMP727が
    エンドソーム
    から細胞膜への輸送においても機能していること,その上流でARA6が機能していることを見いだした.今大会ではこの解析結果について報告するとともに,ARA6によって制御される輸送経路の生理的意義についても議論したい.
  • 大橋 正人
    生物物理
    1991年 31 巻 6 号 33-37
    発行日: 1991/11/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • *中川 博史, Anamul MD HAQUE, 西村 和彦
    日本毒性学会学術年会
    2022年 49.1 巻 P-200
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/08/25
    会議録・要旨集 フリー

    【目的】直径0.1 µm程度のポリスチレン粒子が、腸管モデル細胞内に取り込まれることが報告された。経口摂取されたマイクロプラスチックが消化管上皮細胞のリソソームに蓄積し細胞機能に影響を与える可能性があり、細胞内取り込み機構の解明が急がれる。細胞内取り込み機構については当初考えられていた単純拡散によるものだけではなく、リソソーム腔内への取り込みが見られることから

    エンドソーム
    系の関与も想定される。そこで本研究では細胞膜、
    エンドソーム
    からリソソームまで広く局在し、エンドサイトーシスに関与するNa+/H+ exchangers (NHE)の阻害剤であるAmilorideのポリスチレン粒子の細胞内取り込みへの影響について評価を行った。【方法】ヒト結腸癌由来細胞株Caco-2細胞を用い、200 µg/mlのアミノ基修飾のされた直径0.1 µmの蛍光ポリスチレンビーズを24時間処置した。リソソーム膜透過性亢進は蛍光タグGalectin3発現プラスミドを導入して観察した。後期
    エンドソーム
    およびリソソームは免疫蛍光染色法にて観察した。【結果と考察】100 µMのAmiloride処置は後期
    エンドソーム
    の数・サイズの減少を誘導するとともに、ポリスチレン粒子の細胞内取り込み、特にリソソーム様オルガネラ腔内への取り込みを有意に減少させた。またポリスチレン粒子の処置により観察されたリソソーム膜透過性亢進も、Amiloride処置により抑制された。エンドドーム局在NHEサブクラスの一つNHE-7をsiRNAノックダウンしたが、後期
    エンドソーム
    の数・サイズの減少は僅かであり、ポリスチレン粒子の取り込み量の減少も認められなかった。サブタイプの同定には至らなかったが、NHEがポリスチレン粒子の細胞内取り込みおよびリソソーム集積に関与することが示唆された。

  • *中川 博史, 西村 和彦
    日本毒性学会学術年会
    2020年 47.1 巻 P-198
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/09/09
    会議録・要旨集 フリー

    【目的】プラスチック粒子が摂取された場合、細胞内に取り込まれるのか、また取り込まれるのならばどのような影響を示すのかについて議論がある。近年、直径0.1μm程度のポリスチレン粒子が細胞に取り込まれ、その一部はリソソームに集積することが報告された。リソソームはオートファゴソームおよび後期

    エンドソーム
    の分解の場であることから、リソソームへのポリスチレン粒子の蓄積が、オートファジーの動態および、後期
    エンドソーム
    で生成されるエクソソームの分泌へ影響を与えることが予想される。本研究ではCaco-2細胞を用いて、ポリスチレン粒子のオートファジーやエクソソーム分泌への影響を評価した。

    【方法】ヒト結腸癌由来細胞株Caco-2細胞を用い、200μg/mlの未修飾又はアミノ基修飾のされた直径0.1μmの蛍光ポリスチレンビーズを24時間処置した。オートファジーはMDC染色およびLC3ウエスタンブロットで検出した。後期

    エンドソーム
    はCD63抗体を、リソソームはLAMP-1抗体を用いた蛍光免疫染色にて観察した。エクソソーム分泌は、培養上清エクソソーム画分のCD63ウエスタンブロットで評価した。

    【結果と考察】ポリスチレン粒子は細胞に取り込まれ細胞質内に斑状に分布し、その一部はLAMP-1タンパクと共局在したことからリソソームへ蓄積したと考えられた。MDC染色陽性オートリソソームのサイズの増大と数の増加が見られ、LC3-IIタンパクも増加したことから、オートファゴソーム分解の抑制が示唆された。また後期

    エンドソーム
    のサイズの増大と数の増加と共に、僅かではあるがエクソソームの分泌の増加が観察された。後期
    エンドソーム
    のリソソームでの分解が抑制された結果、エクソソーム分泌量が増大したのではないかと考えられた。これらの結果は、取り込まれたポリスチレン粒子が細胞の生存調節機構に影響を与えることを示唆している。

  • *海老根 一生, 藤本 優, 台信 友子, 植村 知博, 堤 伸浩, 中野 明彦, 上田 貴志
    日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
    2010年 2010 巻
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/11/22
    会議録・要旨集 フリー
    細胞内では小胞を介して様々な物質の輸送が行われており,RABとSNAREはこの小胞の融合を制御している鍵因子である.我々は小胞輸送が植物の高次現象において果たす役割を明らかにすることを目的とし,特に陸上植物固有のRABとSNAREであるARA6とVAMP727に注目し研究を行っている.ARA6は特徴的な一次構造を持つ植物固有のRAB5であり,保存型のRAB5とは一部重なりながらも異なる
    エンドソーム
    に局在している.我々はこれまで液胞膜に局在するQ-SNAREであるVAM3との遺伝学的解析から,ARA6と保存型RAB5が拮抗した機能を持つことを明らかにしているが,その詳細なメカニズムは不明であった.一方で,VAMP727はlongin domainに約20アミノ酸からなる挿入を持つR-SNAREであり,シロイヌナズナでは液胞膜と
    エンドソーム
    の接する部分でVAM3と複合体を形成し,
    エンドソーム
    /液胞輸送において機能することを明らかにしている(Ebine et al., 2008).
    これら植物固有の小胞輸送制御因子について複合的な解析を行った結果,ARA6がVAMP727を介して
    エンドソーム
    から細胞膜への輸送を制御していることが明らかになった.今大会ではこの解析結果について報告する.
  • *内田 和歌奈, 小林 聡子, 郷 達明, 中野 明彦, 上田 貴志
    日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
    2006年 2006 巻
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/12/27
    会議録・要旨集 フリー
    シロイヌナズナの
    エンドソーム
    には,動物や酵母のRab5 GTPaseと相同性が高い3つのGTPase,Ara6,Ara7,Rha1が局在し,
    エンドソーム
    を介した小胞輸送に関与している.我々は,これら3 つのGTPaseの活性化を担うグアニンヌクレオチド交換因子(GEF)としてAtVps9aを同定した.atvps9a変異をホモにもつ個体は得られなかったので,変異をヘテロにもつ個体の長角果内部を観察したところ,約4分の1の胚珠が褐色化していた.この表現型はAtVPS9を含むゲノム断片により相補された.atvps9a変異体の胚発生過程を光学顕微鏡で解析したところ,変異をホモにもつ胚株の多くでは胚発生が遅延し,魚雷型胚で停止していた.また,変異をホモに持つ胚珠の約1割では,8細胞期までの初期胚のまま発生を停止していた.次に,発生を停止した魚雷型胚をSEMで解析したところ,細胞数の減少および個々の細胞体積の増大,分裂パターンの異常,細胞壁の異常等が観察された.さらに,発生を停止した魚雷型胚の胚珠をTEMで観察したところ,胚ではゴルジ小胞と思われる小胞や,異常な膜系が蓄積していた.また,アリューロン細胞ではゴルジ小胞と
    エンドソーム
    様構造が蓄積していた.これらの微細構造解析から,植物の発生初期において,Rab5の活性化による
    エンドソーム
    を介した小胞輸送が重要な役割を担っていることが明らかとなった.
  • 有馬 英俊, 本山 敬一
    Drug Delivery System
    2010年 25 巻 6 号 598-606
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/02/25
    ジャーナル フリー
    これまで筆者らは,α-シクロデキストリン(α-CyD)とPAMAMデンドリマーとの結合体(α-CDE)は,デンドリマーのプロトンスポンジ効果に加えて,α-CyDの
    エンドソーム
    膜との相互作用に起因する
    エンドソーム
    脱出促進効果を有しており,遺伝子,siRNA,shRNA用キャリアとして有用であることを報告した.本稿ではα-CDEに細胞選択性を付与するために,種々の糖修飾α-CDEsや葉酸修飾α-CDEを調製し,その有用性を評価した.
  • 門脇 則光
    日本臨床免疫学会会誌
    2014年 37 巻 4 号 284
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/10/07
    ジャーナル フリー
      臨床に用いられる薬剤には樹状細胞(DC)に強い影響を及ぼすものがあり,DC biologyの探究や新規治療の開発に応用することができる.
      多発性骨髄腫に対するプロテアソーム阻害薬ボルテゾミブ,および慢性骨髄性白血病に対するチロシンキナーゼ阻害薬ダサチニブは,TLR9リガンドCpG DNAの刺激を受けた形質細胞様DC(pDC)によるIFN-αの産生を抑制した.これらの機序として,ボルテゾミブ,ダサチニブはそれぞれTLR9の小胞体から
    エンドソーム
    への移動,およびCpG DNAの早期
    エンドソーム
    への滞留(IFN-αの産生に重要)を阻害することがわかった.したがって,pDCにおける小胞(小胞体,
    エンドソーム
    )機能が新たな抗炎症薬の標的になると考えられる.
      また,活性型ビタミンD3(VD3)はさまざまな免疫担当細胞に作用して過剰な免疫反応を抑制するが,VD3はCD1c陽性の骨髄系DC(mDC)に作用してレチノイン酸(RA)の高産生を誘導することがわかった.この“VD3 – CD1c+ mDC – RA”の系は,ヒトの免疫ホメオスタシスの維持に重要な新規のコンポーネントと考えられる.
      以上のように,ヒトDCサブセットの機能を選択的に制御する小分子化合物を見いだすことは,さまざまな免疫関連疾患の治療開発,およびDC機能制御の分子メカニズムの解明に寄与すると期待される.
  • *中川 博史, 西村 和彦
    日本毒性学会学術年会
    2021年 48.1 巻 P-118
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/08/12
    会議録・要旨集 フリー

    【目的】直径0.1 µm程度のポリスチレン粒子は、経口摂取されると一部は消化管粘膜細胞のリソソームに蓄積する。ポリスチレン粒子の蓄積がリソソームの機能であるオートファゴソームおよび後期

    エンドソーム
    の分解にどのような影響を与えるか不明である。リソソーム膜透過性亢進(LMP)はリソソームの機能障害の一因である。本研究ではLMPの検出にGalectinタンパクのリソソーム腔内への集積を利用した観察を行い、ポリスチレン粒子の蓄積がリソソーム機能障害を起こすのか評価した。

    【方法】ヒト結腸癌由来細胞株Caco-2細胞を用い、200 µg/mlの表面未修飾又はアミノ基修飾のされた直径0.1 µmの蛍光ポリスチレンビーズを24時間処置した。リソソームへのGalectinタンパクの集積はmAzamiGreen-Galectin3発現プラスミドを導入して観察した。オートファジーはMDC染色およびLC3ウエスタンブロットで検出した。後期

    エンドソーム
    はCD63抗体免疫蛍光染色にて観察した。

    【結果と考察】ポリスチレン粒子の取り込みはGalectin-3タンパクのリソソームへの集積を起こした。ポリスチレン粒子の取り込みによりMDC陽性オートリソソームのサイズの増大と数の増加が見られ、LC-3IIタンパクも増加した。またタンパク分解酵素を抑制するクロロキンの併用処置時のLC-3IIタンパク量に対照群との差が見られなかったことから、ポリスチレン粒子の取り込みによりオートファゴソーム分解の抑制が生じていることが示唆された。加えて後期

    エンドソーム
    についてもサイズの増大と数の増加が認められた。LMPを誘導し、オートファゴソームや後期
    エンドソーム
    の分解抑制を惹起することから、ポリスチレン粒子がリソソーム機能障害を起こすことが示唆された。

  • *安田 純一, 安達 蒼, 中川 博史, 西村 和彦
    日本毒性学会学術年会
    2018年 45.1 巻 P-20
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/08/10
    会議録・要旨集 フリー

    オートファジーは,細胞質成分を包み込んだオートファゴソームがリソソームと融合してオートリソソームを形成し,その分解産物を再利用することで細胞生存性を高める機構である.抗がん剤はオートファジーを促進するため,オートファジーの阻害により細胞障害を引き起こし,がん進行を抑制することが試みられている.リソソームの酸性化を阻害するクロロキン(CQ)にはオートファジー阻害効果があり,抗がん剤と併用する臨床研究が行われているが,その抗腫瘍メカニズムについては不明な点が多い.本研究は,CQと抗がん剤であるシスプラチン(CDDP)の併用による細胞レベルでの抗腫瘍メカニズムの解明を目指した.HepG2細胞にアポトーシスを誘導しない用量である2 µg/mLのCDDPと40~160 µMのCQを併用処置し,24時間後にアポトーシスの誘導についてはHoechst33342染色,オートファジー誘導についてはLC3タンパク量のウェスタンブロット,オートリソソーム形成についてはMonodansylcadaverine(MDC)染色で評価した.オートファゴソームと同じくリソソームと融合し分解される後期

    エンドソーム
    量は細胞溶解物中のCD63タンパク量,後期
    エンドソーム
    の内容物で細胞外に放出されるエクソソームの分泌量は培養上清中のCD63タンパク量のウェスタンブロットで評価した.アポトーシス誘導,LC3タンパク量,及びオートリソソームの形成はCDDP単独処置と比較してCQ併用処置で増加した.また後期
    エンドソーム
    量及びエクソソーム分泌量についてもCDDP単独処置と比較してCQ併用処置で増加した.今回の結果から,オートリソソームの分解抑制によりオートリソソームが蓄積することでオートファジーが阻害された結果,アポトーシスが誘導されたと考えられる.また,オートリソソームの蓄積によりリソソームの処理能力が逼迫したため,後期
    エンドソーム
    が滞留し,エクソソームの分泌が増加したと考えられる.

  • *黄 基旭, 村井 康高, 松尾 拓洋, 永沼 章
    日本トキシコロジー学会学術年会
    2006年 33 巻 P-071
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/06/23
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】我々は、何らかの蛋白質がVps27-Hse1複合体によって認識された後に
    エンドソーム
    内へ取り込まれるという現象がメチル水銀毒性を増強していることを見出した。また、Vps27-Hse1複合体と結合することが報告されている蛋白質の中で、Ubi4 (ubiquitin polyprotein) およびYnr005c (機能不明) が、それぞれを欠損させることによって酵母にメチル水銀耐性を与えることも明らかにしている。そこで、メチル水銀毒性の増強機構における両蛋白質の役割について検討した。【結果および考察】Vps27欠損酵母はメチル水銀耐性を示すが、Ubi4またはYnr005cを同時に欠損させてもそのメチル水銀耐性の程度は増強されなかった。したがって、Ubi4およびYnr005cは共にVps27と同一の経路においてメチル水銀毒性の増強に関与していると考えられる。蛋白質が
    エンドソーム
    内に取り込まれるためには予めユビキチン化を受ける必要があるが、Ynr005cは細胞内でユビキチン化を受けることが確認された。一方、ユビキチンの前駆体であるUbi4は
    エンドソーム
    内へ取り込まれる蛋白質というわけではなく、ユビキチンの供給源として機能している可能性が考えられる。UBI4の発現は通常状態においては非常に低いが、heat shockなどのストレスによって誘導されて様々なストレスに対して防御的に働くことが知られている。そこで、メチル水銀添加がUBI4の発現に及ぼす影響を検討したところ、メチル水銀による濃度依存的なUBI4の発現の増加が認められた。Ubi4はメチル水銀毒性を増強させる蛋白質であることから、少なくともメチル水銀毒性に対しては、防御的に作用するというこれまでの報告とは逆の作用を示すことになる。メチル水銀はこのUBI4の発現を誘導することによって、Ynr005cのユビキチン化を介した
    エンドソーム
    内への取り込みを亢進し、その結果としてメチル水銀の細胞毒性が引き起こされている可能性も考えられる。
  • 前田 敦彦, 舩木 美歩, 井川 智之
    ファルマシア
    2015年 51 巻 5 号 448_4
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/08/26
    ジャーナル フリー
    FcRn(胎児性Fc受容体)は血漿中から細胞内に取り込まれたIgG抗体をライソソームによる分解から回避し,再び血漿中に汲み出すサルベージレセプターである.天然型のIgG抗体は,細胞内に取り込まれた後,
    エンドソーム
    内の酸性条件下でFcRnに結合することで細胞表面に移行する.細胞表面において,抗体は血漿中の中性条件下でFcRnから解離することにより血漿中にくみ出される.
  • *海老根 一生, 中野 明彦, 上田 貴志
    日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
    2007年 2007 巻
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/12/13
    会議録・要旨集 フリー
    細胞内では小胞を介してさまざまな物質の輸送が行われており,SNAREとRabはこの小胞の融合を制御する鍵分子である。われわれは,小胞輸送が植物の高次現象において果たす役割を明らかにすることを目的とし,とくにエンドサイトーシスに関与するSNAREとRabに注目し研究を行っている。液胞に局在するSNAREであるAtVAM3/SYP22のT-DNA挿入変異体では,植物の矮化,花成遅延,ミロシン細胞分化促進などの多面的な表現型が見られることが報告されている。われわれは,AtVAM3がエンドサイトーシスを制御するRAB5グループ(ARA6ARA7RHA1)と密接な遺伝学的相互作用を示すこと,atvam3がエンドサイトーシスに異常を示すこと,などを明らかにすることにより,AtVAM3が関わるエンドサイトーシス経路がこれらの多様な表現型の発現に寄与していることを見いだしている。
    これらatvam3の表現型の中で,花成遅延に注目しさらに詳細な解析を行なった。シロイヌナズナの既知の花成制御経路とAtVAM3の関係を明らかにするため,atvam3のジベレリン応答,短日条件,春化処理における花成の観察,RT-PCRによる花成制御遺伝子の発現解析,flc-3 atvam3の表現型解析を行なった.その結果,atvam3においてFLCの発現が上昇していること,flc-3atvam3の花成遅延を抑圧することが明らかになり,atvam3の花成遅延はFLCを介した自律的花成制御経路の異常に起因することが示唆された。
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