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クエリ検索: "分生子"
4,636件中 1-20の結果を表示しています
  • *廣岡 裕吏, Walker Donald, Rossman Amy, Samuels Gary, Chaverri Priscila
    日本菌学会大会講演要旨集
    2011年 55 巻 C26
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/23
    会議録・要旨集 フリー
    分生子
    果は,主に
    分生子
    殻・
    分生子
    層・
    分生子
    柄束・
    分生子
    子座に区分される.Saccardoはこの特徴を用い,不完全菌綱を4目に分類し,その後この体系を基に3綱が設立された.しかし,これら
    分生子
    果の形態は,宿主や環境によって不安定であることが確認され,徐々に消滅しつつある.ネクトリア科には,
    分生子
    殻・
    分生子
    柄束・
    分生子
    子座をもつ種が存在し,特にNectria属は,この3つすべての
    分生子
    果を形成する.Seifert (1985)は両世代の詳細な形態観察から,本属のアナモルフはTubercularia,1属であると提案している.そこで,このNectria属菌および他の13属のネクトリア科におけるアナモルフの形態観察,分子系統解析およびancestral character state reconstructionを用い,
    分生子
    果の多様性とその進化について検討を行った.act,ITS,LSU,rpb1tef1tubを用いた分子系統解析の結果,Nectria属菌は他の13属のネクトリア科を跨いで,側系統群(clade I ,II)を形成した.他のネクトリア科の属から大きくそれたclade I は,宿主上で
    分生子
    殻を形成した.タイプ種であるNectria cinnabarinaを含むもう1つのclade II は,他の属と姉妹群を形成し,このclade II と他の属は主に
    分生子柄束と分生子
    子座を形成する種であった.Clade II 内には4つのsubcladeの存在が確認された.そのうち,subclade II-3は
    分生子
    柄束を持つ種,II-4は
    分生子
    子座を持つ種として区別された.驚いたことにsubclade II-2のNectria antarcticaは,通常の
    分生子
    子座だけでなく,凹んだ
    分生子子座および未熟な分生子
    殻を形成した.また,subclade II-2の日本産Nectria sp.は,子座内に
    分生子
    殻を形成した.これらの結果から,Nectria属では
    分生子
    子座・
    分生子
    殻が,ネクトリア科では
    分生子
    殻・
    分生子
    柄束・
    分生子
    子座の形態が,ホモプラジーであると考えられた.
  • 孫工 弥寿雄, 野村 良邦
    九州病害虫研究会報
    1985年 31 巻 63-67
    発行日: 1985/10/30
    公開日: 2009/05/22
    ジャーナル フリー
    1) シュンギクべと病菌の
    分生子
    柄形成条件を検討した。最適温度は15℃,形成範囲は5~25℃,好適湿度は94%以上であった。形成部位は,80%が葉の裏,20%が両面で,表側のみのものは全くなく,また,
    分生子
    柄は気孔から1~3本抽出した。
    2) 本菌の
    分生子柄及び分生子
    の形成経過を走査電顕像で観察した。
    分生子
    柄形成は,15℃で6時間ころから始まり,10時間ころから分岐を,13時間ころから
    分生子
    を着生した。
    分生子
    は,
    分生子
    柄先端が膨らんで形成され,円形からだ円形になり,極枝の円形皿状部にはひび割れができて離脱を始めた。
    分生子
    ,
    分生子
    柄の表面構造には,やや異なる斑紋状突起を認めた。
    3) 本病に対する薬剤防除試験では,13薬剤中8薬剤に高い防除効果が認められた。
  • *大堀 陽, 田中 玲子, 西村 和子
    日本医真菌学会総会プログラム・抄録集
    2005年 49 巻 P-42
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/09/07
    会議録・要旨集 フリー
    目的:アレウリオ型
    分生子
    を有する真菌には、皮膚糸状菌(Trichophyton 属、Microsporum 属等) や病原性の高い Histoplasma 属等、いくつかの重要な病原真菌を含み、その形態形成メカニズムの解析は非常に有意義である。今回、他の真菌に比べ大
    分生子
    産生が豊富である点や生育期間が速い点に着目し、M. gypseum の大
    分生子を観察しアレウリオ型分生子
    形成のメカニズムを考察するためのモデルとした。方法:Microsporum gypseum IFM 41113 を GTYA 培地上で 25℃、4 日間スライドカルチャーし、カバーガラスに付着した菌糸体および
    分生子
    をラクトフェノール・コットンブルー液でマウントし検鏡した。また培養後のカバーガラスを固定後、DAPI(1 μl/ ml)水溶液でマウントし蛍光顕微鏡で核を観察した。結果、考察:大
    分生子
    は成熟とともに隔壁が生じ 2 から 6 室となったが、核の数は成熟の度合いに関わらず 1 室あたり 2 から 20 個であった。大
    分生子
    の成熟は表面構造の形態的な変化を基に推定したが、隔壁の数とは必ずしも対応しなかった。
    分生子
    柄は 2、3 の細胞からなり、
    分生子
    直下の 1 細胞のみが大
    分生子
    の成熟に従い退縮した。一方この部分において、細胞壁の退縮開始時では核には変化が見られなかったが、退縮がさらに進行した時点では、核の存在が認められなかった。このことからこの細胞は、核の支配下で細胞壁分解酵素などが産生され、最後に核も分解され、早期の老化と死が起こっている可能性が示唆された。
  • 堀田 治邦
    北日本病害虫研究会報
    1999年 1999 巻 50 号 74-77
    発行日: 1999/11/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    各種培地を用いてタマネギおよびネギから分離されたClado8poriumallii-cepaeの
    分生子
    形成法について検討した。その結果, コーンミール寒天 (CMA) 培地を用い, 10~15℃で培養iすると多数の
    分生子
    が形成された。
    分生子
    形成量は150Cに比較し10℃で優る傾向にあったが, 菌叢の生育は10℃ で劣った。
    分生子
    をCMA培地に塗沫し, 20℃で4日間培養後, 10℃で14日間培養すると, 多数の
    分生子
    を形成させることができた。
  • *柳原 誠, 河崎 昌子, 石崎 宏, 望月 隆, 宇田川 俊一
    日本医真菌学会総会プログラム・抄録集
    2007年 51 巻 P-69
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/08/08
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】先に75歳健康な男性の趾間褐色角化病変よりCurvuralia sp.(KUM4944)を分離し報告した(第50回日本医真菌学会)。今回は本菌と生物化学的に類縁菌であるPseudocochliobolus eragrostidisを走査電顕的に比較検討したので報告する。【方法】KMU4944とPseudocochliobolus eragrostidisをスライドカルチャーし、寒天培地を被うカバーグラスを光学顕微鏡観察用に、残ったスライドガラス上の培地を走査電顕用の標本とした。【成績】KMU4944の
    分生子は分生子
    柄の先端に群れをなして形成され、多くの
    分生子
    は紡錘形で、先端近くで片側に肥大し、全体として湾曲したものを多くみた。
    分生子
    表面はおおむね平滑であったが0.2μ余りのドーム状の軽い隆起が散在した。また、基底部では著明なscaleを認めた。多くの
    分生子
    に臍(hilum)をみとめた。
    分生子
    の先端は丸く噴火様に陥凹していた。Pseudocochliobolus eragrostidis
    分生子
    は樽型で湾曲することなく、先端は明瞭に大きなクレターを形成し、車軸状の皺が存在した。【結論】KMU4944とPseudocochliobolus eragrostidis
    分生子
    の形態は走査電顕的にも明らかに異なっていた。
  • *田中 和明, 上山 茉亜紗, Mel'nik V.A.
    日本菌学会大会講演要旨集
    2009年 53 巻 B28
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/10/30
    会議録・要旨集 フリー
     ブナ目樹木に寄生する Prosthemium 属 (テレオモルフ: Pleomassaria-クロイボタケ綱・プレオスポラ目) と Asterosporium 属 (テレオモルフ未詳) は, ともに星形
    分生子
    を形成する
    分生子
    果不完全菌類である. 形態的特徴の類似性から両属は近縁であることが想像されるが, 後者の系統情報がないため両属の関係は明らかとなっていない. これまで両属は
    分生子
    果形態 (Prosthemium
    分生子
    殻, Asterosporium
    分生子
    層) により区別されてきたが,
    分生子
    の隔壁構造 (真性隔壁か異隔壁か) を重要視する意見もある. このように属定義が曖昧であるため, 所属を誤って記載された種も存在すると思われる. 本研究では Asterosporium 属の系統を明らかにするとともに, 両属の分類に有効な形態形質を把握する目的で, Asterosporium 属菌 3種 (A. asterospermum, A. betulinum, A. orientale) と Prosthemium 属菌 5種 (P. betulinum, P. asterosporum, P. canba, P. stellare, P. sp.) の約60標本・40菌株を用い, 形態比較と分子系統解析 (nrDNA LSU および ITS, β-チューブリン) を行った.
     その結果, 以下のことが明らかとなった. 1) Asterosporium 属の基準種である A. asterospermum (ブナ寄生種) はソルダリア綱 (核菌類) の系統であり, Prosthemium 属 (小房子のう菌類) とは明らかに異なる. 2) A. orientaleP. asterosporum は同一種である. 3) A. orientale および A. betulinum (ともにカバノキ属寄生種) は両種とも Prosthemium へと転属させるべきである. しかし, P. betulinum の学名が既にあるため, A. betulinum については新たに命名する必要がある. 4) 両属を定義づけるのに有効な形態形質は,
    分生子
    果形態の違い (
    分生子殻か分生子
    層か) と, 星形
    分生子
    の中央部に存在する連結細胞の有無であり,
    分生子
    の隔壁構造に両者間の違いは見られない.
  • 増田 俊雄, 宮田 將秀, 樋口 俊男
    北日本病害虫研究会報
    2006年 2006 巻 57 号 171-173
    発行日: 2006/12/11
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    ポット植えのインゲンマメを用いてBeauvera bassiana製剤NBL-2のナミハダニに対する防除効果を検討した. その結果, 1×106
    分生子
    /ml散布区, 1×107
    分生子
    /ml散布区では, 対照区 (水) に比較して密度抑制が認められたものの, 散布後にナミハダニ数が増加し, 防除効果は不十分であった. 一方, 1×108
    分生子
    /ml散布区ではナミハダニ数の増加は認められず, 高い防除効果を示した. 同時に発生したミカンキイロアザミウマに対しては, 各散布区で密度度抑制効果が認められ, とくに1×107
    分生子
    /ml散布区と1×108
    分生子
    /ml散布区で防除効果が高かった.
  • 秋田 滋
    関東東山病害虫研究会年報
    1992年 1992 巻 39 号 135-136
    発行日: 1992/11/01
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    静岡県のイチゴに発生する炭そ病には複数の炭そ病菌が関与していることが明らかになった。分離された炭そ病菌の
    分生子
    の形態は3種類, また, 菌叢の形態, 温度反応等から培養性質は8種類に類別された。舟形の
    分生子
    を形成する菌は Colletotricum fragariae, 円筒形の
    分生子
    の菌は C. gloeosporioides, 紡錘形の
    分生子
    の菌は C. acutatum と推定された。いずれの菌種もベノミル耐性菌の割合が高かった。
  • *佐藤 玄樹, 田中 和明, 畠山 聡, 原田 幸雄, 細矢 剛
    日本菌学会大会講演要旨集
    2007年 51 巻 A8
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/07/21
    会議録・要旨集 フリー
    Pseudolachnella 属は1936年P. scolecospora をタイプ種として創設された
    分生子
    果不完全菌類の一属で,現在まで世界で7種,日本からは4種が記載されている.本属は一般にササ・タケ類を宿主とし,多数の剛毛を有する
    分生子
    果,両端に付属糸を持つ多隔壁の
    分生子
    で特徴づけられる.
    各地で行った採集調査の結果,以下の3種が新種であると考えられたので報告する.
    Pseudolachnella sp. –1
    岩手県・モウソウチクより分離.糸状から紡錘形の
    分生子
    に6-7隔壁を有し,両端に1本の分枝しない付属糸を持つ.本種はP. setulosa に類似するが,
    分生子
    が短くて幅広であり,長い付属糸を持つ点で異なる.
    Pseudolachnella sp. –2
    鹿児島県屋久島・メダケ類より分離.円筒形の3隔壁
    分生子
    は両端に2-4本の分枝しない付属糸を持つ.本属で3隔壁の
    分生子
    を有するものはP. scolecosporaP. indica が知られているが,これらの種は付属糸を1本ずつしか持たないため別種であると考えられた.
    Pseudolachnella sp –3
    奈良県・ササ類より分離.紡錘形から楕円形の3隔壁
    分生子
    で,まれに分枝する複数の付属糸を両端に有する.
    分生子
    は長さ15-20μmと小型で,付属糸を複数持つ点が既知種とは異なった.
    本研究によってPseudolachnella 属に新たな3種が追加され,日本産の本属は計7種となった.現在は上記3新種に既知種を加え,rDNA-ITS 領域に基づき分子系統を解析中である。
  • *中桐 昭, 外山 香子
    日本菌学会大会講演要旨集
    2009年 53 巻 B26
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/10/30
    会議録・要旨集 フリー
    2007年7月および2008年7月に北海道利尻島の海浜で海泡を採取し,それに含まれる胞子を単胞子分離して,未知の海生不完全菌株を多数得た.海水コーンミール寒天培地で培養すると,本菌はシンポジアルに伸長する
    分生子
    形成細胞上に,棍棒型で1~3隔壁の
    分生子
    を次々と形成する.
    分生子
    は成熟すると隔壁部で容易に分離し,分断される.また,
    分生子
    形成細胞そのものも隔壁部で分離して菌糸から離脱する.シンポジアル型の
    分生子形成様式と棍棒型の分生子
    は,海生不完全菌Varicosporina ramulosaV. prolifera
    分生子形成様式と未熟な分生子
    に一見似るが,本菌はVaricosporina属菌のように
    分生子
    が分岐して3次元立体構造となることはなく,棍棒型の
    分生子
    が成熟形である.LSU rDNAのD1D2領域に基づく系統解析の結果,本菌は海生子嚢菌Corollospora属(Halosphaeriales, Sordariomycetes)の系統群に属し,そのアナモルフであるVaricosporinaSigmoidea属菌と近縁であることが示された.これまでに明らかにされているCorollosporaのアナモルフがすべてシンポジアル型の
    分生子
    形成様式を示すことからも,分子系統解析によって示された本菌の系統位置は支持される.なお,本菌は培養によって菌核様構造(sclerocarp)を形成するものの,子嚢殻の形成は観察されていない.本菌は,演者らのこれまでの日本各地での海生菌調査においても,利尻島以外から見いだされておらず,冷温帯海域に分布する海生菌である可能性が高い.なお,本研究は,財団法人発酵研究所の研究助成を受けて実施中の研究,「我が国における微生物の多様性解析とインベントリーデータベースの構築 -亜熱帯域と冷温帯域の比較から」(代表:関達治)の一部としておこなった.
  • 石川 巌
    茶業研究報告
    2010年 2010 巻 109 号 109_65-109_72
    発行日: 2010/06/30
    公開日: 2012/08/01
    ジャーナル フリー
    1981年と1982年に埼玉県の茶園のカンザワハダニにおいて,昆虫疫病菌の一種の発生を認めた。
    分生子
    ,付着胞子および休眠胞子(亜接合胞子)の形態などから,本菌はNeozygites sp.と同定された。
    本菌による病死虫の発生を4月から10月まで調査した結果,5月下旬,6月と9月および10月に確認されたが,その病死虫率は最大6.0%であった。9月中旬の茶園におけるカンザワハダニの病死率は、雌成虫が最も高く(29.6%),次いで若虫(5.5%)であったが,幼虫では病死個体が認められなかった
    休眠胞子は9月中下旬以降にハダニの病死体内に形成され,越冬後,5月上旬から下旬にかけて発芽した。発芽した休眠胞子には第一
    分生子に似た発芽分生子
    が,さらに発芽
    分生子
    から付着胞子が形成された。
  • 周藤 靖雄
    森林応用研究
    2002年 11 巻 1 号 17-22
    発行日: 2002/03/29
    公開日: 2018/01/16
    ジャーナル フリー
    クロマツ褐斑葉枯病の発病と病原菌Lecanosticta acicola
    分生子
    の形成と分散の推移を島根県において調査した。1999年2月,健全な3年生苗を育苗した苗畑に伝染源として本病に発病した5年生苗を植え付けた。伝染源とした苗木の病葉には
    分生子
    が3月下旬〜9月下旬形成されて,6月下旬に多数分散して第一次伝染が生じた。新しい発病は8月上旬に認められ,9〜10月に激化した。発病は冬期には停滞したが,翌年4〜6月若干進展した。新しく発病した苗木の病葉には
    分生子
    が8月中旬〜12月下旬形成されて,9月下旬〜10月中旬多数分散した。
    分生子
    は降雨時にのみ分散したたが,少量の降雨でも多数分散する場合があった。
  • 金子 洋平, 梅本 清作, 牛尾 進吾
    関東東山病害虫研究会報
    2013年 2013 巻 60 号 63-65
    発行日: 2013/12/01
    公開日: 2015/01/06
    ジャーナル フリー
    2010~2012年にかけて秋季の降雨時におけるナシ黒星病菌
    分生子
    の流下消長を調査したところ,概ね9月~11月上旬では断続的に
    分生子
    の流下が確認された。その後,枝や年により差はあったが,11月5日~24日の間に
    分生子
    の流下は終了した。
    分生子
    の流下とトラップを設置した枝の葉数との関係を調査したところ,葉数が0となって以降は
    分生子
    は捕捉されなかったことから,落葉終了を
    分生子
    流下の終了時期とみなせると推定された。ナシ園全体の落葉程度をみると,供試ナシ園の「長十郎」において,落葉80%程度になるのが11月中旬頃であり,11月下旬~12月初頭までには全ての葉が落葉した。以上のことから,黒星病の防除薬剤の残効期間を考慮すると,秋季防除の終了時期は80%落葉時が妥当であると判断した。
  • *廣岡 裕吏, 小林 享夫
    日本菌学会大会講演要旨集
    2007年 51 巻 E16
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/07/21
    会議録・要旨集 フリー
    Cosmospora属菌は,NectriaDialonectria亜属(Samuels et al. 1991)を1999年にRossmanらが属へ昇格させたHypocrea目,Nectria科の1属である.現在,本属菌のアナモルフは,5属が知られておりアナモルフとテレオモルフの一元化には至っていない.演者らは,日本で未記録のFusariumアナモルフを持つCosmospora属菌2種を確認したので報告する.1. Cosmospora sp. (アナモルフ: Fusarium sp.): 東京都西多摩郡奥多摩町および宮城県宮城郡利府町の枯れ枝より採集,子のう殻は孔口部に短い付属糸を持ち薄いオレンジ色で,子のう胞子は表面に小疣があり,大きさ8-12 × 4-5μmである.アナモルフはSNA(暗黒下)上でポリフィアリディックの
    分生子
    形成細胞から鎌形で末端に脚胞があり,1-3隔壁を持つ大きさ22-46 × 2.5-3μmの
    分生子
    (大
    分生子
    )を豊富に形成した.無隔壁で紡錘形などの特徴を持つ小型の
    分生子
    (小
    分生子
    )は形成されない.本菌は両世代ともこれまで記録が無く新種と考えられる.2. Cosmospora pseudoflavoviridis (Lowen & Samuels) Rossman & Samuels (アナモルフ: Fusarium sp.): 宮城県宮城郡利府町の落枝より採集,子のう殻は孔口部に付属糸を持ち赤色で,子のう胞子は表面に疣があり,大きさ10-20 × 5-8μmである.アナモルフはSNA(BLB照射下)上でモノフィアリディックの
    分生子
    形成細胞から鎌形で末端に脚胞があり,1-5隔壁を持つ大きさ10-57 × 2.5-5μmの大
    分生子
    と短い棍棒形から楕円形で大きさ3-20 × 2-4μmの小
    分生子
    を豊富に形成した.また,長さ52-135μmの
    分生子
    柄を立ち上げた.本菌のアナモルフは,これまでFusarium cf. melanochlorum Casp. と記録されていたが,極端に長い
    分生子
    柄を立ち上げるため新種と考えられる.
  • 川原 秀之, 藤川 和博, 東 明弘
    九州病害虫研究会報
    2012年 58 巻 28-33
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/03/27
    ジャーナル フリー
    鹿児島県におけるナシ黒星病の芽鱗片に形成される
    分生子
    の第一次伝染源としての役割について,主に「豊水」を用いて調べた。芽鱗片における
    分生子
    の形成は12月上旬から始まり, 1月には鹿児島県内の各地で確認され,これまで考えられていた時期よりも早かった。 3月には長果枝の約半数の枝で発芽率の高い
    分生子
    を形成した芽鱗片が観察され,中でも81cmを超える長果枝の腋花芽で
    分生子
    形成割合が高かった。そこで,発芽前にすべての長果枝を剪除したところ,初期発病が無処理の 1割程度に減少した。さらに,生育初期に発病した果実および葉の 8割以上で
    分生子
    が形成された芽鱗片由来の新梢基部病斑が存在していた。これらのことから,本県では
    分生子
    を形成した芽鱗片が第一次伝染源として生育初期の発病に重要な役割を果たしていると考えられた。
  • *小舟 瞬, 升屋 勇人, 梶村 恒
    日本菌学会大会講演要旨集
    2011年 55 巻 C17
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/23
    会議録・要旨集 フリー
    Botryosphaeria属菌類とタマバエ科昆虫の一群は,密接な共生関係を結んでいる.葉上に形成されたゴール(gall:虫こぶ)の内部には,菌糸の層が存在し,幼虫は主に菌糸を摂食する.また,メス成虫は,マイカンギア(mycangia)と呼ばれる器官で共生菌の
    分生子
    を運搬し,次世代に伝播する.演者らはこれまでに,シキミタマバエの共生菌をB. dothideaと同定し,羽化直後のマイカンギア内に
    分生子
    が保持されていないことを明らかにした.つまり,自身が羽化したゴールからは
    分生子
    を採取していない可能性がある.本研究では,シキミタマバエにおける共生菌の採取場所や伝播様式を明らかにするための第一歩として,ゴール上から
    分生子
    を採取する可能性について検証した.まず,B. dothidea
    分生子
    殻が形成されたゴールを探索したところ,ごく少数(全ゴールの3.0~6.6%)であった.しかも,そのゴール内部はすべて,幼虫が不在もしくは死亡していた.したがって,何らかの要因によって幼虫が正常に発育しなかった場合に,ゴール上に
    分生子
    が生じるものと考えられる.次に,ゴール上とマイカンギア内の
    分生子
    の形態を観察したところ,両者はほとんど一致しなかった.このことから,ゴール上の
    分生子
    をメス成虫が採取している確率は非常に低いと考えられる.また,成虫が脱出したゴール由来の菌株を含めた3群間で,菌糸の培養特性(成長速度)を比較した.その結果,ゴール上の
    分生子
    由来の菌株よりも,他の2群の成長速度が有意に早かった.以上のことから,共生菌は複数系統存在し,マイカンギア内の
    分生子
    はゴール以外の場所から採取されている(水平伝播)と推察された.
  • 清水 進, 鮎沢 啓夫
    日本応用動物昆虫学会誌
    1988年 32 巻 3 号 182-186
    発行日: 1988/08/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    昆虫病原性糸状菌である赤きょう病菌Paecilomyces fumosoroseusのblastosporeの性状について
    分生子
    と比較検討した。乾燥状態での保存および水中保存のいずれの場合もblastosporeは
    分生子
    よりも不安定であった。各種消毒剤(昇汞水,石炭酸,クレゾール石けん液)に対する感受性試験ではblastosporeと
    分生子
    の間に有意差が認められなかった。紫外線処理および高温処理に対する
    分生子
    およびblastosporeの感受性は同程度であったが,超音波処理に対してblastosporeは
    分生子
    より感受性であった。カイコ幼虫に対するblastosporeおよび
    分生子
    のLD50(菌数/1頭)値はそれぞれ4.5および2.4×102で,blastosporeが
    分生子
    よりも約50倍強い病原力を示した。しかし,塗布接種では両者の病原力の間には有意差が認められなかった。blastosporeまたは
    分生子
    をカイコ幼虫に注射した場合,blastospore注射区における菌数の増加は
    分生子
    注射区のそれより早かった。抗
    分生子血清の凝集素価は分生子
    に対して10倍以下,blastosporeに対して320倍であった。抗
    分生子血清は破砕分生子
    抗原に対して高い凝集素価を示すので,
    分生子
    の表層は抗原性の低い物質で構成され,その内部にはblastosporeの表層との共通抗原が存在するものと考えられる。
  • 西村 和子
    日本皮膚科学会雑誌
    2011年 121 巻 1 号 11-16
    発行日: 2011/01/20
    公開日: 2014/11/13
    ジャーナル 認証あり
    皮膚科の深在性真菌症原因菌の中で重要な地位を占める黒色真菌,FonsecaeaExophialaの各属の病原菌種の形態について述べると共に,これらの菌群におけるリボソームRNA遺伝子ITS領域のクラスター解析を主たる根拠として提案された新菌種について紹介した.
  • 高橋 伸也
    日本皮膚科学会雑誌
    1962年 72 巻 1 号 50-
    発行日: 1962年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
    猩紅色菌は,わが国における汗疱状白癬,頑癬,斑状小水疱状白癬,爪白癬の主要病原菌である.この菌は,1910年にCastellaniおよびBangによつて各々独立的に初めて記載され,夫々Epidermophyton rubrumおよびTrichophyton purpureumと呼ばれたが,わが国においては,1922年に太田がその存在を最初に確定した.CastellaniおよびBangの記載した集落形態を要約すると「猩紅色菌のSabouraud葡萄糖寒天培養は,中心部においては白色絨毛よりなる瘤様突起または岩穴状の陥凹を呈し,その周辺部においては放射状の皺襞を示して表面に粉末を混じ,その基底部においては深紅色あるいは菫色調を帯びた紅色に着色してかつ培地内に紅色色素の拡散を生ずる」とある.更に彼等は顕微鏡的所見として,西洋梨状の単純性および葡萄状の小
    分生子の発生および紡錘状の大分生子
    の形成を本菌の特長として記述した.太田は,小
    分生子
    を粉末状胞子Aleurieと称し,大
    分生子
    を紡錘状胞子と呼んで同様の記載を行つた.かかる記載のみを基準とすれば,猩紅色菌の肉眼的および顕微鏡的形態の特長は極めて劃然としており,本菌の同定は必ずしも困難とはいい得ないようである.しかしながら,その後の研究者の間には本菌の同定を行うに際して,集落の性状,着色状態,
    分生子
    の有無などの形態的所見が,Castellani,Bang,太田等の記載によるものと僅かでも異なれば,その菌を変種あるいは新種と看做す傾向が強く,かくして猩紅色菌と同定さるべき菌がその変種乃至新種として本邦および欧米において多数報告され,その収拾に困難を来すに立ち到つたのである.1930年に橋本等は,猩紅色菌あるいはその変種として報告された菌株について吟味を行い,Castellani,Bangの謂う猩紅色菌に属せしめるべきか否かを検討した.更に,1933年には太田,川連は猩紅色菌およびその変種に関する分類を発表し,ここに猩紅色菌の形態学的概念に一応の整理を与えたのである.しかるに,一般に皮膚糸状菌における形態的所見は,菌の継代培養を繰返すうちに次第に変化を来し,菌にとつて形態的性質は必ずしも不変的,固定的ではないことが明らかとなつた.1930年LangeronおよびMilochevitchは,小麦,大麦,燕麦,玉黍蜀のwhole grainより作つた“natural media of polysaccharide base”にTrichophytonを培養することによつて,Sabouraud培地においては形成を欠いた大・小
    分生子
    ,ラセン器官の発生を認め,HazenはMicrosporum audouiniが常用培地においては大
    分生子
    を殆ど発生しないのに拘らず,蜂蜜寒天に酵母抽出液を添加した培地においてはそれを常に形成するのを認め,更にBenhamはheart infusion_tryptose agarが猩紅色菌の大
    分生子
    形成を著しく促進する性質を有することを証した.これらの事実に緒を発して,菌の形態に影響を及ぼすかゝる物質が如何なるも
  • 周藤 靖雄
    森林応用研究
    2000年 9 巻 1 号 163-164
    発行日: 2000/03/20
    公開日: 2018/01/16
    ジャーナル フリー
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