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クエリ検索: "口蓋帆"
1,412件中 1-20の結果を表示しています
  • 舘村 卓
    日本味と匂学会誌
    2010年 17 巻 2 号 87-96
    発行日: 2010年
    公開日: 2018/05/30
    ジャーナル 認証あり
    嚥下時に食塊の口腔から咽頭への移送が障害されると嚥下障害が発症する。口腔から咽頭への移行段階を担うのが、
    口蓋帆
    (軟口蓋)の挙上運動を中心とする
    口蓋帆
    咽頭閉鎖機能である。誤嚥防止のためには
    口蓋帆
    咽頭閉鎖機能の調節様相の解明が必要であり、その調節に食物の量と物性が影響することを
    口蓋帆
    挙筋ならびに口蓋舌筋の筋活動を指標として示した。
  • ―最大努力でのblowing時の筋活動を基準にして―
    舘村 卓, 江口 ゆかり, 野原 幹司, 尾島 麻希, 和田 健
    日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌
    2001年 5 巻 2 号 121-127
    発行日: 2001/12/30
    公開日: 2020/07/19
    ジャーナル フリー

    目的:鼻咽腔は音声表出のみならず嚥下時においても閉鎖される.その目的は,音声言語活動では,発音時の呼気の鼻腔漏出を防止し,嚥下時においては食塊の鼻腔への逆流を防止することである.鼻咽腔閉鎖機能の中心的役割を担う

    口蓋帆
    挙筋活動は,音声言語活動時においては負荷刺激の大きさに応じて調節されていることが明らかになっているが,嚥下時における刺激の強さに応じてどのように調節されているかは明らかになっていない.本研究は,健常者を対象に水嚥下量に応じて
    口蓋帆
    挙筋活動が変化するどうか,ならびに嚥下時同様に鼻咽腔が閉鎖されるblowing時の
    口蓋帆
    挙筋活動と活動量にどのような相違があるかを検討することを目的として行った.方法:3人の健常成人を被験対象とした.個々の被験者には,3ml,5ml,10mlの水を各々5回嚥下することと最大努力での10秒以上のblowi㎎を指示し,その際の
    口蓋帆
    挙筋活動を経口指使に刺入したhooked wire electrodeを用いて双極誘導で導出記録した.筋活動の分析は,積分筋電図を用いて,嚥下時には積分波形のpeakを,blowi㎎時には0.2秒ごとの活動を対象とした.結果:blowing時の最大筋活動を基準とした時の各被験者の嚥下時の筋活動は,被験者ごとに様々であり,一定の傾向はうかがえなかった.しかしながら,個々の被験者では,ANOVAの結果,嚥下量の相違に関わらず,嚥下時の筋活動はほぼ一定であり,この傾向はすべての被験者に共通していた.結論:10ml以下の水嚥下時の
    口蓋帆
    挙筋活動は嚥下量に応じて変化する可能性が低いこと,ならびに最大努力でのblowing活動での
    口蓋帆
    挙筋活動との関係は被験者ごとに様々であることが示された.

  • 河合 利彦, 舘村 卓, 外山 義雄, 阪井 丘芳
    日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌
    2009年 13 巻 2 号 128-134
    発行日: 2009/08/31
    公開日: 2020/06/27
    ジャーナル フリー

    【目的】嚥下時の口腔相から咽頭相への移行段階は,低粘性の液状食品の誤嚥の発生起点のひとつである.誤嚥を予防する目的で、トロミ調整食品等を用いて,低粘性の液状食品にトロミを付与することがしばしばある.しかしながら,トロミを付与された液状食品の物性と移行段階の調節様相との関係は不明である.本研究の目的は,近似したニュートン特性をもつ液状食品(水,牛乳)の粘度の相違が,移行段階の調節にどう影響するかを,

    口蓋帆
    挙筋筋電図により検討することである.

    【対象と方法】対象は21 歳~32 歳の健常成人10 名(平均年齢:24.0 歳,SD:2.9 歳)とした.各被験者での水と牛乳の至適嚥下量の平均値を一回嚥下作業量とした.各試料嚥下時の

    口蓋帆
    挙筋活動を採取した.試料ごとに得られた有効な筋活動10 回を解析対象とした.解析対象とした筋活動量は,各被験者の全作業を通じて得られた筋活動の最大値を100% として,各筋活動値を正規化した%筋活動量とした.得られた%筋活動量を,被験者ごとに試料間で比較し(対応のあるt検定),また被験者全員について得られた% 筋活動量をまとめ,試料間で比較した(対応のあるt検定).

    【結果】各被験者の嚥下時の

    口蓋帆
    挙筋の%筋活動量(平均%筋活動量±標準偏差)は,水嚥下時は76.1±12.8%~93.8±4.8%,牛乳嚥下時は65.0±2.2%~86.5±5.5% であった.水と比較して牛乳のほうが有意に低かった被験者は10 名中7 名であった(p<0.05).%筋活動量を被験者全体でまとめた結果,水は87.2±9.7%,牛乳は77.6±8.4% であり,牛乳嚥下時は,水嚥下時と比較して有意に小さかった(p<0.01).

  • 園部 昌治
    歯科基礎医学会雑誌
    1982年 24 巻 4 号 864-892
    発行日: 1982/12/20
    公開日: 2010/10/28
    ジャーナル フリー
    ラットの口蓋筋の発生と運動性神経支配について, 光学顕微鏡的に観察した。ラットの口蓋筋を構成する三つの筋のうち,
    口蓋帆
    張筋が最も早期 (胎生15日) に発生し, 翼状突起の外側に扇形に広がり発達する。
    口蓋帆
    挙筋は, 他の二者よりやや遅れて耳管直下に発生し, 内外側に細く分布し発達する。口蓋咽頭筋は, 胎生15日に咽頭収縮筋群の原基に混って発生するが, やがて独立した筋原基として咽頭側壁に沿って帯状に発達し, 後に左右のものが合して括約筋状に分布するようになる。
    口蓋帆
    張筋へは, 内側翼突筋神経から分岐した
    口蓋帆
    張筋神経が分布し,
    口蓋帆
    挙筋へは, 後方より口蓋咽頭筋へ分布した咽頭神経叢の枝, 前方より小口蓋神経の枝と翼突管神経の枝が同時に分布していた。成体の軟口蓋にHorseradish peroxidaseを注入すると, その三叉神経運動核, 顔面神経核, 疑核内に陽性細胞が認められ, 顔面神経も口蓋筋の支配に関与していることが示唆された。
  • ―筋電図信号の周波数解析を用いた検討―
    野原 幹司, 舘村 卓, 藤田 義典, 尾島 麻希, 小谷 泰子, 佐々生 康宏, 和田 健
    日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌
    2002年 6 巻 2 号 151-157
    発行日: 2002/12/30
    公開日: 2020/08/20
    ジャーナル フリー

    目的:鼻咽腔は,発音,blowingといった呼吸性活動時および嚥下時ともに閉鎖されることから,いずれの運動も鼻咽腔閉鎖運動と呼ばれている.そのため臨床では,呼吸性活動時と嚥下時の鼻咽腔閉鎖は区別されないことがある.しかしながら,呼吸性活動時の閉鎖は,肺からの呼気を口腔へ流すために行われる生後の学習の要素が大きく関与する運動である.一方,嚥下時の閉鎖は,食塊が口腔から咽頭へ通過するときに行われる先天的に完成された運動である.したがって,呼吸性活動時と嚥下時では,閉鎖運動という点では共通するものの,異なる調節機構が働くことが推察される.本研究では,

    口蓋帆
    挙筋を対象に,発音時,blowing時および嚥下時の鼻咽腔閉鎖の調節機構の相違を,筋電図のmean power frequency(MPF) を指標に検討した.方法:健常成人4名を対象に,/pu/発音時,最強blowing時,唾液嚥下時の
    口蓋帆
    挙筋筋電図を採取した.得られた筋電図信号を周波数解析することによりMPFを求め,各被験活動のMPFを比較した.結果:発音時とblowing時のMPFは有意差が無く,互いに近似した周波数帯に分布することが示された.一方,嚥下時のMPFは,発音時,blowing時と比べて有意に大きく,高い周波数帯に分布することが示された(t検定:p<0.001).MPFは,筋収縮に参加する運動単位の組成を反映するとされる.このことから,呼吸性の活動である発音時とblowing時の
    口蓋帆
    挙筋の収縮には,同じ組成の運動単位が動員されるものの,嚥下時には,呼吸性活動と異なる運動単位が関与する可能性が示された.考察:本研究の結果,嚥下時には呼吸性活動と異なる
    口蓋帆
    挙筋の調節機構が働く可能性が示唆された.このことから,鼻咽腔閉鎖機能の評価および閉鎖不全の治療には,呼吸性活動と嚥下を独立させて考える必要性が示唆された.

  • 河合 利彦, 舘村 卓, 外山 義雄, 阪井 丘芳
    日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌
    2010年 14 巻 3 号 265-272
    発行日: 2010/12/31
    公開日: 2020/06/27
    ジャーナル フリー

    【目的】液状食品嚥下時の口腔相から咽頭相への移行段階における

    口蓋帆
    咽頭(いわゆる鼻咽腔)閉鎖機能の調節が,B 型粘度計によって測定された粘度とずり速度に依存する粘度の変化のどちらを参照しているかを
    口蓋帆
    挙筋活動を指標として検討した.

    【対象と方法】対象は健常成人10 名とした.試料はB 型粘度計(12 rpm)での測定では同じ粘度(400±50 mPa・s)でも,ずり速度依存性粘度が異なるように,トロミ調整食品(キサンタンガム系・グアガム系・澱粉系)を緑茶に混和した試料A,B,Cを用いた.被験者ごとに測定した各試料の至適嚥下量の平均値を求め,それを個人の一回嚥下量として実験を行った.

    【結果】10 名中8 名において,試料A 嚥下時の

    口蓋帆
    挙筋活動が,他の試料嚥下時のそれと比較して有意に大きかった(p<0.01).試料B,C 嚥下時の筋活動の間には有意差は認められなかった.

    【考察】3 種の試料は,ずり速度が著しく小さいとき(0/s 近傍)には相互に粘度が異なるものの,B型粘度計での測定時(約2/s)以上のずり速度において,B とC はほぼ同じ非ニュートン特性をもち,A はこれらより低い粘度をもっていた.以上から,B 型粘度計(12 rpm)での測定時以上のずり速度で生じる粘度の変化に基づいて,嚥下時の

    口蓋帆
    咽頭閉鎖機能は調節され,B 型粘度計(12 rpm)で測定された粘度は
    口蓋帆
    咽頭閉鎖機能の調節には反映しない可能性が示された.

  • 南 謙二
    歯科基礎医学会雑誌
    1984年 26 巻 3 号 882-929
    発行日: 1984/09/20
    公開日: 2010/10/28
    ジャーナル フリー
    ラットの母体にlathyrism誘発剤の一つであるaminoacetonitrile (AAN) を投与して口蓋裂を誘発し'その口蓋筋の発生過程を光学顕微鏡ならびに電子顕微鏡を用いて観察した. 妊娠15.0日のラットに200mg/kgのAANを一回投与すると, 89.3%の胎仔に口蓋裂が生じた. 光顕的には, 3種の口蓋筋, すなわち
    口蓋帆
    張筋,
    口蓋帆
    挙筋, 口蓋咽頭筋は正常なものと同一の時期と場所に発生していたが, 正常な口蓋の形成時期である胎生17.0日以降, 筋の分布範囲, 筋線維の外形に変化が生じていた. 電顕的には, 細胞内の筋原線維に形態学的変化が認められ, 筋原線維の形態の変化は細胞小器官の分布にも影響を与えていた. これらの変化は発生の進行とともに著明になっていった. AANの投与によって誘発された口蓋裂は, 口蓋板周囲の骨格系の複雑な変化によって生じたものと考えられ, 口蓋筋の形態学的変化はこのような発生途上の筋周囲の形態の変化によって筋の正常な発育の場が失なわれたためと考えられる.
  • 古澤 清文, 古郷 幹彦, 西尾 順太郎, 井上 一男, 浜村 康司, 山岡 稔, 松矢 篤三, 宮崎 正
    日本口蓋裂学会雑誌
    1986年 11 巻 1 号 47-56
    発行日: 1986/06/30
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    嚥下運動時の
    口蓋帆
    挙筋の収縮様式を解明する目的で, 上喉頭神経内枝に電気刺激を与えることにより, 反射性嚥下動作を誘発し, その時の
    口蓋帆
    挙筋の等尺性収縮を記録, 分析するとともに, 筋電図活動と対比観察した.
    1)上喉頭神経内枝に単0電気刺激を与えることにより誘発された
    口蓋帆
    挙筋の等尺性収縮の収縮開始時点から最大張力の得られるまでの時間は45±3.1msec, 最大張力を示す時点から張力が半減するまでの時間は32±1.8msecであり, 刺激時点から反射性誘発筋放電および張力波形発現までの潜時は, それぞれ20±1.2msec, 27±1.9msecであった.
    2)刺激頻度10Hz以上の反復電気刺激によって反射性嚥下運動が惹起され, 嚥下回数は, 30Hzの刺激頻度で最も多く認められた.
    3)反射性嚥下運動時の
    口蓋帆
    挙筋からの筋放電は, 397±50msecの間観察され, 筋放電の発現は, 顎二腹筋前腹および顎舌骨筋よりも早期に認められた.
    4)反射性嚥下運動時に認められた
    口蓋帆
    挙筋の張力曲線は, 0峰性で, 収縮力は張力発生後187±19msecで急激に減弱した.
  • 井上 一男, 松矢 篤三, 西尾 順太郎, 浜村 康司, 伊吹 薫, 後藤 友信, 古郷 幹彦, 宮崎 正
    日本口蓋裂学会雑誌
    1982年 7 巻 2 号 148-154
    発行日: 1982/12/30
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    鼻咽腔閉鎖の主役を担う
    口蓋帆
    挙筋の機械的収縮特性を解明する目的で, イヌを用い
    口蓋帆
    挙筋を生体筋の状態で露出する方法を確立し, 電気刺激を加える事により生ずる機械的, 物理的変化を測定分析する事により以下の結果を得た.
    1)
    口蓋帆
    挙筋の筋長を最大単収縮高の得られる長さ(L.)に設定し, 極大上刺激にて等尺性単収縮を誘発させると, そのcontraction timeは43msec,half relaxationtimeは33msecであった.
    2)発生張力は, 刺激頻度が15Hzを越えると単収縮の加重が起こり, 70Hzで最大となりtetanus twitch tensionratioは5.7を示した.
    3)最大単収縮高の得られる筋長の前後±2mmの範囲で他動的に筋長を変化させ, 等尺性単収縮並びに等尺性強縮を誘発させた.筋を伸長させるに従い, 等尺性単収縮のcontraction time及びhalf relaxation timeはわずかに延長する傾向を示した.単収縮張力は筋長をLoより伸長あるいは短縮させる事により低下し, その傾向はL.を中心にほぼ対称であった.強縮張力に関しても, 筋長がLoで最大となり筋長をLoより伸長あるいは短縮させる事により張力は低下した.又Lo±2mmの範囲でtetanus twitch tension ratioは一定の値を示した.
  • -軽度鼻咽腔閉鎖不全症例について-
    原 久永, 舘村 卓, 和田 健
    日本口蓋裂学会雑誌
    2000年 25 巻 3 号 233-238
    発行日: 2000/10/31
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    頭部正面位において破裂音[p〓]発音時に鼻咽腔閉鎖が得られるものの,会話時あるいは単音発音時に軽度閉鎖不全が認められる軽度鼻咽腔閉鎖不全症例において,頭位を変化させることが,発音活動時の
    口蓋帆
    挙筋活動にどのような影響を与えるかを検討した。実験は,鼻咽腔内視鏡検査によって軽度鼻咽腔閉鎖不全症と判定した口蓋裂術後症例5名を対象に行った。
    口蓋帆
    挙筋活動は,被験者の頭部正面位,前屈位ならびに後屈位の3条件下において測定した。その結果,頭部前屈位と頭部正面位での
    口蓋帆
    挙筋活動に有意差は認められなかったものの,頭部後屈位の
    口蓋帆
    挙筋活動は頭部正面位,前屈位と比較して有意に大きな値を示した。すなわち,頭位の変化によって発音活動時の
    口蓋帆
    挙筋活動は影響を受け,頭部を後屈したときには頭部を前屈あるいは正面を向かせたときと比較して,大きな
    口蓋帆
    挙筋活動が必要であることが示唆された。
  • 舘村 卓, 原 久永, 和田 健, 佐藤 耕一, 高 英保, 森本 知花
    日本口蓋裂学会雑誌
    1995年 20 巻 2 号 33-38
    発行日: 1995/04/30
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    鼻口腔痩の鼻咽腔閉鎖機能への影響について,鼻口腔痩を口蓋前方1/3に有する初回口蓋形成術後症例の中から,鼻咽腔閉鎖機能の良好な3例(VPC群)ならびに鼻咽腔閉鎖機能不全症を呈する2例(VPI群),計5例を対象に,
    口蓋帆
    挙筋活動を指標に検討した。実験は,鼻口腔痩を綿花で気密に閉鎖した場合と開放した場合のそれぞれにおいて,スピーチサンプル/Pω/を20回以上表出させ,発音開始時における筋電図積分波形ならびに口腔内圧最大値について分析した。口膣内圧は,鼻口腔痩を閉鎖した場合に,VPI群ならびにVPC群ともに上昇する傾向が認められた。一方,鼻口腔痩を閉鎖した揚合の
    口蓋帆
    挙筋活動には,VPI群では開放時と比較して有意の変化が認められなかったが,VPC群では有意に低下することが認められた。このことから,鼻咽腔閉鎖機能が良好な症例では,鼻口腔痩の開放閉鎖が鼻咽腔閉鎖機能に影響することが明らかとなり,鼻咽腔閉鎖機能の調節機構に鼻口腔痩を経て鼻腔に漏出する鼻腔1呼気流が組み込まれていることが明らかとなった。
  • 野原 幹司, 舘村 卓, 小谷 泰子, 佐々生 康宏, 尾島 麻希
    日本口蓋裂学会雑誌
    2006年 31 巻 1 号 23-30
    発行日: 2006/04/30
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    口蓋裂術後の鼻咽腔閉鎖不全症例では,連続音表出時に
    口蓋帆
    挙筋が疲労することが報告されている.本研究では,スピーチエイドを装着することにより,連続音表出時の
    口蓋帆
    挙筋の疲労が軽減されるかどうかを検討した.対象は,口蓋裂術後の鼻咽腔閉鎖不全症例のうち,Palatal Lift Prosthesis(PLP)装着症例4例,Bulb-attached Palatal Lift Prosthesis(Bulb-PLP)装着症例4例の計8例とした.装置非装着時,装着時において1秒1回のペースで[P〓]を50~60回表出させた時の
    口蓋帆
    挙筋筋電図を採取し,各表出時のMean power frequency(MPF)を求めた.表出順に対するMPFの回帰直線を算出し,その傾きの大きさをもとに装置非装着時,装着時の疲労の程度の検討を行った.非装着時と装着時の傾きの有意差を検定した結果,PLP症例,Bulb-PLP症例ともに,非装着時と比べて,装着時には傾きの絶対値が有意に小さくなることが示された.すなわち,装着することによりMPFの低下の程度が軽減されることが示された.以上の結果から,口蓋裂術後の鼻咽腔閉鎖不全症例においてはスピーチエイドを装着することにより連続音表出時の
    口蓋帆
    挙筋の疲労が軽減されること,およびその疲労軽減効果はスピーチエイドのタイプによらないことが明らかとなった.
  • 口蓋帆挙筋活動に対する口腔内圧・鼻腔内圧の影響
    舘村 卓, 原 久永, 高 英保, 佐藤 耕一, 岸本 博人, 和田 健
    日本口蓋裂学会雑誌
    1994年 19 巻 3 号 111-119
    発行日: 1994/07/31
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    境界線上の鼻咽腔閉鎖機能不全症の改善のために開発された持続的鼻腔内陽圧負荷(CPAP:Continu-ous Positive Air Pressure)療法の効果発現の生理学的背景を明らかにすることを目的として,独自に開発した鼻腔内陽圧負荷装置を用いて鼻腔内に陽圧を負荷し,
    口蓋帆
    挙筋活動に対する口腔内圧,鼻腔内圧の影響を,健常成人被験者3名を対象に検討し,以下の結果を得た.
    1.鼻腔内圧の上昇に伴って,
    口蓋帆
    挙筋活動は上昇した.一方,口腔内圧も鼻腔内圧の上昇に対応して上昇していた.単相関分析の結果,鼻腔内圧に対する相関係数は,口腔内圧よりも大きかったが,両者ともに有意性が示され,CPAP療法時には鼻腔内圧だけでなく口腔内圧も関与する可能性が示唆された.
    2.
    口蓋帆
    挙筋活動を目的変数とし,鼻腔内圧ならびに口腔内圧を説明変数とする標準化重回帰分析の結果,CPAP時の
    口蓋帆
    挙筋活動の変化には,鼻腔内圧が口腔内圧よりも強く作用することが示され,CPAP療法の生理学的背景には鼻腔内圧が中心的に作用することが明らかとなった.
  • スピーチエイド装着症例における検討
    原 久永, 舘村 卓, 和田 健
    日本口蓋裂学会雑誌
    1995年 20 巻 1 号 9-16
    発行日: 1995/01/31
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    スピーチエイド装着症例における
    口蓋帆
    挙筋活動が,鼻腔気流量および口腔内圧の変化に対して,どの様な対応を示すのかを明らかにすることを目的として以下の実験を行った.実験は,口蓋形成術を受けたものの鼻咽腔閉鎖不全症を呈するために,スピーチエイド(Bulb-PLP)を装着している症例10名を対象に行った.Bulb-PLPのバルブを中央部において口腔-鼻腔方向に穿孔し,穿孔部の口腔側に直径7mmのオリフィスを有するプレートを設置した実験用Bulb-PLPを作製した・バルブ穿孔部に設置したフ.レート上に,オリフィスを設けていないプレートならびに直径4mmのオリフィスを設けたプレートを挿入することによって.発音時呼気の鼻腔への流入量を制御できる.オリフィスのない状態およびオリフィスの直径が4mm,7mmにおいて,被験者に/pu/を20回以上表出させて,
    口蓋帆
    挙筋活動,鼻腔気流量,口腔内圧について検討し,以下の結果を得た.
    1.オリフィスのない状態からオリフィスの直径が4mm,7mmと開放されるに伴って,
    口蓋帆
    挙筋活動が上昇する傾向が認められた.
    2.スピーチエイド装着下において呼気が鼻腔に漏出した際の
    口蓋帆
    挙筋活動は,鼻腔気流量ならびに口腔内圧を2説明変数とする重相関関係にあることが示された.
    3.
    口蓋帆
    挙筋活動の調節には,鼻腔気流量ならびに口腔内圧が関与するものの,鼻腔気流量の影響がより大きいことが示された.
    以上より,スピーチエイド装着下において呼気が鼻腔へ流入した揚合の発音時の鼻咽腔閉鎖運動の調節には,口腔内圧と呼気が鼻腔に漏出した際の鼻腔気流量の両者が関与し,また口腔内圧よりも鼻腔気流量の増加に伴って
    口蓋帆
    挙筋活動が上昇することが示された.
  • 鼻咽腔閉鎖不全症例について
    野原 幹司, 舘村 卓, 和田 健
    日本口蓋裂学会雑誌
    2001年 26 巻 3 号 333-338
    発行日: 2001/10/30
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    筋電図信号を周波数分析することにより得られるMean power frequency(MPF)を用いて,
    口蓋帆
    挙筋の疲労を評価できるかを検討するために,口蓋裂術後の鼻咽腔閉鎖不全症例6例を対象に,最強blowingを行わせ,blowing時の口腔内圧が安定した10秒間の
    口蓋帆
    挙筋筋電図を採取し,blowingの経過時間にともなうMPFの変化を検討した.その結果,MPFは,blowingの経過時間にともない,全例で低下する傾向が伺われた.MPFの低下の程度をみるために,経過時間に対するMPFの回帰直線を求め,傾きの有意性を検定した結果,全ての症例で有意に負の値が示された.この結果は,これまでの四肢筋での疲労を対象とした報告と同様であり,鼻咽腔閉鎖不全症例では,MPFを用いて
    口蓋帆
    挙筋の疲労を評価することが可能であることが示唆された.
  • 野原 幹司, 舘村 卓, 藤田 義典, 和田 健
    日本口蓋裂学会雑誌
    2002年 27 巻 3 号 286-291
    発行日: 2002/10/30
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    口蓋帆
    挙筋筋電図の検査結果に再現性があるかどうかの検討を行った.被験者は,鼻咽腔閉鎖機能に変化がないと考えられる健常成人を対象とし,blowing時と発音時の
    口蓋帆
    挙筋筋電図を電極を変えて2回採取した.得られた筋活動の実測値から,電極感度や刺入位置の影響を少なくするために,筋活動の最大値を100として発音時の筋活動値を換算した相対値である%peakEMGを求めた.その結果,筋電図採取1回目と2回目の発音時の%peakEMGの相関係数は,0.97を示し有意な相関を呈することが明らかとなった.このことから,
    口蓋帆
    挙筋筋電図の%peakEMGに再現性があることが示され,%peakEMGを用いることにより,鼻咽腔閉鎖機能の変化を経時的に評価することが可能であることが示唆された.
  • 古澤 清文, 古郷 幹彦, 西尾 順太郎, 浜村 康司, 伊吹 薫, 井上 一男, 松矢 篤三, 山岡 稔, 宮崎 正
    日本口蓋裂学会雑誌
    1985年 10 巻 1 号 52-58
    発行日: 1985/06/30
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    反射動作時の軟口蓋の挙上運動の様相を解明する目的で,舌咽神経咽頭枝求心性神経への電気刺激によって,
    口蓋帆
    挙筋の反射性活動を誘発し,同筋の反射性活動時の等尺性収縮を分析するとともに,その発生張力と筋電図活動の比較も併せて行なった.
    1)単一電気刺激時の
    口蓋帆
    挙筋の張力曲線にみられる反射性等尺性収縮のcontraction timeは45±2.6msec,half relaxation timeは35±1.6msecであった.
    2)刺激時点から発生張力波形および反射性誘発筋放電の発現までの潜時は、それぞれ19±1,8msec,12±1.6msecであった.
    3)刺激時点から最大張力が発生するまでの時間と筋電図上の最大振幅が発生するまでの時間の間に50±2.8msecの時差が存在した.
    4)刺激頻度を1-300Hzまで増加させると10Hz以上の刺激頻度では,加重様の張力の増加が認められ,その際の筋電図波形において,刺激時間の経過とともに反射性誘発筋放電の振幅が漸次減弱するのが観察された.さらに100Hz以上の刺激頻度では,発生張力および反射性誘発筋放電の振幅の著明な減弱が認められた.なお刺激頻度を増加させても嚥下動作は全く惹起されなかった.
  • ―ガムシロップを用いて―
    尾島 麻希, 舘村 卓, 奥野 健太郎, 野原 幹司
    日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌
    2006年 10 巻 1 号 12-21
    発行日: 2006/04/30
    公開日: 2020/12/26
    ジャーナル フリー

    【目的】食塊が口腔から咽頭へ抽送される段階での口峡部の開放程度や咽頭への送り込みの調節は,抽送される食塊の量によって異なることが考えられる.口蓋舌筋は,口腔と咽頭との境界にある前口蓋弓に存在し,舌と軟口蓋の両方に付着することから,口腔から咽頭への移行段階での口峡部の開大・狭小が嚥下量によって調整されるならば,口蓋舌筋活動も嚥下量に影響されると考えられる.本研究では,嚥下時の口腔から咽頭への移行段階での口峡部の開大・狭小運動の調節機序の一端を明らかにするために,嚥下量を変化させた場合の口蓋舌筋活動について検討した.

    【方法】健常成人7名を対象にした.予め検討した各被験者の至適嚥下量の1/8,1/4,1/2,1,3/2(5/4)倍量のガムシロップ(糖度8.9%)を嚥下させた場合の口蓋舌筋活動を採取した.各被験者の全作業を通じて得られた筋活動値の最大値を100%として,各筋活動値を換算して得られた% Peak EMGを筋活動値とし,嚥下量と筋活動値の関係を検討した.また,口蓋舌筋活動と軟口蓋挙上運動の時間的関係を見るため,

    口蓋帆
    挙筋活動を同時に採取し分析した.

    【結果】口蓋舌筋活動の積分波形のピークの数は,同一被験者内の同一負荷量においても1個もしくは2個であり,一貫性はなかった.

    口蓋帆
    挙筋活動のピークが示される時刻を基準時とすると,ピークが1個の場合のピークの時刻とピークが2個の場合の2個目のピークの時刻は近似したことから,同様の運動によるものと考えられた.
    口蓋帆
    挙筋活動のピークとほぼ同時かやや遅れて出現する口蓋舌筋活動のピークは,
    口蓋帆
    挙筋活動に先立って出現するピークと比較して有意に大きい筋活動値を示した.本研究の結果から,口蓋舌筋活動は,嚥下過程での口腔期から咽頭期に移行する段階で生じると考えられた.至適嚥下量に基づく嚥下量と筋活動値に有意な相関を示す被験者と示さない被験者の2型があることが示された.

  • 健常者における検討
    原 久永, 舘村 卓, 和田 健
    日本口蓋裂学会雑誌
    1996年 21 巻 2 号 80-86
    発行日: 1996/04/30
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    健常者における
    口蓋帆
    挙筋活動が,鼻腔気流量および口腔内圧の変化に対してどのような対応を示すのかを明らかにすることを同的として以下の実験を行った.実験は,健常者5名を対象に行った.発声時の呼気を鼻腔に流入させるために,先端より5cmの位置に直径5mmの開窓部を設けたビニール製の強制的呼気流入用チューブを作製した.このチューブを鼻腔より挿入し発声時の呼気が鼻膣に流入したときと,チューブ内にマンドリンを挿入することによって開窓部と内膣を閉塞し,呼気の流入を阻止した場合に,被験者に/pu/を20回以上表出させてa
    口蓋帆
    筋挙活動,鼻腔気流量,口腔内圧について検討し,以下の結果を得た.
    1.鼻腔に発声時呼気が流入した場合の
    口蓋帆
    挙筋活動は,流入していない場合と比較して有意に上昇することが明らかとなった.
    2.
    口蓋帆
    挙筋活動を目的変数とし,鼻腔気流量と口腔内圧を説明変数とする重回帰分析を行った.その結果
    口蓋帆
    挙筋活動の調節には鼻腔気流量と口腔内圧の両者が関与し,鼻腔気流量の影響が口腔内圧よりも強いことが示された.
    以上のことから,健常者においても,発声時呼気が鼻腔に流入する際鼻咽腔閉鎖機能の調節に鼻膣気流量ならびに口腔内圧が影響することが明らかとなった.
  • 高田 訓, 舘村 卓, 大野 朝也, 原 久永, 和田 健, 佐藤 耕一
    日本口蓋裂学会雑誌
    1999年 24 巻 1 号 61-69
    発行日: 1999/04/30
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    口蓋閉鎖術後における鼻咽腔閉鎖機能と
    口蓋帆
    挙筋の組織化学的所見との関係を検討する目的から,咽頭弁移植術の適応となった8例を対象に鼻咽腔内視鏡所見と
    口蓋帆
    挙筋の組織化学的所見について検索した.対象症例は咽頭弁移植術の術前に鼻咽腔閉鎖機能を鼻咽腔内視鏡により検索した後,術中に
    口蓋帆
    挙筋を採取し凍結固定を行い,クリオスタット標本を作製してH-E染色,ATPase染色を施し鏡検した.
    その結果は以下の通りであった.
    1.軟口蓋の挙上運動が良好で,鼻咽腔閉鎖様運動が「coronal pattern」を示した症例は,組織化学的に筋線維はType1,2A,2B線維により構成されモザイク状を呈していた.
    2.軟口蓋の挙上運動が,「coronal to circular」または「circular to sagital」の閉鎖様運動を示した症例は,組織化学的に多様な所見が観察された.
    3.軟口蓋の挙上運動が認められなかった症例では,採取した組織内に筋線維はほとんど存在しなかった.本研究より鼻咽腔内視鏡による鼻咽腔閉鎖所見と
    口蓋帆
    挙筋の組織化学的所見はほぼ一致していることが明らかとなった.
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