民有林経営,とくに私有林における農林業者の経営を安定させるため,筆者らは特用林産物を活用した複合経営の導入を主張してきた。本論では,前回調査を行った福島県の事例を踏まえ,東京都区部における青果物店の,
山菜
•きのこの取扱い等についてアンケート調査を行った。その結果,
山菜
•きのこの仕入れ経路は,地域に生産者がいない東京都区部では,市場に大きく依存していた。また,今後の需要については
山菜
の伸びを予測している店舗は50%を割り,きのこに比べ厳しい認識が示された。すなわち,東京都区部は,福島県とは青果物店における
山菜
•きのこの仕入れ方法や,その取扱い状況などの認識が違うことと,
山菜
というカテゴリーが形成されていないことが影響したと思われる。
山菜
•きのこの今後の需要拡大を図るためには,わが国における生鮮食品の最大の消費地である東京都区部における消費者の
山菜
•きのこに対する認識を高める必要がある。そのためには,東京都区部における
山菜
•きのこの流通の特徴を踏まえた上で,生産者はもとより,青果物店においても消費者に対し
山菜
•きのこの利用について啓蒙活動を展開すべきである。
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