本研究では,第一に,イギリスやアメリカでは,ほぼ常識になりつつある「科学の本質」「科学哲学」「認知科学」からの科学の授業の再構成を,どのように日本の理科教育に取り入れるかという理念的検討(理科教育の目的目標論・科学的リタラシーの検討)を行う。第二に日本の小学校・中学校の理科教育に適応できるSTS教育はどのようなものが望ましいかを追求するために,すでに実践されている諸外国(アメリカ・オーストラリア・カナダ)のSTSに関連する科学教育の理念を詳しく分析する。第三に,第一・第二を踏まえた日本に適応可能なSTS教育を,幾つかの地域で試験的な実践研究を行うため,新しいアセスメント法を取り入れた日本型STS教育モデルの作成および実践のための教師教育について論じる。
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