児童・生徒にとって求められる資質・能力の育成の必要性が示されている。資質・能力を育成するためには学習環境の充実が不可欠であり, 理科においては, 教材と教具のそれぞれの充実, さらには教材と教具の適切な結びつきと利用が求められる。学習環境の視点から, 教具には実験や測定がしやすい計測装置, 結果の明瞭性, 安全性, 実験の準備の簡便性等の充実が要素として挙げられる。学習環境の整備によって, 学びが深まり, 学習意欲を育成することが望まれる。そこで, 本研究では, 小学校理科において光合成で酸素を測定する授業を扱い, 学習環境の違いによって学習者の学びがどのような違いがあるのか, 用いる教材の評価とともに, 比較・分析をすることを目的とする。研究方法として, 教材を同一の内容にし, 二種類の異なる教具を用意し, 教具の違いにより学習環境の違いをデザインして実践する。異なる教具を用いたことによる学習環境の違いにより, 子供たちの学びがどのように変容するのか, 学習環境の視点から教材に必要な要素について, 比較・分析した。比較・分析に用いる二種類の教具とは, 平成20年度版の学習指導要領で用いられている
気体検知管
と理科教育用に開発した空気亜鉛電池による酸素センサ(高橋式酸素センサ)である。小学校の児童による試行実践を行ったところ, 顕著な違いが見いだせたので報告する。
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