近年、道路の利用に対する短期社会的課金の適用およびその手法としての対距離課金の導入が注目されている。本論文は、対距離課金に基づく道路整備の計画論が依拠する課金理論として、「長期社会的課金」に着目し、理論的な考察とシミュレーション分析を行った。シミュレーション分析の結果からは、効率性の面では短期社会的課金に基づく計画論が優れているものの、公平性の面で長期社会的課金に基づく計画論も有用であることが示された。

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本研究では，価格競争下でを下回る振替価格が選択されることを理論的に示す。過去の研究では，価格競争下では振替価格がを上回ることが示されてきたが，本研究では需要量と発注量の差が企業にとってのコストとなることを仮定し，逆の結果を証明する。

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　出発時刻選択問題における利用者追加時の問題の性質を明らかにする．道路渋滞においては，利用者が混雑に応じて出発時刻を変動させることがない場合，渋滞の開始時刻直後に追加車両が加わる場合にが最も大きくなることが理論的に知られている．本研究では，同様の分析を利用者の出発時刻選択行動を考慮したうえで行う．到着地での時刻制約に特別な制約をおかない出発時刻選択問題を用いて，その下でのの性質を理論的に分析した．その結果，利用者の時刻選択行動の特徴を示す「チェーン」の概念を用いることによってを計算できること，また，利用者が遅刻を望むか早着を望むかで車両を加える時刻との関係が大きく変わりうることがわかった．

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本稿では, まず多くの社会問題を作り出している交通渋滞の特徴を概説するとともに, ネットワークに車両が滞留するという渋滞現象を適切に考慮するためには, 動的な解析が必要であることを主張する. 次に, 需要解析に重要な役割を演じる私的費用とについて渋滞を考慮した動的評価を行い, ある時刻の動的はそれ以降の渋滞継続時間に依存することを示している. 最後に, それらを応用してネットワーク交通量配分のシステム最適制御および混雑課金について考察している.

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本論文は, 静的な枠組みで提案されてきたの考え方を, 動的に拡張させたものである. 渋滞ボトルネック現象は, 時間的に動的な現象であるので, 供給関数を動学化して動的なについて考察した. その結果, ある時刻の動的はそれ以降の渋滞継続時間に依存することを示した. これは, ある時刻の需要変化がそれ以降の時間帯の交通状況全体に影響を与えるという動的現象を物語るものである. 次に, 既存の研究成果をベースにして, 利用者の出発時刻選択を分析に追加した. この場合の動的を利用者の希望到着時刻と関連付けて示すとともに, 課金について考察した.

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After deregulation of electricity market in 2016, the amount of electricity trade is rapidly increasing in Japan, and the importance of accurate analysis on price in JEPX(electricity market in Japan) is increasing. When a large electricity companies bid on the electricity market in Japan, it is common to specify a power source that increases output by selling or a power source that decreases output by buying, and determine the selling/buying price by calculating the break-even price. This price is called as the marginal cost. We introduce a method to accurately calculate the marginal cost for each time frame when pumped storage power generation and thermal power generation, etc. are used for bidding. In addition, we introduce a method that simulates price spikes based on market principles, such as when the volume of buy bid is larger than that of sell bid. We calculated electricity market prices of January 2021, when unusual price spikes occurred, and found that this model reproduce the market price trends to the extent.

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線路使用料の設定に関するEUの原則は価格形成であるが、多くの加盟国では調整型平均費用価格形成が用いられている。調整型平均費用価格形成を採用している加盟国の中では、インフラ会社の収支均衡と線路の効率的利用を両立させる工夫が見られる一方で、不適切な二部料金の設定による参入阻害も見られている。価格形成から乖離した線路使用料が存続すれば、EUの交通政策が目指す成果が十分に達成されないため、使用料の統一は今後の政策課題になると思われる。

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Distributed generator (DG) has several advantages over the large-scale power plant and is expected to complement the power system. In this paper, we focused on the locational flexibility and short lead time as advantages of DG, and examined the influence of uncertainty of demand growth on the optimal locational configuration of DGs in the transmission network and on the amount of installed DG.
The results indicate that the total capacity of installed DGs is greater under uncertain demand growth than under certain growth. And it is also indicated that under the uncertainty, the installed DG capacity is distributed generally in proportion to the growth of the local loads. The latter finding suggests that the expected load growth at each point could be a useful indicator for screening candidates of locational configurations of DGs.

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本論文では、次のような非ゼロ和ゲームにおけるプレイヤー間のコミュニケーションの問題を考察する:競争状態にある2人のプレイヤーがそれぞれに固有の情報を所有するとき、プレイヤーは自発的に自己の情報を相手プレイヤーに伝達しようとするか。さらに、2人のプレイヤーは互いの情報の交換に合意するか。このような状況の典型的なモデルの1つとして、次のような複占市場を考える。企業1、2は同一の財を市場に供給し、それぞれの供給量をx_i(i=1、2)とするとき、財の価格pは市場需要関数P=α-b(x_1+x_2)によって定まる。また、企業iは線形な費用関数c_i(x_i)=c_ix_iをもち、その利潤関数はj_i(x_i;c_i)=(P-c_i)x_i(i≠j)となる。ここで、両企業のc_1、c_2は天候などの外的要因によって変動を受ける確率変数とし、その結合確率分布F(c_1、c_2)は両企業に既知とする。また、モデルの情報構造として、各企業iは自己のc_iの実現値を知ることができるが、ライバル企業jのc_jの実現値を知ることはできないとする。一般に、費用関数は企業の重要な特性の一つであり、直感的には、企業は自己の費用関数をライバル企業には秘密にすると予想される。しかし、互いに費用関数を秘密にした場合、各企業はライバル企業の費用関数を推定しなければならず、もしその推定が誤った場合、企業は過度に財を市場に供給してしまう危険がある。このとき、財の価格は低下し、その結果、両企業とも損害を受けることになる。かかる事態を回避するため、企業はが定まる前に、互いの費用関数に関する情報の交換について事前の交渉を行なうと考えられる。交渉の結果、(1)両企業間で情報の伝達や交換は行なわれない、(2)企業1はc_1の実現値を企業2に知らせる、(3)企業2はc_2の実現値を企業1に知らせる、(4)両企業は互いのの実現値を知らせ合う、の4つの状況(情報構造)のうちいずれかが決定される。各企業はこの決定された情報構造に基づいてライバル企業とは独立に自己の供給計画を決定し、分布Fによって定まる期待利潤を最大化する。本論文では、モデルの本質をそこなうことなくその分析を容易にするため、分布Fに関して線形回帰性を仮定することにより、次の結果を得る。企業はライバル企業に自己のの実現値を自発的に知らせることによって自己の均衡期待利潤を増加させることができ、さらに、互いのの実現値を知らせ合う場合、4つの情報構造のうちで最大の均衡期待利潤を獲得できる。これにより、最初の予想に反して、かかる複占市場では両企業は互いの費用関数に関する情報の交換に合意するという結論が導かれる。

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本研究では，川上部門が自身の提供する製品の製造費用を削減する投資を行なうとき，競争も情報の非対称性もない状況で設定する市価基準振替価格が，

を上回ることを示した．市価基準振替価格を用いると，川上部門が市場価格の決定を通じて振替価格を間接的に操作できるため，自身のマージンを上げるために振替価格水準を高く設定する．この結果は，過去の理論研究では示されていない会計実務を説明する重要な結果である．

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There are studies which assume that the bid price is same as the generator's marginal operation cost in the kWh market. However, it cannot be same because of the market participants' bidding strategy to increase their profit. In this study, the marginal cost price is calculated according to the merit order curve, and this paper discusses the difference between the marginal cost price and the JEPX clearing price. In the calculation of the marginal cost price, the thermal power plant's marginal cost is estimated by the open-source information. The market splitting, which is caused by the interconnected tie line's capacity's constraint, is also considered. The marginal cost price is calculated from financial year 2017 to 2019, and the comparison with the JEPX clearing price is analyzed.

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A daily scheduling algorithm of Photovoltaic-Power Storage System (PV-PS) and an economic estimation for its allocation in a transmission open access environment are presented in this paper. In addition to the total profit of transmission system operation, an expected profit of PV-PS daily operation is estimated using a spot market pricing of short run marginal cost. A desirable allocation point of PV-PS is discussed from various view points of economy and available solar energy etc. To demonstrate the effectiveness of the proposed method, numerical examples for a model power system of 44 nodes, 8 thermal units and one PV-PS are shown in detail including daily profits of system operator, PV-PS producer and consumers through the PV-PS operation.

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　道路交通ネットワークにおける動的均衡配分と静的均衡配分の比較を特定のネットワーク上で行った．道路交通流は動的な特性をもっており，その性質を正確にあつかうには動的均衡配分が必要である．動的均衡配分の理論的難しさのために静的均衡配分を用いる場面も多いが，すくなくとも，静的配分と動的配分の差異について定性的知見を得ておくことは必要であろう．本研究では，特定のネットワークと需要パターンにおいて，ネットワーク構造変化に伴う総遅れ時間の変動を各方法で計算し，方法による差がどう出るかを試算した．その結果，動的配分では捕捉できたネットワーク構造変化による変動を静的配分で発見できないことがあることがわかった．

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