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371件中 1-20の結果を表示しています
  • 池田 尚紀, 髙橋 智裕
    ファルマシア
    2019年 55 巻 12 号 1156-1157
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/12/01
    ジャーナル フリー
    本剤はポリエチレングリコールを有効成分とする配合剤である。便中水分量の増加及び便容積の増大をもたらし、生理的に大腸の蠕動運動を活発化させて便の排出を促進する。15歳以上の慢性便秘患者及び2歳以上の小児慢性便秘患者を対象とした2つの臨床試験により、自発排便回数を増加する効果が認められ、慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)の治療薬として製造販売承認を取得した。
  • 宮永 渉
    ファルマシア
    2016年 52 巻 12 号 1155
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/12/01
    ジャーナル フリー
    アトロプ異性体は,1, 1'-ビ-2-ナフトールなどの置換ビアリール化合物で見られる回転障壁から生じる軸不斉の1つであり,抗生物質のバンコマイシンのようなマクロサイクリック構造内で存在することもある.この異性体を医薬品開発に応用するには,最適構造の選択,異性体の安定性への理解や合成法開発など多くの検討が必要である.これらの課題を克服した方法論は,新たなドラッグデザイン手法としての活用が期待される.最近,ブリストル・マイヤーズスクイブのGlunzらから,マクロサイクリック構造内のアトロプ異性の制御によってin vitroプロファイルの改善が達成された報告がなされたので紹介する.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Evans D. A. et al., Angew. Chem. Int. Ed., 37, 2700-2704 (1998).
    2) Glunz P. W. et al., J. Med. Chem., 59, 4007-4018 (2016).
    3) Priestley E. S. et al., J. Med. Chem., 58, 6225-6236 (2015).
  • *黒岡 貴生
    日本毒性学会学術年会
    2024年 51.1 巻 S29-3
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/08/29
    会議録・要旨集 フリー

    医薬品製造現場においては、次に製造される医薬品への混入(交叉汚染)防止や製造物質の曝露から労働者を保護する観点から、医薬品ごとに残留あるいは作業者曝露の限度値を設定することが必要である。研究所においては、実験者に対する労働安全衛生の面からも限度値を設定することが必要である。

    医薬品製造現場においては、2021年に国内GMP省令が改正され、その公布通知において毒性学的根拠に基づいてPDE等の限度値を設定することが要求されたことにより、限度値設定にあたって毒性研究者が関与する機会が増えてきている。

    毒性学的根拠に基づくPDE設定の方法としては、2018年にPIC/S(医薬品査察協定・医薬品査察協同スキーム)から発効されたHBEL(健康に基づいた曝露限度値)設定ガイドラインやICH Q3C医薬品の残留溶媒ガイドライン等が参考となる。しかし、医薬品ごとに有する試験の種類やデータが異なるため、広範囲のデータを基にケースバイケースでPODや調整係数を選定する必要があり、薬理学や毒性学の知識とともにPDE設定の経験が重要となる。

    製薬企業の毒性研究者が限度値設定を行う際の留意する点として、医薬品開発における毒性評価と異なり、薬理作用も有害作用とみなす点が挙げられる。その理由は、交叉汚染でも作業者曝露でも、他疾患の患者や作業者が当該医薬品を意図せずに摂取してしまう可能性を考慮しなければならないためである。

    本発表では、一般的なPDE設定の流れを説明するとともに、製薬企業における限度値設定に携わった経験から、設定にあたり担当者が苦慮する点について解説する。また、医薬品開発の各ステージに応じた限度値設定やその中での毒性研究者の関わり方について紹介する。

  • 杉浦 俊彦, 安藤 綾俊, 細井 克之, 神山 哲哉
    日本薬理学雑誌
    2023年 158 巻 2 号 203-210
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/03/01
    ジャーナル オープンアクセス

    カロテグラストメチル(商品名:カログラ®錠120 mg)は,α4インテグリン阻害薬として味の素製薬株式会社(現

    EA
    ファーマ
    株式会社)によって創製された新規低分子化合物である.生体内において,リンパ球などの炎症性細胞の表面に発現しているα4β1インテグリン及びα4β7インテグリンの両方の機能を阻害することにより,抗炎症作用を発揮する.
    EA
    ファーマ
    株式会社とキッセイ薬品工業株式会社との共同開発の下,臨床試験において中等症の活動期潰瘍性大腸炎に対するカロテグラストメチルの有効性と安全性が確認され,本邦において2022年3月に承認,同年5月に発売された.日本オリジンの新薬であり,世界で唯一の経口α4インテグリン阻害薬である.カロテグラストメチルは,適正使用を徹底して実践することで,潰瘍性大腸炎の基本治療である5-アミノサリチル酸製剤に効果不十分又は不耐な場合に経口投与可能な新しい作用機序の薬剤として,臨床現場から広く望まれ,治療に大きく貢献できる可能性がある.本稿では,カロテグラストメチルの薬理学的特性と臨床試験成績を中心に紹介する.

  • 石井 直人, 根岸 香菜, 中谷 智哉, 大黒 理勝, 池田 わたる, 久保井 良和, 山内 敏彦, 安田 信之, 今井 俊夫
    日本臨床免疫学会会誌
    2017年 40 巻 4 号 296a
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/11/25
    ジャーナル フリー

      フラクタルカイン(FKN)/CX3CL1は,活性化した血管内皮細胞で誘導される細胞膜結合型ケモカインであり,細胞接着分子と細胞遊走因子の2つの機能を併せ持つ.現在,ヒト化抗FKNモノクローナル抗体(E6011)の関節リウマチ患者を対象とした臨床第1/2相試験が世界に先駆け本邦で進行中であり,臨床的有効性が示唆されている (NCT02196558).本研究では,マウスコラーゲン誘発関節炎(CIA)モデルにおける抗FKN抗体の関節破壊に対する効果とその作用機序について検討した.抗FKN抗体の投与により,関節炎スコアや軟X線スコアの抑制,病理学的な解析から滑膜炎とパンヌス形成の抑制,さらに骨・軟骨破壊の強い抑制とTRAP陽性破骨細胞の明確な減少が認められた.そこで,CIAの骨破壊におけるFKN-CX3CR1経路の関与を検討した.まず,破骨前駆細胞は骨髄由来CX3CR1陽性CD115陽性細胞であり,これら細胞がin vitro及びin vivoで破骨細胞に分化することを確認した.次に,蛍光標識した破骨前駆細胞をCIA発症マウスに移入したところ,抗FKN抗体投与により破骨前駆細胞の関節組織内への浸潤が顕著に抑制された.以上の結果から,FKN-CX3CR1経路はCIAの関節骨破壊の過程において,破骨前駆細胞の浸潤に直接的に関与することが示された.E6011によるFKN-CX3CR1系路の阻害は,関節局所における炎症性滑膜炎と関節破壊抑制作用を併せ持つ新たな治療戦略になると期待される.

  • 池田 尚紀, 谷口 真也, 関 光徳
    日本薬理学雑誌
    2019年 153 巻 3 号 129-138
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/03/12
    ジャーナル フリー

    エロビキシバット(グーフィス®錠5 mg)は,胆汁酸の再吸収に係わるトランスポーター(IBAT)の阻害作用を有する新規低分子化合物であり,慢性便秘症を適応として世界で初めて日本で承認された.エロビキシバットはin vitroで選択的にIBATを阻害し,in vivoで用量依存的に胆汁酸の吸収抑制作用を示し,ラットロペラミド誘発便秘モデルにおいて糞便湿重量を用量依存的に増加させた.エロビキシバットの経口投与時の全身曝露量は低く,ほとんどが糞便中に排泄された.また,薬物相互作用試験の結果からエロビキシバットがP-糖タンパク質に対して軽度な阻害作用を有する可能性が示唆された.慢性便秘患者を対象とした国内第Ⅱ相試験にてプラセボ及びエロビキシバット5,10,15 mgの3用量を1日1回朝食前に経口投与したところ,10及び15 mg群ではプラセボ群に対して自発排便回数が有意に増加し,エロビキシバット10及び15 mg経口投与の慢性便秘患者に対する有効性が示唆された.また,15 mgまでの忍容性は許容し得るものと考えられたことから,1日1回経口投与における臨床推奨用量は10 mgと判断した.慢性便秘患者を対象とした国内第Ⅲ相試験では,主要評価項目として設定した「投与期間第1週における自発排便回数の観察期間第2週からの変化量」において,エロビキシバット10 mgのプラセボに対する優越性が検証された.エロビキシバットを52週間慢性便秘患者に投与した国内長期投与試験では,便秘に関連する症状への改善効果は投与期間第1週より認められ,第52週まで良好に維持された.また,1日1回52週間投与の安全性及び忍容性に問題はないものと考えられた.エロビキシバットは既存の便秘治療薬のいずれとも異なる作用機序を有することから,慢性便秘症に対する新たな治療選択肢の一つになることが期待される.

  • *冨樫 裕子, 青木 豊彦, 江島 智子, 斎藤 友希, 山浦 唯, 小田切 泰輝, 松谷 尚美, 安藤 綾俊, 児玉 晃孝
    日本毒性学会学術年会
    2019年 46.1 巻 P-245
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/07/10
    会議録・要旨集 フリー

    【目的】

    発現機序の異なる2種の非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)モデルマウス(STHD-01およびCDAHFD供与マウス)の経時的な病態変化について、病理組織学的に比較検討した。

    【方法】

    雄性C57BL/6Jマウスに当社が開発した高脂肪・高コレステロール食(STHD-01)および市販のコリン欠乏メチオニン減量・高脂肪飼料(CDAHFD)を6~12週間自由摂取させ、その後安楽殺、剖検し、生化学検査および病理組織学的検査(免疫組織染色を含む)を実施した。

    【結果・考察】

    過栄養のみでNASHを誘発するSTHD-01供与マウスの肝臓では、組織学的に肝細胞の脂肪化は経時的に小滴性から大滴性に移行し、肝細胞核空胞化や過剰な脂肪蓄積により細胞死に陥った肝細胞をマクロファージが取り囲んで貪食する像(hepatic crown-like structures: hCLS)が特徴的で、9週以降より軽度の線維化も観察された。一方、VLDL分泌阻害と過栄養でNASHを誘発するCDAHFD供与マウスでは、肝細胞の脂肪化は供与初期より大滴性を主体とし、hCLSに加え脂肪肉芽腫が特徴的であり、線維化は6週以降から経時的に進行した。血漿中ALT濃度および肝中トリグリセリドは、両NASHモデルマウスで増加した。以上より、STHD-01供与マウスでは、過栄養のみで早期よりNASH病態に類似の病理組織変化を呈することが示された。また、両NASHモデルマウスでは肝細胞の脂肪化、すなわち蓄積する脂肪滴サイズや線維化の進展に違いがあることが明らかとなり、それぞれのモデルの特性の違いを利用した新規メカニズムのNASH創薬への応用が期待できると考えられる。なお、NASHモデルマウスの肝臓以外の全身臓器の病理組織学的検査結果についても、併せて報告する。

  • *田畑 智之
    日本臨床薬理学会学術総会抄録集
    2022年 43 巻 43_2-C-S27-3
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/12/26
    会議録・要旨集 フリー

    日本における治験審査委員会(以下、IRB)は、1997年の「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令(平成9年3月27日厚生省令第28号)」(以下、GCP)施行以降、そのあり方が検討され、改善されてきた。2008年のGCP改正で、医療機関ごとのIRB設置原則が廃止され、共同で設置したIRBや他のIRBへの審査依頼が可能となり、主に効率化の観点からその積極的な活用が期待された。

    日本製薬工業協会 医薬品評価委員会 臨床評価部会では、加盟会社に対して経年的に実施している治験の現状に関するアンケート調査において、共同IRBの利用についても調査してきた。過去十数年の推移を見ると、SMO主体の共同IRB利用率は増加傾向にあるのに対し、治験ネットワーク主体の共同IRB利用率は低いままであった。また、2012~2016年に設置したタスクフォース活動では、主に治験ネットワーク活用による症例集積性の向上と治験手続きの効率化を期待して、治験ネットワーク活性化に向けた活動を行った。医薬品開発における日本の国際競争力の維持のためにも、昨今の治験手続きの電磁化の浸透の中、IRBの集約化や治験手続きの一元化などによる、治験環境の改善に向けた更なる効率化が求められる。

    一方、近年治験デザインが複雑化するとともに、遺伝子治療や再生医療、希少疾患といった専門性の高い治験が増加し、国際共同治験も益々増えてきている。また、疾患レジストリなどのリアルワールドデータを用いた治験やDecentralized Clinical Trialといった新たな治験手法も活用されてきている。このような多様な治験環境の変化に対応するためにも、IRBには適切な被験者保護、科学的な質、信頼性を審査できる、より高い質が求められてきている。効率化の観点からだけでなく、高い審査機能を有するIRBに集約を進め、治験の質を確保していく視点を持つ必要性が高まってきていると思われる。

    本発表が、今後の医薬品開発の促進に向けた発展的な議論のきっかけになれば幸いである。

  • 牛尾 聡一郎, 江角 悟, 北村 佳久, 千堂 年昭
    岡山医学会雑誌
    2019年 131 巻 2 号 97-102
    発行日: 2019/08/01
    公開日: 2019/09/02
    ジャーナル フリー
  • *倉重 誠一郎, 冨樫 裕子, 松谷 尚美, 金子 真彦, 小田切 泰輝, 青木 豊彦, 児玉 晃孝
    日本毒性学会学術年会
    2021年 48.1 巻 P-139E
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/08/12
    会議録・要旨集 フリー

    [Aim]

    Evaluation of miR-216a-5p and miR-217-5p, known to be pancreas-specific miRNAs, as biomarkers of pancreatic toxicity were performed using L-arginine-induced pancreatitis model in mice.

    [Method]

    L-arginine HCl was administered intraperitoneally once to male C57BL/6J mice. Necropsy was conducted after 1, 2, 3, 5 and 7 days from administration. Histopathological examination of pancreas, and biomarker measurement including plasma miR-216a-5p and miR-217-5p were performed.

    [Result and discussion]

    In histopathological examination, pancreatic injury (edema, inflammatory cell infiltration, acinar cell necrosis/degeneration) was observed and their total score was peaked on 3 day of administration. After 5 day of administration, pancreatic injury was decreased, and instead, replacement of inflammatory cells and fibrotic cells appeared. Plasma miR-216a-5p and miR-217-5p was increased corresponding to pancreatic injury and peaked on 3 day after administration. The increase in miRNAs were earlier, greater magnitude, and persisted longer compared with serum amylase or lipase. According to analysis of relation to histopathological score, amylase and lipase didn’t change when acinar cell necrosis/degeneration was relatively weak, while the miRNAs elevated clearly.

    In conclusion, miRNAs can identify pancreatic toxicity earlier, and are more sensitive, greater increased and persistent biomarkers than classical biomarkers.

  • 田近 正洋, 正木 久典
    日本消化器がん検診学会雑誌
    2021年 59 巻 6 号 531-545
    発行日: 2021/11/15
    公開日: 2021/11/15
    [早期公開] 公開日: 2021/06/30
    ジャーナル フリー

    【背景・目的】大腸内視鏡検査を行うにあたり腸管を洗浄する前処置は重要な位置を占めるが,ときに偶発症を招くこともある。より確実で安全な前処置を行うため現状の把握は重要である。

    【対象と方法】大腸内視鏡検査における前処置に係わる全国の医師,看護師,技師を対象に各施設における前処置の方法や前処置に対する意識に関してWebを介してアンケート調査を行った。

    【結果】適格基準を満たした医師200名,看護師70名,技師60名を解析した。腸管洗浄剤の服用リスクについて,医師で100%,看護師,技師では約90%で周知され,患者情報の問診はいずれかの職種でほぼ100%行われていた。検査前に遠位大腸に狭窄が疑われた場合,下剤内服後や腸管洗浄液服用後に排便がなかった場合の対応は,ほぼ全ての職種で,状況に応じて対応されていたが,マニュアル化されているとの回答は職種間でバラツキがあった。特に自宅飲用での対応時にマニュアルがないとの回答が医師で4割,看護師,技師で2割であり,リスクの点から早急な対応が必要であると考えられた。

    【結語】医療従事者全員が前処置のリスクを再認識し,患者情報を共有することで起こりうる事態に備えることが重要である。

  • 安部 達也, 鉢呂 芳一, 小原 啓, 稲垣 光裕, 菱山 豊平, 國本 正雄, 村上 雅則
    日本大腸肛門病学会雑誌
    2019年 72 巻 10 号 600-608
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/15
    ジャーナル フリー

    新規下剤には排便回数の増加のみならず,腹痛や腹部膨満感,排便困難といった便秘の諸症状に対する効果も期待される.急性便秘とは異なり,慢性便秘の場合は長期間使用しても耐性や依存性,偽メラノーシスが生じないことも求められる.2012年に処方箋医薬品としては実に30年振りとなるルビプロストンが発売され,2019年のラクツロース経口ゼリーまで合計6種の新規下剤が登場した.慢性便秘症診療ガイドライン2017において最も推奨されている下剤は,浸透圧性下剤と上皮機能変容薬の2種類であり,新規下剤6剤のうち4剤がその2種類に含まれている.前治療がない場合は一般的には浸透圧性下剤が第一選択薬となり,効果がない場合は上皮機能変容薬やエロビキシバットへの変更を検討する.新薬同士の選択は,便秘の病態や重症度,予測される副作用を考慮して行うが,個々の患者との相性は実際に投与してみないと分からないこともある.

  • *児玉 晃孝, 鈴木 睦, 宮脇 出, 片木 淳
    日本毒性学会学術年会
    2022年 49.1 巻 W5-2
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/08/25
    会議録・要旨集 フリー

    開発初期における非臨床安全性評価に関するアンケート調査結果から、FIH(First in human)の臨床試験における安全性評価に関する企業側の考え方が見えてきた。製薬企業は、レギュレーションやガイドラインに従い、効率も重視しながらも、多方面から開発品の安全性を評価しようとしていた。本セッションでは、企業の考える安全性評価、治験薬概要書、また当局相談の形とともにそれらの利点と欠点を説明し、本ワークショップの最後のセッションであるパネルディスカッションの議題を提供する。

  • ~第48回日本毒性学会学術年会 ワークショップ GLP業務の「New Normal」の展望~
    辻 暁司, 宅見 あすか, 甲田 章, 山口 晃輝, 児玉 晃孝
    谷本学校 毒性質問箱
    2022年 2022 巻 24 号 80-87
    発行日: 2022/09/17
    公開日: 2023/09/14
    解説誌・一般情報誌 フリー

     2020年1月に日本国内で初の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が確認され、同年4月より最初の緊急事態宣言が発令された。コロナ禍と呼ばれる環境で発令されたこの宣言以降、社会における働き方が大きく変化し、急激な変化に適応しなければならない状況となっている。“New Normal”と言われるこの状況において、生活面では、密閉、密集、密接の3密を避けること、マスクやフェイスシールドの着用、不特定多数の人が触るものの消毒等が、感染防止対策として周知されてきた。一方、就業面では、職場への通勤時の感染リスク及び職場でのクラスター発生等を避けるために、テレワーク勤務の導入が進んだ。本邦における2020年1月~2022年2月の新規感染者数の推移 1)及び東京都におけるテレワーク導入率 2)図1に示す。2020年3月からの新規感染者数の増加に伴って最初の緊急事態宣言が発令された。その後、新規感染者数の減少により一旦、緊急事態宣言は解除されたものの、第2波、第3波の感染の波とコロナ対策が繰り返され、2022年2月現在、オミクロン株を主とした感染者数の急増により「第6波」といわれる環境にある。東京都におけるテレワーク導入率においても、2020年3月時点では20%台であったが、翌月の4月に60%を超え、以降、50~65%の導入率で推移し、“New Normal”に対応するインフラ整備が急速に進んだことがわかる。しかしながら、オフィスで仕事をすることが比較的多い職種ではテレワークを有効に活用できるが、我々のフィールドである医薬品開発における安全性部門のように、現場で作業を行う必要がある職種ではここまでの活用は難しいであろう。

  • 近藤 千真, 藤田 卓也, 川村 祐司, 児玉 晃孝, 宮内 慎
    谷本学校 毒性質問箱
    2019年 2019 巻 21 号 94-99
    発行日: 2019/09/08
    公開日: 2022/06/06
    解説誌・一般情報誌 フリー
     消化管毒性は一般に生命維持機能との関連は限定されるが、繰り返し発現した場合は、患者の生活の質(QOL)を大幅に低下させ、服薬アドヒアランスの低下や、身体的、精神的な状態の悪化を引き起こす可能性がある1)。下痢などの患者のQOLに影響を及ぼす可能性がある消化管毒性は、おおよそ700種類もの薬剤が関与していると言われており2)、稀に下部消化管合併症、胃・十二指腸潰瘍、消化管出血及び穿孔の発症など、重篤な消化管毒性が生じることがある3)。また、臨床試験で重度の消化器症状が発現した場合は、忍容量を超えているとの判断から、最高用量の制限毒性となり得る。このような消化管毒性を回避するために、非臨床毒性試験において、臨床での副作用を精度良く予測することが重要になる。
     安全性評価研究会の2018年春のセミナーでは、消化管毒性とそのバイオマーカーの現状を共有し、Q&A形式での情報交換を行った。本稿では、その際の講演内容と議論した内容を紹介する。
  • 川中 美和, 藤井 英樹, 岩城 慶大, 林 秀樹, 豊田 秀徳, 大枝 敏, 兵庫 秀幸, 森下 朝洋, 宗景 玄祐, 川田 一仁, 堤 翼, 澤田 康司, 前城 達次, 飛田 博史, 吉田 雄一, 内藤 雅文, 荒木 亜寿香, 新垣 伸吾, 川口 巧, 則武 秀尚, 小野 正文, 正木 勉, 安田 諭, 冨田 栄一, 米田 正人, 徳重 明央, 鎌田 佳宏, 高橋 宏和, 植田 真一郎, 相島 慎一, 角田 圭雄, 岡上 武, 中島 淳, Japan Study Group of Nonalcoholic Fatty Liver Disease(JSG-NAFLD)
    肝臓
    2024年 65 巻 4 号 186-191
    発行日: 2024/04/01
    公開日: 2024/04/10
    ジャーナル フリー

    The Nara Declaration 2023 recommends that patients with ALT levels of >30 U/L and those who have steatosis, diabetes, hypertension, and/or dyslipidemia should be referred to a hepatologist, considering the results of the FIB4 index and/or platelet count. ALT levels of >30 U/L is a simple and useful indicator and, when combined with the FIB4 index and platelet count, can detect MASLD cases that require further treatment and follow-up. Moreover, among patients with MAFLD and ALT levels of ≤30 U/L, the FIB4 index may be useful for identifying those at risk of MASLD. The Nara Declaration 2023 is an important and convenient guideline that provides primary care doctors with specific indications for referral to a hepatologist. When combined with the FIB4 index, ALT levels of >30 U/L is expected to predict high-risk MASLD cases.

  • 中島 淳, 大久保 秀則, 日暮 琢磨
    日本老年医学会雑誌
    2020年 57 巻 4 号 406-413
    発行日: 2020/10/25
    公開日: 2020/12/01
    ジャーナル フリー

    慢性便秘症は高齢者に多い疾患であり近年便秘症があると生命予後が悪いこと,心血管イベントが多いこと,CKD発症が多いことが明らかになってきた.この意味で便秘症は治療すべき病気として認知されるようになった.高齢者では結腸運動能の低下,直腸知覚閾値の鈍麻など高齢者特有の病態異常が明らかになりそのため単なる便秘ではなく直腸に便塊が貯留する糞便塞栓の発症に注意しなければならない.治療は酸化マグネシウムをまず使うが高齢者では特にマグネシウム血症に注意する必要があり,刺激性下剤はレスキュー薬としての使い方がベストな使い方である.最近多くの便秘治療新薬の登場で医療現場が大きく変わりつつある.

  • *片木 淳, 鈴木 睦, 宮脇 出, 児玉 晃孝
    日本毒性学会学術年会
    2022年 49.1 巻 W5-1
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/08/25
    会議録・要旨集 フリー

     First in Human (FIH)における治験計画届出から治験開始までの30日調査は非常にタイトなスケジュールで実施されることから、企業の毒性評価担当者とPMDAの審査員が直接対話する機会が限られている。このため、毒性評価について企業とPMDAの双方で合意に達するまでに必要以上に時間を要し、効率的な医薬品開発の支障となるケースもあると思われる。そこで、開発初期における非臨床安全性試験やFIH試験における治験薬概要書に関する課題と対応について製薬企業にアンケートを行い、20社から回答を得た。早期毒性評価 (in vitro, in vivo)の取り扱い、代替法や最近話題のAI技術の使用の実態、試験を実施する際のガイドラインの選択、などについての各社での考え方や課題、また、治験前相談において、相談事項に対する対応方針についてPMDAと企業で意見の隔たりがあったことなどについて、様々な意見が寄せられた。

     本セッションでは、より効率的に医薬品開発を進められるよう、企業とPMDAの相互理解を深めてゆく議論につなげていくため、上記アンケート調査結果を紹介するとともに、円滑な開発を阻む課題を抽出する。

  • *宮内 慎, 鈴木 睦, 宮脇 出, 児玉 晃孝
    日本毒性学会学術年会
    2021年 48.1 巻 W4-2
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/08/12
    会議録・要旨集 フリー

    治験開始時や臨床試験実施時において、医薬品の非臨床安全性試験パッケージの充足性や試験結果の解釈などについて、医薬品医療機器総合機構(PMDA)に相談をすることがある。PMDAからは、試験結果の解釈やヒトにおける毒性学的意義について製造販売承認申請時に照会をされることがある。これらの相談や照会事項対応はタイトなスケジュールで実施されるため、企業開発者とPMDAの審査員が直接対話する機会が限られており、安全性評価について企業と審査側で双方が合意に達するまでに必要以上に時間を要するケースもある。このことは、効率的な医薬品開発へ向けての支障となるケースもある。今回、これまでの医薬品開発で、PMDAとの相談や照会事項での対応において意見の隔たりがあったことなどについて製薬企業にアンケートを行い、23社から回答を得た。アンケート結果では、ガイドラインなど規制に関する海外と日本との考え方の違いなどが挙げられていた。

    本発表では上記を含むアンケート調査結果を紹介するとともに、見えてきた課題について分析することで、今後のPMDAとの意見交換をより実りあるものにするための方法を議論したい。

  • 鶴﨑 泰史, 上野 知香, 山本 修一
    日本重症心身障害学会誌
    2022年 47 巻 3 号 421-427
    発行日: 2022年
    公開日: 2025/03/19
    ジャーナル フリー
    慢性便秘症を呈する重症心身障害者(以下、重症者)に対して、ポリエチレングリコール製剤(以下、本剤)の効果と副作用の検討を行った。本剤投与により、自発排便回数の有意な増加が認められた(p= 0.04)。浣腸などの救済薬の使用回数は、投与開始4週目に有意に減少した(p= 0.03)。本剤投与前後で、便硬度の有意な変化を認めなかった。有害事象については、安全上の臨床的問題を認めなかった。本剤は重症者における慢性便秘治療の新たな治療選択肢になることが期待される。
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