ケモインフォマティクス討論会予稿集
第41回ケモインフォマティクス討論会 熊本
選択された号の論文の61件中51~61を表示しています
ポスター発表
  • 寺前 裕之, 玄 美燕, 山下 司, 高山 淳, 岡﨑 真理, 坂本 武史
    p. 1P09-
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/26
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    フェルラ酸(FA)は比較的強い抗酸化作用を示すことが明らかになっている。本研究では坂本らの研究によりDPPHフリーラジカル消去能の測定で得られた50%のDPPHフリーラジカル消去濃度(IC50)を元に、FAとその誘導体のフェノール性水酸基から水素を取ったラジカルの電子状態とIC50との関連性を機械学習により検討した。
  • 南 拓也, 川田 正晃, 藤田 俊雄, 室伏 克己, 内田 博, 大森 和弘, 奥野 好成
    p. 1P10-
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/26
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    熱硬化性樹脂では混合原料を用いる場合があるが、樹脂によって使用する原料の数・種類が異なると、データセットに欠損や原料種の不揃いが生じ、機械学習による樹脂物性の予測が困難になる。この問題を解決するために、原料分類に基づき熱硬化性樹脂の特徴量を計算し、機械学習により熱硬化性樹脂物性を予測する方法を提案する。まず、機械学習により原料分類を行った。原料の構造式を表す説明変数としてExtended Circular Fingerprint(ECFP)を用いて、ランダムフォレストにより原料分類を予測した。その結果、F値が0.96という、非常に高い精度で原料分類を予測できた。続いて、機械学習により樹脂物性の予測を行った。原料分類ごとにECFPを統合し、さらに反応中間体の特徴量や樹脂の硬化条件を説明変数として、樹脂物性を予測した。その結果、R2=0.8の精度で弾性率を予測できた。以上より、本提案手法により、混合原料を用いた熱硬化性樹脂物性の予測を行えることが確認された。
  • 斎藤 雅史, 蒲池 高志, 辻 雄太, 吉澤 一成
    p. 1P11-
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/26
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    発表概要(日本語): メタンをCH3*とH*に切断するほど活性の高い、メタンの水蒸気改質反応に使われているようなNiなどの金属表面では、C–H結合の解離が進み、エネルギー的に最安定なCH*まで分解される。こうした従来のプロセスでは、CH*をH2OによりCOに酸化することで資源化するとともに、コーキングを防いでいる。仮に反応途中段階のCH3*やCH2*を安定化し、CH*よりもエネルギー的に安定にできれば、CH3*やCH2*の寿命が長くなり、メタンやエチレンなどに変換される可能性が高まる。我々は、このシンプルなアイデアを実現するため、DFT法を用いた網羅的な計算と、触媒インフォマティクス的手法を用いることにより、表面上でCH3*やCH2*がCH*よりも安定な材料を探索している。現在までに計算が完了している合金のうち、10種の合金についてはCH3*の方が安定であり、メタンの有用化合物への直接変換の可能性を見出した。
  • 小関 準, 今野 雅允, 浅井 歩, 松井 秀俊, 佐藤 太郎, 土岐 祐一郎, 森 正樹, 石井 秀始
    p. 1P12-
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/26
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    がん治療では手術と併せて化学療法や放射線療法が行われている。これらの治療によって、がんが根治したように見えても再発してしまうことがある。その原因は、がん組織の中に治療抵抗性を持つがん幹細胞が存在するからではないかと考えられてきた。抗がん剤のような外部の刺激に対する細胞の応答を観測するためには、このような一つ一つの観測時におけるスナップショットではなく、経時的な挙動変化を観測することでがん幹細胞の特性を理解することが重要となる。しかしながら、既存手法では経時的な変化を観測することができなかった。そこで本研究では、複数の実験結果から代謝の経時変化を抽出するためのトランスオミックス手法を開発した。この手法を用いて、抗がん剤曝露前後におけるがん幹細胞と非がん幹細胞の代謝反応速度変化を解析することにより、がん幹細胞がもつ特徴を理解することを目的とした。
  • 山口 徹, 村藤 俊宏, 隅本 倫徳, 山崎 鈴子, 堀 憲次
    p. 1P13-
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/26
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  • 三木 伸一, 重光 保博, 務台 俊樹
    p. 1P14-
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/26
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    ヒドロキシフェニルイミダゾ[1,2-a]ピリジン(HPIP)及びその誘導体は、集積構造依存型発光を示す化合物の一つで、励起状態分子内プロトン移動(ESIPT)によって発光する。本研究では、X線結晶構造解析と光物性測定を実施したHPIP及びその誘導体について、切り出すクラスター領域や、中心分子と各周辺分子の相互作用が発光波長に及ぼす影響について調べ、中心分子の近傍数分子の計算モデルでHPIP誘導体の固体発光が説明できることがわかった。このとき、π-π相互作用配置だけではなく、スタッキング配置以外の分子配置もESIPT発光に影響を及ぼしていることが示唆された。また、近接分子の相互作用エネルギーとESIPT発光波長との間には一定の相関があることがわかった。
  • 沓脱 拓郎, 杉本 学
    p. 1P15-
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/26
    会議録・要旨集 フリー
    ゼオライトは特有の細孔構造をもつアルミノケイ酸である。特有の細孔構造により、吸着性質や固体酸性が発現し、吸着材や炭化水素の分解触媒に用いられる。本研究では、ゼオライト骨格のSi/Al比とpKaの相関について検討した。この検討を行うため、Si/Al比の異なる複数のモデルを作成した。それらのモデルの細孔にH3O+を配置し、構造最適化計算を行うことで酸点の反応性について検討を行なった。結果として、今回のモデルの最適化構造では、ゼオライトからのプロトン脱離は起こらず、ゼオライトへのH3O+の吸着構造が得られた。そのため、pKaの評価には適していないモデルであり、他の工夫が必要であることが得られた。
  • 石出 愛実, 森川 郁美, 杉本 学
    p. 1P16-
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/26
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    本研究ではβラクタム系抗菌剤に関する電子状態計算を行い得られた数値を記述子として類似度を算出し、類似度による順位付けと抗菌剤の分類が相関関係にあるかを調べた。また、第三世代セフェム系の分子について電子的記述子と大腸菌に対する最小発育阻止濃度(MIC)との相関を調べた。類似度による順位付けと抗菌剤の分類については2つの分類の分子と類似度による順位の間には相関がみられたが、そのほかの分類については相関がみられなかった。次に、電子的記述子を用いて大腸菌に対するMICを説明する回帰モデルを作成したところ、予測値と実験値との間に相関が見られた。このことから、電子的記述子がMICの説明変数となる可能性があると考えられる。
  • 井手尾 俊宏, 杉本 学
    p. 1P17-
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/26
    会議録・要旨集 フリー
    FAS阻害剤は、ガン細胞中に多量に存在する脂肪酸合成酵素(FAS)の働きを阻害するため、新たなガン治療法の一つとして期待されている。本研究ではFAS阻害能をもつとされる45種の分子について電子状態計算を行い、その種々の結果を用いて、17種類の電子的類似度を算出した。電子的記述子に対して回帰分析を行い、電子的記述子の数値から半数阻害濃度の予測値を算出する式を求めた。決定係数R2は0.81であり、高い相関が見られた。従って、得られた回帰式は化合物の物性を概ね再現できており、代替物探索において有用であると考えられる。
  • 森脇 寛智, 渡邉 千鶴, 本間 光貴
    p. 1P18-
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/26
    会議録・要旨集 フリー
    北浦らによって開発されたフラグメント分子軌道法は分子をフラグメントに分割する事によって高精度な量子化学計算を生体高分子などの巨大な系に対しても高速に行う事が可能な手法である。また、フラグメント間の相互作用エネルギーを成分毎に分割するPIEDAにより、更に詳細な解析を行なう事が可能である。フラグメント分子軌道法はGAMESS、ABINIT-MP、PAICSで実装されており、このうちABINIT-MPではたんぱく質や核酸については自動でフラグメント分割をする事が出来るが、リガンドなど低分子の自動分割には対応しておらず、大きな低分子を含む系を計算する場合や、官能基の寄与など、より詳細な解析を行なうために分子を分割する場合には煩雑な手動での分割を行う必要がある。これを解消しFMO計算の前処理、解析を行うMOE用のライブラリを実装し、これを報告する。
  • 曽谷 亮太, 田中 健一, 船津 公人
    p. 1P19-
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/26
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    製造プロセスによる元素分布の変化等の状態変化を定量的に把握することは高性能デバイス開発の際に重要である。測定試料の状態解析の手法として電子エネルギー損失分光法(Electron Energy Loss Spectroscopy, EELS)が知られている。EELSで測定した情報から元素の濃度分布を得る手法としてMultivariate Curve Resolution Alternative Least Squares(MCRALS)が提案されているが、MCRALSでは試料に含まれる純成分のスペクトル間に類似性がある場合に解が不安定になる問題があった。本研究では、濃度分布は滑らかになる点に着目し、MCRALSを用いて元素の濃度分布を計算する過程で濃度分布に対するスムージング処理を導入することで不安定性の解決を試みた。Si基盤に積層したTi/Ti-O試料の熱処理前後のEELSデータに対して提案手法を適用し、酸素拡散の様子を推定することで、有効性を確認した。
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