日本教育工学会論文誌
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総説
我が国の教育工学研究とインストラクショナルデザイン研究の今後に寄せて
鈴木 克明
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2019 年 43 巻 3 号 p. 187-196

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抄録

我が国の教育工学研究におけるインストラクショナルデザイン(ID)研究の位置づけについて概観し,教育革新が求められている今日の研究基盤としてID 研究が果たすべき役割について述べた.我が国では初等中等教育における授業設計と企業研修の文脈でのID に乖離が見られた時期があり,その後高等教育には教員の能力開発(FD)の文脈でID の諸概念が浸透していった.今後研究基盤としてID が果たすべき役割として,デザイナーになり革新的な実践を共創すること,デザイン研究でID の知見拡大に貢献すること,脳科学の知見でID を再解釈・精緻化すること,次世代の大学を創出する一翼を担うこと,教えないでも育つ教育を実現すること,ID 専門家育成上級講座に参画することを提言した.

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© 2019 日本教育工学会
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