2014 年12 月27 日から28 日にかけて海洋研究開発機構の海洋調査船「よこすか」によるYK14-22 次航海(KOOHO-O 航海Ⅳ)において、深海曳航調査システム「ディープ・トウ」を用い、相模湾北東部に位置する相模海丘で2 回(YKDT #160, #161)、伊豆半島南方沖の石廊海底谷支谷において1回の潜航調査(YKDT #162)を行なった。
相模海丘における2 回の潜航は、海丘南側の急斜面に沿ってほぼ同じルートで行い、海丘中段のテラスから開始して海丘斜面に沿って上昇する進路をとった。海丘の斜面に露出していたのは主に泥岩であり、その泥岩中に3 〜4 層の礫岩層が確認された。石廊海底谷における潜航は、海底谷中流にある狭窄部を中心にその下流側から潜航を開始し、狭窄部を通過して上流に進み、最後は狭窄部を構成する尾根状の地形を上昇する進路をとった。狭窄部付近では、下位に礫状の岩体、上位に層状〜塊状の岩体の露頭を確認した。狭窄部の下流側および上流側の谷底は砂礫底〜砂底であり、海底面には顕著なリップルマークが観察された。リップルマークが示す流向は主に下流側から上流側を示し、谷に沿った通常の流れではなく、海底の底層流による流れの存在が推察された。YKDT #162 潜航でドレッジャにより採取された火山岩礫は、安山岩質からデイサイト質であった。
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