神奈川県立博物館研究報告(自然科学)
Online ISSN : 2189-6720
Print ISSN : 0453-1906
2018 巻, 47 号
神奈川県立博物館研究報告(自然科学)
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表紙・目次
短報
  • 笠間 友博
    2018 年 2018 巻 47 号 p. 1-6
    発行日: 2018/02/27
    公開日: 2021/04/30
    研究報告書・技術報告書 フリー
    三浦半島南部に分布する箱根東京テフラについて露頭調査を行い、先行研究の再検討を行った。降下軽石(箱根東京軽石:Hk-TP)の各降下ユニットのうち、最下部の細粒軽石よりなる降下ユニットは三浦半島地域では相対的に厚く、分布軸がより東寄りである可能性がある。中部の粗粒な軽石からなる2つの降下ユニットのうち上位は相対的に薄く、逆に分布軸が北寄りになる可能性がある。また、全体の層厚は厚くなる。軽石流堆積物(Hk-T(pfl))は新たに2箇所で見つかり、広域に分布している可能性が示唆された。
報告
  • 高橋 直樹, 山下 浩之, 大島 光春, 森 慎一, 藤岡 換太郎, 廣瀬 重之, 川上 創, 藤井 友紀子, 2014 KO-OHO-O ...
    2018 年 2018 巻 47 号 p. 7-21
    発行日: 2018/02/28
    公開日: 2021/04/30
    研究報告書・技術報告書 フリー

    2014 年12 月27 日から28 日にかけて海洋研究開発機構の海洋調査船「よこすか」によるYK14-22 次航海(KOOHO-O 航海Ⅳ)において、深海曳航調査システム「ディープ・トウ」を用い、相模湾北東部に位置する相模海丘で2 回(YKDT #160, #161)、伊豆半島南方沖の石廊海底谷支谷において1回の潜航調査(YKDT #162)を行なった。

    相模海丘における2 回の潜航は、海丘南側の急斜面に沿ってほぼ同じルートで行い、海丘中段のテラスから開始して海丘斜面に沿って上昇する進路をとった。海丘の斜面に露出していたのは主に泥岩であり、その泥岩中に3 〜4 層の礫岩層が確認された。石廊海底谷における潜航は、海底谷中流にある狭窄部を中心にその下流側から潜航を開始し、狭窄部を通過して上流に進み、最後は狭窄部を構成する尾根状の地形を上昇する進路をとった。狭窄部付近では、下位に礫状の岩体、上位に層状〜塊状の岩体の露頭を確認した。狭窄部の下流側および上流側の谷底は砂礫底〜砂底であり、海底面には顕著なリップルマークが観察された。リップルマークが示す流向は主に下流側から上流側を示し、谷に沿った通常の流れではなく、海底の底層流による流れの存在が推察された。YKDT #162 潜航でドレッジャにより採取された火山岩礫は、安山岩質からデイサイト質であった。

資料
  • 田中 徳久, 勝山 輝男, 大西 亘
    2018 年 2018 巻 47 号 p. 23-33
    発行日: 2018/02/28
    公開日: 2021/04/30
    研究報告書・技術報告書 フリー
    神奈川県立生命の星・地球博物館の維管束植物標本の今後の利活用に資する基礎資料とするため、所蔵しているタイプ標本と分類群数を計数し、採集都道府県、採集年、採集者などの採集属性に基づいた組成を解析した。46点のホロタイプを含む、183点のタイプ標本が生命の星・地球博物館には所蔵されている。日本全国と各都道府県で記録されている維管束植物の分類群数に対する所蔵標本の分類群数の割合を、分類群の取り扱いや構成種を考慮せずに分類群の数だけで算出すると、日本全体の維管束植物の分類群の数に対して、所蔵標本の分類群の数の割合は89.4 %であり、もっとも所蔵標本点数の多い神奈川県では95.4 %であった。採集標本点数の多い都道府県の標本の組成は、大場、古瀬、高橋の採集標本によって影響を受けていることが明らかになったが、静岡県と千葉県では、別の採集者の標本が多いことや、具体的な植物相調査が行われたことによることで、採集標本点数が多いことなどが示された。
原著論文
短報
資料
奥付・裏表紙
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