コンクリートポンプによる軽量コンクリートの超高層建物への圧送は極めて困難で, 100m以上の例は極めて少ない。横浜天理教館ビルにおいて, 人工軽量骨材コンクリートをコンクリートポンプ車により102mの高さまで中継なしに施工した。コンクリートのスランプは最上階で22.5cmで, 高所圧送による品質変化は少なく, スランプの低下は1cm, 空気量の低下は0.5%で, コンクリートの品質, 床の仕上げ精度ともに良好であったが, 圧送後の圧縮強度はやや低下し, 乾燥収縮は増加する傾向を示した。吐出量および吐出圧の測定結果から, 水平配管条件が同一ならば, 高さ120m程度まで打設可能であること, および従来のデータに比較して, 吐出量を小さくしても, 吐出圧の低下率は比較的少ないことなどが明らかになった。
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