コンクリートの配合設計を進めるにあたり, コンクリートの配合理論に合った最も作業に適したワーカブルなコンクリートを作るためには, 与えられたコンクリートの品質と使用する材料に最も適した細骨材率と単位水量を定める必要がある。また一度最適の細骨材率と単位水量で求めた配合も, その後のコンクリートや使用材料の品質の変化によって, これらを何如なる方法で変更し, 常にコンクリートの品質を一定に維持することができるかは, コンクリートの製造にたずさわるものにとって常に苦慮しているところである。
これらの問題を解決するため, 細骨材率と単位水量がコンクリートならびに使用材料の品質との問に何如なる関係があるかを多くの実験結果より探究し, その関係を実験式として求めた。この実験式によりコンクリートの配合設計を行なうとともに, その後の条件の変化にも数値的に調整可能となリコンクリートそのものの本質を把握することができる。またセメントの種類や骨材産地の変更によるコンクリートの試験にも, この実験式により同一条件のもとに実験が可能となり, コンクリート品質の比較検討も容易になるものと考えられる。
この実験式は多少複雑な関係式ではあるがミキシングプラントにミニコンピューターを設置し, この実験式とコンクリートの配合理論により定まる関係式を記憶することにより, 所要のコンクリートの品質とこれに使用する各材料の品質により定まる数値をセットすることにより, 自動的に配合値が計算され, この決定配合値とプラントの各計量機とを連動することにより自動的に所要の品質のコンクリートを製造することが可能となり, この完成が本研究の目的である。なお, この実験式で求めた細骨材率と単位水量によるコンクリートの配合設計の計算は, 在来の方法とかわりがないので省略する。
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