わが国の中層集合住宅における壁式プレキャスト鉄筋コンクリート造は, 地震国特有の技術開発が行なわれ, その成果の蓄積は著しいものがある。そして本工法はもはや従来の中低層プレハブ造から, 高層プレハブ化へと脱皮する時期とも考えられる。
しかし本工法の高層化についての研究が進められるにあたり, 現行ジョイント形式に対する設計・施工上の問題や, 応力伝達方式の考え方などにも種々矛盾点が指摘されるに及んでいる。
このような実情に鑑み, われわれは1966年より行なってきている一連の研究を通じて, 本工法の力学的挙動についての問題点を指摘するとともに, 本工法のもっとも合理的な解析法の指針ならびに改良された直型ドライジョイントの開発研究の一端を述べる。最後に本工法に関する合理的設計法私案などを提起することとした。
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