型わくに作用する圧力は粗骨材および海水によるものであるから, 間げきを海水で満たした粗骨材の単位容積重量 (γa=2.0g/cm
2) に相当する密度を有する流体の静水圧分布を想定し, No.1~No.3の位置の圧力を計算して上述の実測値と比較すると表-2の結果が得られる。
計算値 (C) 実測値 (M) (M-C) /C (%) No.1 0.314kg/cm
2 0.39kg/cm
2 +24.2 No.2 0.620kg/cm
2 0.56kg/cm
2 -9.7 No.3 (静的) 0.914kg/cm
2 0.89kg/cm
2-2.6 No.3 (衝撃) (0.914) kg/cm
2 1.50kg/cm
2 +64.1
すなわち, 実測値は表面に近い点では静水圧分布と仮定した計算値より大きく, 下方では逆に小さくなって, 土圧分布に類似した圧力分布を示している。しかし, 実測値と計算値との差は僅少であり, 粗骨材投入時に型わくの受ける圧力の分布は, 近似的には粗骨材の単位容積重量 (水中では粗骨材の空げきを水で満たしたと考えた値) に相当する密度をもつ流体の静水圧分布と考えてよいことを示すものといえる。また, 投入時の衝撃によって突き固められた場合の圧力には, 上述の静水圧分布による計算値の60~70%程度の増加を見込むのが適当であろう。
以上を要約すると, モルタル注入時に型わくに作用する最大圧力は, プレパックドコンクリートの単位容積重量に相当する密度をもつ流体の静水圧に, 0.14kg/cm
2.相当の膨張圧を加えた程度と考えてよいであろう。動圧の影響は2.で述べたようにごく狭い範囲に限られ, 本試験結果でもその影響は認めにくい。
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