本研究は,最近開発されたコンクリート用フェロニッケルスラグ粗骨材および,JIS A 5011-2「コンクリート用スラグ骨材 第2部:フェロニッケルスラグ骨材」に規格化されているフェロニッケルスラグ細骨材を用い,それら粗骨材および細骨材を単独あるいは組合せ使用したコンクリートの基礎的性質を明らかにすることを目的としたものである。本研究で用いたフェロニッケルスラグ粗骨材および細骨材を組合せて使用した場合,コンクリートのブリーディング量は増加する傾向にあるが,その力学的性質は石灰岩砕石および砕砂を用いたコンクリートと同等以上であることを確認した。さらに,過度なブリーディングを抑制することにより,硬化コンクリート中に適切な気泡組織が形成され,凍結融解抵抗性が確保できることを明らかにした。