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宿野部 葵, 内田 美穂, 吉岡 敏明, 奥脇 昭嗣
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発行日: 2002年
公開日: 2003/07/07
会議録・要旨集
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宮城県北部の水田土壌を用い、酸、アルカリ、塩化物塩等の溶液による浸出実験を行った。試料中重金属の形態分析の結果、CdはFeCuZnに比べて可動態の割合が大きく、各条件において浸出率は最大となった。Cdの浸出率はpHの低下、塩濃度とともに増大し、1M、pH=4の塩化アンモニウム水溶液に対しておよそ60wt%であった。NH
4ClおよびNaCl水溶液に対する浸出挙動は類似したことから、浸出に塩化物イオンが寄与すると考えられる。
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柳澤 弘和, 岡崎 正規
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52
発行日: 2002年
公開日: 2003/07/07
会議録・要旨集
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本研究はバーミキュライト(Vet)でのカドミウムイオンの吸脱着特性を明らかにすることを目的としたものである。Vetのカドミウムイオンの吸脱着特性と比較するために、スメクタイト(Smc)、パイロフィライト(Pyr)およびカリウム処理したVet(KH-Vet)を用いた。本研究の結果から、大部分のカドミウムイオンはVet端面において交換脱着されにくい形態で吸着していることが示された。
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河村 雄行, 市川 康明, Thermast Nattavutt, 中野 政詩
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53
発行日: 2002年
公開日: 2003/07/07
会議録・要旨集
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粘土の圧密挙動の詳細を、圧密実験のその場において、X線回折測定を行うことにより、検討した。X線回折実験用の圧密装置の製作から行い、ベントナイトでの測定による、1次圧密、2次圧密等の詳細を解明した。
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岡田 朋子, 水野 克巳, 近藤 三二, 嘉門 雅史
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54
発行日: 2002年
公開日: 2003/07/07
会議録・要旨集
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廃棄物の工学的封じ込めに、ベントナイトが締固め粘土ライナーやジオシンセティッククレイライナーとして利用されるようになった。市販ベントナイトの工学的基礎特性を提供することを目的としてコンシステンシー限界を測定し、ベントナイトに交雑している遊離シリカのポリモリフィズムが収縮限界に対して有意な影響を有することを見出した。また、液態から固態に至るコンシステンシー特性と粘土鉱物学的特性との関係を考察した。
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藤井 克己, 百目木 敏行
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発行日: 2002年
公開日: 2003/07/07
会議録・要旨集
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ペースト状態にある粘土の水分が減少すると、その物性は液体から塑性体へと変化する。この境界値を土質試験では液性限界と呼び、フォールコーン法、キャサグランデ法という2種類の試験法で測定され、水分量の多少により評価される。本研究は、膨潤性粘土であるモンモリロナイトについて、間隙溶液の陽イオン種と濃度を変えた試料の液性限界を測定し、その影響を粒子間の相互作用から検討したものである。
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-摩擦係数μとせん断抵抗係数tanφr′との関係-
大河原 正文, 三田地 利之, 米田 哲朗
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発行日: 2002年
公開日: 2003/07/07
会議録・要旨集
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地すべりの安定解析において、大きなせん断変形を受けて残留状態に至った時点でのせん断強度(残留強度)は、解析精度に直接関わる最も重要な物性値である。本研究では、残留状態におけるせん断は粘土粒子-水の摩擦現象であるとの認識に基づいてアモントンークーロンの摩擦係数μと残留せん断抵抗係数tanφr′との関係を整理した。
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富田 克利, 上野 孝幸, 河野 元治, 三浦 英樹, 北村 良介
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発行日: 2002年
公開日: 2003/07/07
会議録・要旨集
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第38次南極地域観測隊(1996-1997)によって採取されたリーセルラルセン山地域の地表から140cmの深さまでの試料について、粘土鉱物学的研究を行った。本研究では、粘土鉱物の種類や性質について、垂直的な変化や、風化の違いによる平面的な変化があるかを考察した。
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アレタ D. G. A., 富田 克利, 河野 元治, 北村 良介
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58
発行日: 2002年
公開日: 2003/07/07
会議録・要旨集
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The Pre-Cretaceous Mananga Group (MG) is a complex suite of igneous and sedimentary rocks in central Cebu Philippines. Regolithic materials arbitrarily collected from MG were used in the clay mineralogical investigation using the 2μm size fraction. Results from multiple analyses showed the heterogeneity of phyllosilicates with smectite phase determined as the most preponderant and ubiquitous component. Chlorite illite kaolinite and mica are essentially present in variable amounts with smectite. These clay minerals occur in various assemblages and proportions.
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アレタ D. G. A., 富田 克利, 河野 元治
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59
発行日: 2002年
公開日: 2003/07/07
会議録・要旨集
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The Tertiary Malubog Formation studied is composed of gently dipping strata of argillaceous sedimentary rocks widely distributed in central Cebu Philippines. Clay mineral analyses indicate smectite kaolinite illite chlorite and mixed-layer types constitute essentially the argillaceous beds. These clays occur in several mineral assemblages that are allmost all smectite-dominated. Most combinations include four or three clay species. Accessory minerals are finely crystalline quartz feldspars calcite cristobalite and jarosite.
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アレタ D. G. A., 富田 克利, ミエル J. Z., ルポ E. S., 河野 元治
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60
発行日: 2002年
公開日: 2003/07/07
会議録・要旨集
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Clay minerals of stratified tuff and mud rocks of the Middle Miocene Paghumayan Formation in Vallehermoso Negros Oriental Philippines were examined. The results showed homogeneity of clays in the sedimentary sequence with smectite as the only phyllosilicate present. Feldspar and zeolites are typical which therefore yield the mineral assemblage smectite-feldspar-zeolite. A calcareous horizon may be present as revealed by one sample detected to contain almost entirely of crystalline calcite with very minimal smectite.
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アレタ D. G. A., 富田 克利, アレタ J. T., ルセロ Jr. A. R., 河野 元治
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61
発行日: 2002年
公開日: 2003/07/07
会議録・要旨集
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Serpentinized peridotite is an ultramafic rock that intrudes as diapiric bodies along the principal fault zones of central Cebu. The clay fraction of the four weathered materials were exammined by means of XRD DTA TG IR SEM and EDX. Experimentation results that the weathered specimens are polymineralic and could be possibly differentiated into two distinct asseblages. These two assemblages appear to interpret the weathering reaction stages that the primary serpentinized peridotite rock had undergone.
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楊 培潔, 長谷部 清, 何 俊翔, 山岸 晧彦
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62
発行日: 2002年
公開日: 2003/07/07
会議録・要旨集
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Mg
2+とAl
3+からなるハイドタルサイト(LDH)形成について、熱力学の研究を行った. 実験では、両イオンを混合溶液中にNaOHを加えpH滴定曲線を得た。結果の解析から、上記(LDH)溶解度積(KspLDH)を求めた。この実験を種種の陰イオンの共存下で行い、KspLDHに対する影響を調べた。
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太田 俊一, 林 剛芳
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発行日: 2002年
公開日: 2003/07/07
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Na四珪素雲母を熔融合成するにあたりクリストバライト、リヒテライト(フッ素角閃石)等の共成が問題であった。そこで、構造の四面体位の珪素の一部をアルミニウム、瑚素、チタン等で置換したところ一部に置換元素量の増加に伴い、共成鉱物相の減少とNa四珪素雲母の増加が観察された。これらは水簸によるNa四珪素雲母の精製より交雑鉱物含有量を低減させる効果があった。
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下村 周一, 山田 裕久
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発行日: 2002年
公開日: 2003/07/07
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アルミニウム基板と珪酸ナトリウム溶液を水熱条件下で反応させて珪酸塩膜の合成を試みた。合成条件と生成物の関係をXRDとSEMにより調べた。
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藤村 香織, 中茎 貴仁, 平原 英俊, 成田 榮一
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発行日: 2002年
公開日: 2003/07/07
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スメクタイトは工業材料として幅広い分野で利用されているが、重金属を含有させたスメクタイトの合成について詳細な研究が行われていない。本研究では、重金属含有スメクタイトの合成およびその物理化学的特性について検討した。200℃、3hの水熱条件下において、結晶性の良いZn含有スメクタイトの生成が確認された。Zn含有スメクタイトの陽イオン交換容量は、市販の合成スメクタイトに比べ高い値を示した。さらに、CoまたはFe含有スメクタイトも同様な条件下において生成することが確認された。
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山崎 淳司, 中田 泰弘, 棚橋 賢治, 周田 雄一郎
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発行日: 2002年
公開日: 2003/07/07
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ミャンマーの農村部で稼動中の米籾殻専焼発電プラントから排出されるシリカ92%以上含有の灰を出発物質として、各種のAl源、Na源と水熱処理により反応させることで、イモゴライト·アロフェン系の粘土鉱物と、LTA型およびFAU型ゼオライトが転換率90%以上で合成された。得られたイモゴライトは長さ数100nm以上の繊維状、ゼオライトは2μm程度の粒状の高結晶質で、いずれも500平方m/g以上のBET比表面積を示す。
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大橋 文彦, 鈴木 正哉, 前田 雅喜, 和田 信一郎
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発行日: 2002年
公開日: 2003/07/07
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出発溶液のSi/Al比を変化させた状態での、イモゴライトの合成条件について検討した。その結果、比較的広い範囲のSi/Al比であってもイモゴライトは合成される事が明らかとなった。しかしSi/Al比が0.5付近や1.0付近では、優先的にベーマイトや非晶質シリカが生成し、イモゴライトの生成をある程度抑制することが示唆された。
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白木 康一, 河村 雄行, 富田 克利
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発行日: 2002年
公開日: 2003/07/07
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1層型, 2層型のカオリンポリタイプについて層間シフトを様々に変えながら水素原子位置を緩和し, 最安定化配置でのエネルギーを層間シフトに対してマッピングした。エネルギーマップの極小値に対応する18種のポリタイプについて分子動力学計算を行い、ポリタイプの安定性の動力学的な機構を調べた。
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劉 志明, 石井 茂, 平原 英俊, 會澤 純雄, 成田 榮一
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発行日: 2002年
公開日: 2003/07/07
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層状複水酸化物(LDH)の中間層の陰イオンは、様々な陰イオンや分子と交換することが可能である。本研究では、ホスト物質にZn-Al系およびMg-Al系炭酸型LDHを用いて再構築法によるフタル酸異性体の取り込み挙動について検討を行った。その結果、再構築法によりLDHへ各種フタル酸が取り込まれることが確認された。各種フタル酸の取り込み量は、初期pH12.6の時イソフタル酸、テレフタル酸そしてフタル酸の順に減少した。
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村上 淳之介, 板垣 哲朗, 黒田 一幸
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発行日: 2002年
公開日: 2003/07/07
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メタノールで修飾したカオリナイトとグリセリンを反応させて、二種類のカオリナイトーグリセリン誘導体を合成した。XRD TG-DTA NMRにより室温ではグリセリンのインターカレーションが、加熱条件下ではカオリナイトヘのグラフト化が進行することが示された。13C NMR Ramanにより加熱によりメトキシ基の脱離とグリセリンのグラフト化が同時に進行し、末端基のOH基を介してグリセリンはカオリナイトと結合したと考えられる。
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山口 朋浩, 白井 敦史, 北島 圀夫
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発行日: 2002年
公開日: 2003/07/07
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多核ヒドロキソAl水溶液(PHA水溶液)と膨洞性Na型合成フッ素雲母からアルミナ架橋フッ素雲母を合成した. PHAカチオンの層間挿入反応時にポリ(ビニルアルコール)を共存させると, 底面間隔の大きい(約2.7nm)架橋雲母が得られた. 得られた架橋雲母をNiSO
4水溶液に投入したところ, Ni
2+イオンとのイオン交換が認められた. 架橋雲母の調製条件に依存してイオン交換量は変化することがわかった.
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藤田 武敏, 井伊 伸夫, 笹井 亮, 北村 健二
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発行日: 2002年
公開日: 2003/07/07
会議録・要旨集
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これまで紫外·可視光照射による親油性雲母·アゾベンゼン複合体の底面間隔の明瞭な伸縮について報告してきた。複合体中のアゾベンゼンの包接構造は底面間隔から推定した親油性ホストの構造を、アゾベンゼン複合化による底面間隔の増加と組み合わせた主にXRDデータによるモデルであった。本討論会では偏光吸収スペクトル解析により得られたアゾベンゼンの配向方向と集合状態について報告する。
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藤井 和子, 林 繁信, 井伊 伸夫, 藤田 武敏, 小玉 博志
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発行日: 2002年
公開日: 2003/07/07
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オルガノトリアルコキシシランとテトラアルコキシシランを用いて層状のアルキルシロキサンを合成した。この物質の合成については、既に報告されているが、報告と異なる反応条件を用いて合成を行ったところ、得られた層状アルキルシロキサンは、熱的な性質が大きく異なっていることがわかった。組成分析、NMRなどの評価の他に、熱分析や試料加熱ステージを使用して測定したX線回折パターンの解析等により、構造の温度変化について調べたので報告する。
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石井 亮, 中辻 みのり, 王 正明, 大井 健太
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発行日: 2002年
公開日: 2003/07/07
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メチルトリエトキシシラン(MTS)とTEOSを用いて、バーミキュライト多孔体を合成した。多孔化の際、MTS由来のメチル基を残すため、塩酸エタノール洗浄を行った。得られた多孔体は、100-500m2/gの比表面積を有しており、焼成によって得られた多孔体と同程度の比表面積を有していた。赤外吸収スペクトル測定や水吸着実験の結果から、MTS由来のメチル基が層間に保持されていることを確認した。
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金子 芳郎, 井伊 伸夫, 笹井 亮, Juraj Bujdak, 藤田 武敏
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発行日: 2002年
公開日: 2003/07/07
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層電荷密度の異なる各種の粘土鉱物について配向膜を作製し、メチレンブルーを包接して、その配向性·会合状態を偏光可視紫外分光と粉末X線回折によって調べた。層電荷密度の減少に伴い、層間でのメチレンブルーの分子の量が減少し、会合体形成が抑制され、モノマーの割合が増加した。その結果、底面間隔の減少を導いた。
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板垣 哲朗, 黒田 一幸
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発行日: 2002年
公開日: 2003/07/07
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27Al Multiple Quantum(MQ)-MAS NMR法を用いて、カオリナイト-有機複合体を調査した。カオリナイト及びカオリナイト-アルコール層間化合物では一本のシグナルが観測されるのに対し、アルコールで表面修飾したカオリナイトでは新たにショルダーも観測された。これらの挙動は
27Al MAS NMRでは観測されず、MQ-MAS法はギブサイトシートの分析に優れた測定法であると考えられる。
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東山 紀仁, 會澤 純雄, 平原 英俊, 高橋 諭, 村上 雅彦, 成田 榮一
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発行日: 2002年
公開日: 2003/07/07
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L-アスコルビン酸(ASA)はビタミンCとして広く知られており、美白効果があることから様々な化粧品に使用されている。本研究では、再構築法およびイオン交換法による層状複水酸化物(LDH)への、ASAの取り込みについて検討を行った。その結果、イオン交換法ではASAはLDH層間に取り込まれなかったが、再構築法ではASA/LDH複合体の合成ができ、ASAはMg-Al系>Mg-Fe系>Zn-Al系の順で取り込み量が増加した。
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高橋 正敏, 川村 亜由美, 會澤 純雄, 平原 英俊, 高橋 諭, 成田 榮一
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発行日: 2002年
公開日: 2003/07/07
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近年、層間に有機化合物を取り込んだ層状金属水酸化物(M(OH)
2)に関する研究が行われている。本研究では、M(OH)
2(M=Zn, Ni)の層間に報告例の少ない各種アミノ酸を取り込んだアミノ酸/M(OH)
2複合体の合成を行い、その形状変化について検討した。その結果、アミノ酸/M(OH)
2複合体は合成でき、Zn(OH)
2を使用した場合にのみアミノ酸の種類による形状変化が見られ、その熱分解物の形状維持も確認された。
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斎藤 弘倫, 平原 英俊, 會澤 純雄, 成田 榮一
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発行日: 2002年
公開日: 2003/07/07
会議録・要旨集
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層状複水酸化物(LDH)は層電荷が高いため、陽イオン性粘土鉱物でみられるようなデラミネーション(層間剥離)は起こりにくいと言われている。本研究では、水およびアルコール中における芳香族陰イオン/LDHのデラミネーションおよびその薄膜化について検討した。その結果、LDH分散量は少ないもののデラミネーションが起きていることが確認された。また、積層法によって半透明なLDH薄膜を形成できることが明らかとなった。
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林 謙二, 米田 哲朗
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発行日: 2002年
公開日: 2003/07/07
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風化による泥岩の性状変化や工学的挙動を評価する上で, その物理的性質変化に加え, 風化強度の指標となる鉱物学的特性とくに粘土鉱物の性質変化を理解することが重要である。今回, 北海道夕張市近郊に分布する幌内層泥岩を対象に検討を行った結果, 緑泥石の粒径が風化に伴って著しく減少すること, および緑泥石のバーミキュライト化が特徴的に認められることが判った。
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南條 正巳, 井上 貴佳
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発行日: 2002年
公開日: 2003/07/07
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垂木台地は雲仙普賢岳東北東の中腹にあり、1990-1995年の噴火活動で黒ボク土の上に薄い火山灰と火砕流堆積物が堆積している。これらの特性を比較すると火砕流堆積物は粗砂以上の粗粒物質が多く、火山灰は砂+シルト画分が主であった。黒ボク土は砂画分が40-50%であったが、粘土画分も約30%含まれ、酸性シュウ酸塩抽出Al+Fe/2含量は2.0%以上、リン保持量85%以上と米国農務省の化学性に関するアンディック土壌基準を満たした。
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南條 正巳, 塚原 真未, 菅野 均志
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発行日: 2002年
公開日: 2003/07/07
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一般に黒ボク土は台地·丘陵地に多く分布し, 低地には少ない。しかし, 火山灰は低地に堆積する場合もあるはずである。そこで会津盆地とその周辺に分布する沼沢火山灰(Nm, 噴出後5000年経過)に着目し, 排水状況の異なると思われる水田と樹園地を選んでNmの土壌化状況を比較した。その結果, 水田下層のNm層は畑地樹園地より活性Al含量が少なくハロイサイト含量が多い傾向であった。
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谷 幸則, 宮田 直幸, 岩堀 恵祐, 相馬 光之, 瀬山 春彦
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発行日: 2002年
公開日: 2003/07/07
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静岡県菊川水系河川床石からマンガン酸化能を有するカビ5種を単離し、18S rDNAによる分子系統的解析をおこなった。最もマンガン酸化能が大きかったKR-21カビを液体培地で培養後、上清を濃縮した。濃縮液をSDS-PAGEにて電気泳動し、Mn(II)を含む溶液に含浸させたところ、分子量約50kDaにMn酸化物のバンドが形成された。このことから、KR-21カビは酵素反応によってマンガン酸化物を形成していることが明らかとなった。
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田村 佳子, 河村 雄行, 鈴木 正哉
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発行日: 2002年
公開日: 2003/07/07
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イモゴライト-水系の分子シミュレーション結果を昨年に引き続き紹介する。今回は、異なる観点から導出された2種類のイモゴライト-水分子間の相互作用ポテンシャルを適用し、イモゴライト表面近傍の水の構造およびダイナミクスを比較した。
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堀口 真由美, 鈴木 正哉, 鈴木 憲司
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発行日: 2002年
公開日: 2003/07/07
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カビやダニの繁殖は、適度な温度と湿度により活発化することから、繁殖対策の一つには室内を高湿度にさせないことである。室内をカビやダニの繁殖しない快適な湿度に維持するために調湿材が開発されている。調湿材の多くは微細孔による水蒸気の吸放出現象を利用したものであり、長時間高湿度に曝されると細孔内が凝縮水で満たされ、その調湿機能を喪失してしまう。こうした調湿材の欠点を補うために、我々は透湿膜に着目し、アロフェンを原料として作成した膜の透湿及び調湿性能について調べた。
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武田 晃, 塚田 祥文, 高久 雄一, 久松 俊一, 稲葉 次郎
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発行日: 2002年
公開日: 2003/07/07
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土壌の水抽出液の元素組成はコロイド粒子の影響を強く受けることが考えられる。2種の土壌(黒ボク土·灰色低地土)について、メンブランフィルター(0.4、0.2、0.1μm)と限外ろ過フィルター(1000k、100k、10kDa)を使用して水抽出液を採取し、抽出液中の各種元素濃度の違いを検討した。Al、Fe、Pb、Th等の元素は水抽出液中の濃度がフィルターの孔径に強く依存していた。
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石川 奈緒, 藤井 克己
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発行日: 2002年
公開日: 2003/07/07
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土壌構造の検討において一般的な電子顕微鏡観察の際用いられている凍結乾燥法では, 土壌の構造が凍結乾燥前と変化してしまう恐れがある。本研究では, カオリナイト懸濁液に対し, 数種類の固相率において, フリーザーと液体窒素の2種類の凍結法を用い, 固相率と凍結乾燥法の違いによる内部構造の変化を走査型電子顕微鏡により観察, 検討した。
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黒田 真人, 佐藤 努, 横山 信吾
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発行日: 2002年
公開日: 2003/07/07
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スメクタイトのアルカリ溶液による溶解速度を求めるため、強アルカリ溶液から弱アルカリ溶液までの一連のpHにおいて、攪拌フロースルー実験を行い、スメクタイトの溶解速度におけるpHの影響を明らかにした。
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鈴木 正哉, 前田 雅喜, 鈴木 慎
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発行日: 2002年
公開日: 2003/07/07
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イモゴライトと同じ構造を有しているが、チューブの長さが短いためX線的にピークの現れない非晶質イモゴライトが存在する。今回非晶質イモゴライトの合成を行うとともに、それらの水蒸気吸着特性を始めとした諸特性について発表を行う。
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犬飼 恵一, 渡村 信治, 山岸 皓彦
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発行日: 2002年
公開日: 2003/07/07
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疎水性粘土のみによるLB膜化の研究をこれまでにも発表してきたが、今回は通常LB膜として用いられている、アラキジン酸やステアリン酸といった有機高分子を混合した系でLB膜化を試みた。その結果、粘土粒子間の重なりを緩和し、粘土粒子が均一に分散した膜を作成することが可能となった。
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名倉 利樹
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発行日: 2002年
公開日: 2003/07/07
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粘土鉱物が神経細胞や赤血球を破壊し(Craig D. W. 1982)、魚のエラ組織の機能を損傷させる事例(Mallatt J. 1985)が報告されている。本研究ではkaolinおよびsmectiteが水中微生物に与える影響を調べるため、鉄細菌を含んだ大桑層湧水にkaolin、smectiteを加えた水溶液および未添加水溶液の観察を行った。未添加水溶液からは添加水溶液よりも微生物に富んだ沈殿物が形成された。この沈殿物はFe、Caに富んでいた。
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中島 善人
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発行日: 2002年
公開日: 2003/07/07
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パルス磁場勾配を併用したNMR分光法(PFG NMR法)による粘土ゲル中の水の自己拡散係数計測実験を行った。StejskalとTannerによって1965年に開発されたこの方法は、計測対象とする原子核のランダムウォークによる空間移動を、核スピンの歳差運動の位相として記憶させ、パルス磁場強度の増大にともなうスピン·エコー強度の低下量を計測することによって原子核の自己拡散係数を求めることができる。この手法をヘクトライトゲル中の水分子の自己拡散係数の計測に応用した。比較的薄いゲル(粘土濃度が11wt%以下)中の水の自己拡散係数の粘土濃度依存性を、ランダムに散らばった障害物(拡散係数ゼロの結合水の層で挟まれたclay platelet)をよけながら非結合水(自己拡散係数がバルクの水と同じ)がゲルの空隙中をランダムウォークで移動するモデルで説明することができた。
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長瀬 多加子, 蛯名 武雄, 小野寺 嘉郎
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発行日: 2002年
公開日: 2003/07/07
会議録・要旨集
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廃棄物処分場の有害物質漏洩防止材料としてベントナイトの評価を行う際、その止水性が重要となるが、主成分であるスメクタイトの層間イオン種が変化するとベントナイト供試体の透水係数値がオーダーで増加する。このイオン交換の前後において、ベントナイト供試体内部のスメクタイト粒子の分布がどのように変化するかを電子顕微鏡下において観察し、供試体の膨張挙動と止水性との関係に付いて考察を行ったので報告する。
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香西 直文, 大貫 敏彦, Sridhar Komarneni
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94
発行日: 2002年
公開日: 2003/07/07
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ハイドロタルサイトなどと類似の層状陰イオン交換体であるNi-Zn層状複水酸化物が、人間を含む動植物に有害なSe(オキシアニオン)を選択的に吸着することを見いだした。特に、Ni-Zn層状複水酸化物によるSe(IV)の吸着は不可逆的であり、吸着させた試料をClなどの陰イオンを1N含む溶液に入れても、Se(IV)はほとんど脱離しない。Ni-Zn層状複水酸化物を用いた排水等からのSe除去などの利用法が考えられる。
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渡辺 雄二郎, 山田 裕久, 笠間 丈史, 田中 順三, 小松 優, 守吉 佑介
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95
発行日: 2002年
公開日: 2003/07/07
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河川等の富栄養化の主因であるリンの吸着のため陰イオン吸着能を持つベーマイトに着目した。本実験では50℃、100℃、150℃で合成した結晶性の異なるベーマイトを用いた。これらのベーマイトは粉末X線回折法によって特徴づけた。リン吸着は50℃で合成したベーマイトが最も大きく、最大吸着量は1.74mM/gであった。この結果からリンの吸着はベーマイトの結晶性に大きく依存することがわかった。
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高橋 芙由子, 松枝 直人, 逸見 彰男
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96
発行日: 2002年
公開日: 2003/07/07
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石炭灰はケイ素、アルミニウム及び酸素を主要構成元素とし、他にいくらかの微量成分として酸化鉄やアルカリ金属などを含んでいる。石炭灰をアルカリ処理する前に有機酸(酢酸、シュウ酸、クエン酸)で酸処理することによって、より高品質な人工ゼオライトが出来る可能性がある。また合成した人工ゼオライトの分析結果をもとに、酸処理によってAlやSi、Feにどのような影響を及ぼすか調べた。
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礒部 昭宏, 松枝 直人, 逸見 彰男
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97
発行日: 2002年
公開日: 2003/07/07
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近年窒素肥料の施肥や家畜糞尿の排出などにより、水環境の硝酸態窒素濃度が上昇している。この窒素成分は、環境や人畜に被害をもたらす原因となるため、即急な軽減が必要である。硝酸態窒素は硝化による寄与が大きいため、硝化の前段階でのアンモニウムイオンの除去が、硝酸態窒素の軽減につながる。そこで、指定副産物の石炭灰を原料とする人工ゼオライトを利用しアンモニウムイオンの吸着除去を試み、このときのpH及び共存イオンの影響について検討した。
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柳 賢次, 松枝 直人, 逸見 彰男
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98
発行日: 2002年
公開日: 2003/07/07
会議録・要旨集
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廃棄石炭灰から得た人工ゼオライトの有効利用において、効果的な機能を発揮するには、担持した交換性陽イオンの化学的な形態の果たす役割が大きい。しかし、陽イオン、とくにヒドロキシ金属イオンの場合、オール化の程度によって重合度が異なるため、交換性陽イオンの化学形態は複雑であり、不明な点も少なくない。ここでは、鉄及びアルミニウムイオンを担持した人工ゼオライトについて、それらイオンの化学形態の解明を試みる。
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橋本 正, 渡辺 雄二郎, 湊 淳一, 山田 裕久, 田中 順三, 守吉 佑介
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99
発行日: 2002年
公開日: 2003/07/07
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クリノプチロライトとモルデナイトをそれぞれ主成分とした2種類の島根産天然ゼオライトにNaOH溶液を加えて水熱条件下で処理をおこなった。得られた試料は粉末X線回折法、SEMを使用し評価した。その結果、ゼオライトの相変化のNaOH溶液濃度、反応温度、反応時間依存性が明らかとなった。
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新井 祐二, 阿部 敏之, 石田 良二, 前川 以知郎, 逸見 彰男
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発行日: 2002年
公開日: 2003/07/07
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石炭灰をゼオライト化する反応については多くの研究報告があるが、実用化を目指した報告は少ないのが現状である。今回、実用化検証を目的に、実証機(オートクレーブ反応槽を使用した装置)での石炭灰のゼオライト化およびフィルタープレスを使用した洗浄·イオン交換に関する試験を実施した。実証設備での製造条件や炭種の違いとゼオライト化の関連等について報告する。
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