現代社会学研究
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7 巻
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  • 伝統的アプローチと制度論的アプローチ
    竹内 洋
    1994 年 7 巻 p. 1-32
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2010/07/27
    ジャーナル フリー
    近代社会は雇用や地位達成において学歴が大きな規定力を持つ学歴社会である。では、なぜ学歴が地位達成におおきな比重を占めるのか。この問については技術機能主義や人的資本論、スクリーニング理論、訓練費用理論、葛藤理論など様々な説明がなされてきた。しかし、本論はこれらの伝統的アプローチに大きな欠陥があり、むしろジョン・マイヤー(John Meyer)をパイオニアとし、代表者とする制度論派の「教育論」(制度としての教育論)と「組織論」(制度的同型化論)を学歴主義の説明理論として読み直すことが重要という指摘をおこなっている。そこでまず複数の伝統的アプローチを整理するためにふたつの前提(メタ理論)から考察している。ひとつは学校効果についての前提(学歴の供給の理論)であり、それを社会化と配分に分類している。もうひとつは、雇用についての前提(学歴の需要の理論)であり、それを効率と統制に分類している。このふたつの前提を組み合わせることによって複数の伝統的な説明理論を整理するとともに、その欠陥が明らかにされる。そのあとに、学校効果と雇用の理論について異なった前提をおく制度論的アプローチの新しさと有効性を示している。最後にこうした制度論的アプローチを導きの糸としながら、日本社会における学歴主義の誕生と展開についての経験的研究の方向と可能性について若干の提言をおこなっている。
  • マレーシアのFELDAとアメリカのRTP
    関 清秀
    1994 年 7 巻 p. 33-74
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    日本の社会学は、草創期以来、地域集団としての村落と都市とを峻別して、久しきに及んだ。当初は家族研究との関連から、また、戦後は封建遺制あるいは農村近代化の観点から、農村社会学が主流を形成した。都市社会学はアメリカ社会学がひろく輸入されるにつれて、一九五〇年代以降、短期間内に隆盛をみるようになった。
    筆者は、一九四一年、内閣企画官庁において、わが国最初の国土計画の立案に携わったとき、社会設計の立場から、計画単位としての「地域社会」という新たな集団概念の設定を考えるにいたった。最初の成果(一九六三b)を発表し、「地域社会」という集落概念を創唱して以降現在もなお、一貫して、主として北海道という島社会(island society)をフィールドに、地域社会とそこに顕現される人口、家族、福祉等の諸現象に関する実証研究を蓄積してきた(後掲・「文献」参照)。
    この小論は、東西にわたる外国の地域社会開発計画の現地調査にもとづいて、「地域社会」の生きた現実を明らかにし、その社会学的及び環境科学的研究の意義を述べたものである。
  • 原 俊彦
    1994 年 7 巻 p. 75-99
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    大正九年の調査開始以来、一貫して増加を続けてきた北海道の総人口は、平成二年の国勢調査では五六四万四千人となり、初めて〇・七%のマイナスを記録することとなった。また、厚生省人口問題研究所の「都道府県別将来人口推計」によれば、今後もこの人口減少は続き、二十年後には五三〇万六千人程度となると予想されている。しかし、この人口減少は、道内の市町村において一様に進行するわけではなく、従来から観察ざれる人口集中傾向を反映する形で、地域間の格差をさらに増大させてゆくと思われる。
    本研究のねらいは、北海道の人口減少が、各市町村で今後どのように進行してゆくか、また、その結果として地域の人口構造や分布をどのように変化させてゆくかをコンピュータ・シミュレーションにより明かにしてゆくことにある。
    このため、本論文では、その第一歩として、北海道の人口動向を踏まえ、統一的な手法に基づく、市町村を単位とする人口推計の必要性について論じるとともに、地域人口推計システムのデザインを行い、その機能と制約条件を示した。また、このシステムのプロトタイプを作成し、ケーススタディとして十勝圏の地域人口を取り上げ、同地域の今後の過疎化と高齢化について予備的な分析を行い、全国推計や都道府県推計では捉えられない地域人口の動向や、その広域的かつ長期的な分析の重要性を提示した。
  • 権威主義および無力感との関連
    岩間 暁子
    1994 年 7 巻 p. 100-122
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    本稿は、人がどのように社会現象の中に不公平を見出していくのか、という認知メカニズムの解明を目的とする。ここでは学歴と職業についての不公平認知を取り上げ、両者が共に社会階層とパーソナリティ要因の双方によって規定されることを明らかにする。パーソナリティ要因として特に権威主義と無力感に注目し、これらと不公平認知との関係を明らかにする。
    女性データを用いて構造方程式による分析を行った結果、以下の三つの知見が得られた。
    (1)社会階層が低いことは、学歴や職業に関する不公平認知を形成する
    (2)権威主義的であることは社会にある不公平を認知しにくくさせる
    (3)無力感を持つことは権威主義的性格を形成する
  • 大嶋 謙一
    1994 年 7 巻 p. 123-145
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2010/07/27
    ジャーナル フリー
    本研究は近世北海道における経済社会を展望するなかで、女性がその社会に取り込まれていく状況を、遊女と称された女性に焦点をあてて考察することを目的とする。考察の対象とした年代は享保年間から安政年間の終わりまである。この時期に北海道は蝦夷地といわれる辺境から日本先進地域の経済活動の注目を集める土地へと変身する。それは先進地域における産業活動の変動と相関している。近世北海道は漁獲を唯一の生産物とする他地方とは甚だ異なった地域であった。この辺境地が日本先進地域の農業生産制の変動につれて動揺する。蝦夷地物産の流通経路の開発を行なったのは商人団である。その商人団が日本の需要動向をたくみにとらえていた。不足商品は肥料である。関東以北における鰯漁獲量が逓減するなかで鯡がその代替商品となる。北海道には鯡が群来した。関東の干鰯に対抗するために鯡漁に従事する安価な労働力が要求された。その要求に従わざるを得なかったのが生活苦を抱えた出稼人とアイヌである。
    近世北海道は人口増加が顕著である。それは鯡漁にむらがった男と女の戯れであった。アイヌ民族を社会化しなかったが、和人男性はこの戯れのなかで私娼を機能的・組織的に管理できる公娼へと組織化していった。
  • 布施 鉄治
    1994 年 7 巻 p. 146-156
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
  • 櫻井 義秀
    1994 年 7 巻 p. 157-159
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
  • 三重野 卓
    1994 年 7 巻 p. 159-161
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
  • 杉岡 直人
    1994 年 7 巻 p. 161-163
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
  • 中村 則弘
    1994 年 7 巻 p. 163-165
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
  • 酒井 恵真
    1994 年 7 巻 p. 165-169
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2009/11/16
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