2006年より伊豆沼でオオクチバス産卵床の調査を, サイドスキャンソナーを用いて実施してきた. その結果, 産卵床は底質が砂でリップルが形成されていない(波浪の影響が少ない)範囲に集中していると推察することができた. また, 2007年の調査ではリップルは, 風速5m/s 程度以上で起こる波浪が誘因となり, 細粒土(シルト, 粘土)のような緩い底質材料が移動することにより形成されると考えられた. 2008年ではこれらの知見を踏まえて, サイドスキャンソナー調査結果から伊豆沼湖岸全周におけるオオクチバス産卵適地の抽出を行ない, 抽出した産卵適地でオオクチバスの産卵の有無を確認し, 抽出した範囲の妥当性を検証した. そして, 抽出した産卵適地環境(砂が広範囲に分布しているエリア, かつ, 水際にヨシなどの植生・障害物が分布しているエリア)は, 既往文献の知見と整合するものであった.
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