日本鳥類標識協会誌
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29 巻, 2 号
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一般論文
  • 川路 則友
    2017 年 29 巻 2 号 p. 73-84
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/07/25
    ジャーナル フリー
    北海道札幌市羊ヶ丘にある森林総合研究所北海道支所実験林(以下,羊ヶ丘)において,典型的な夏鳥であるヤブサメUrosphena squameiceps,アオジEmberiza spodocephalaおよびセンダイムシクイPhylloscopus coronatusの巣内ヒナに標識調査用金属リングを付け,秋期標識調査期間中に再捕獲した日までの期間により,巣立ち後の幼鳥の出生地付近における滞留期間を類推した.ヤブサメは11例の再捕獲があり,すべて出生巣から南方向に位置する網によるもので,平均して巣立ち後56日,もっとも長いもので76日の再捕獲例があったことから,巣立ち後の2ヶ月前後は出生地付近に留まることが類推された.アオジは3例の再捕獲のうち,長いもので出生巣から南東方向で88日後,北北西方向で90日後の再捕獲があったことから,約3ヶ月間は出生地付近に滞在することが類推された.またアオジの秋の渡り最盛期には,羊ヶ丘と北海道内他地域の調査地との間で,一部の幼鳥が放鳥後に北もしくは東方向で短期間に再捕獲された例が確認された.センダイムシクイはわずか1例の再捕獲であったが,西南西方向にある網で32日後に再捕獲された.
  • 高橋 雅雄, 蛯名 純一, 宮 彰男, 磯貝 和秀, 古山 隆, 高田 哲良, 堀越 雅晴, 大江 千尋, 叶内 拓哉
    2017 年 29 巻 2 号 p. 85-94
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/07/25
    ジャーナル オープンアクセス
    2014-2017年の3冬季に,千葉県内の平野部および利根川下流域の計37ヶ所の湿性草原でオオセッカの越冬調査を実施し,計27ヶ所で計338個体を確認した.越冬確認地は千葉県内の平野部に広く散在し,その分布に地域的な偏りは見られなかった.越冬確認地および越冬個体数は耕作放棄地が最も多く,次いで河川敷や湖沼の岸だった.オオセッカは多様なタイプの草原環境で確認され,従来考えられていた以上に多様な植生環境を利用する可能性が示唆された.
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