小学校英語教育学会誌
Online ISSN : 2424-1768
Print ISSN : 1348-9275
ISSN-L : 2188-5966
17 巻, 01 号
実践報告
選択された号の論文の2件中1~2を表示しています
実践報告
  • 池田 真生子, 今井 裕之, 竹内 理
    2017 年 17 巻 01 号 p. 5-19
    発行日: 2017/03/20
    公開日: 2018/08/02
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は,外国語(英語)活動の効果的指導につながる,持続可能な校内研修システムの構築を行い,その成果検証を通して,より良い研修モデルの1 形態を提案することにある。研修システムの構築では,先行研究を参考にしながら,1)持続性を持たせること,2)教員自ら問題意識を持ちその解決を図ること,3)次の世代の育成も同時に可能とすること,4)効果の検証の仕組みを取り入れ,常にシステムの改善が図れること,の4点を原則とした。参加校は,同一市内にある平均的な小学校3校で,研修の支援には当該市内にある大学の大学院生7名(支援員)が参加した。校内研修の内容は,参加校教員間での討議の結果,A)教室英語の効果的活用とB)活動案の作成方法に設定し,計6回程度(5ヶ月間,毎回約50 分)実施された。データは,参加教員(集団討論記録とアケート)と管理職教員(個別インタビュー記録とアンケート),そして大学院生の支援員(ログ記録とインタビュー,アンケート)より収集された。分析は,インタビュー,ログ記録については質的におこない,アンケートは記述統計で処理した。その結果,今回提案した校内研修システムが,外国語(英語)活動実施に関わる不安の軽減に対して,一定の成果を上げたことが確認された。また,このような形態の研修が,満足度の指標で7割近い教員から支持されており,その理由としては,彼らが抱いている不安の原因をピンポイントに解決していく可能性があるからだ,ということも分かった。一方で,管理職教員の研修への関わり方や,(システムの)持続性をどう実現していくのかなどに,解決すべき課題があることも明らかになった

  • ―文字認知を高めるデジタル教材の開発と実践―
    畑江 美佳, 段本 みのり
    2017 年 17 巻 01 号 p. 20-35
    発行日: 2017/03/20
    公開日: 2018/08/02
    ジャーナル フリー

    次期学習指導要領改訂の審議の中で,アルファベットの読み書きを5, 6 年生の学習内容に含むことが検討されている(文部科学省,2016)。読み書きが導入された場合,「読むこと」では歌やカルタ取りを,「書くこと」ではペンマンシップのようなオーソドックスな手法がイメージされやすい。ペンマンシップの活用により「正確に書く」ことを重視する懸念もある。しかし,「正確さ」を目的とすると,記号を暗記するような単純作業になり,個人差も生じやすく,児童の英語への意欲を損なわせることにもなり兼ねない。本研究では,アルファベットの大文字が700 年以上かけて小文字に変化した過程を見せるICT 教材を開発した。そして,大学の附属及び公立の小学5, 6 年生の授業で,各アルファベットがどのように変化してきたかをグループ活動で扱ったところ, アルファベットの小文字の書き取りで,事前・事後調査の間に有意な差が認められた。さらに,小文字の成立ちに興味を持ち,皆で楽しみながら文字の学習をしたことが明らかになった。

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