次期学習指導要領改訂の審議の中で,アルファベットの読み書きを5, 6 年生の学習内容に含むことが検討されている(文部科学省,2016)。読み書きが導入された場合,「読むこと」では歌やカルタ取りを,「書くこと」ではペンマンシップのようなオーソドックスな手法がイメージされやすい。ペンマンシップの活用により「正確に書く」ことを重視する懸念もある。しかし,「正確さ」を目的とすると,記号を暗記するような単純作業になり,個人差も生じやすく,児童の英語への意欲を損なわせることにもなり兼ねない。本研究では,アルファベットの大文字が700 年以上かけて小文字に変化した過程を見せるICT 教材を開発した。そして,大学の附属及び公立の小学5, 6 年生の授業で,各アルファベットがどのように変化してきたかをグループ活動で扱ったところ, アルファベットの小文字の書き取りで,事前・事後調査の間に有意な差が認められた。さらに,小文字の成立ちに興味を持ち,皆で楽しみながら文字の学習をしたことが明らかになった。
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