日本プロテオーム学会大会要旨集
日本ヒトプロテオーム機構第5回大会
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ポスター発表
  • 今井 直, 長野 一也, 杉田 敏樹, 吉田 康伸, 向 洋平, 吉川 友章, 鎌田 春彦, 角田 慎一, 中川 晋作, 堤 康央
    セッションID: P2-44
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/08/29
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    現状のプロテオーム解析では、疾患組織あるいは対照となる健常組織由来の蛋白質サンプルを二次元ディファレンシャル電気泳動(2D-DIGE)法で分離した後に、質量分析計を用いて個々の発現変動蛋白質を同定することにとどまっている。そのため、同定された膨大な数の変動蛋白質の中から、発現や変動を詳細に機能解析することで、病態の発症や悪化に中心的な役割を果たしている創薬ターゲット・蛋白質を効率よく絞り込むこが次のステップとして期待されている。その点において、ELISAなどの抗原-抗体反応を利用した解析手法は、特定蛋白質を特異的かつ高感度に検出できることから、プロテオミクス研究においても蛋白質の機能解析を進める上で極めて有用である。しかし、従来のように数十g以上の蛋白質を動物個体に免疫する必要があるハイブリドーマ法では、上述の2D-DIGEによって得られる極微量(数十ng程度)かつ多種類の蛋白質サンプルに対する抗体作製に対応することは不可能である上、この方法ではプロテオミクスの最大の利点である網羅性を著しく損なってしまう。そこで我々は、これらの課題を克服するために、ファージ抗体ライブラリと2D-DIGE法を組み合わせた新しいモノクローナル抗体(Mab)作製技術の確立を試みた。 一般に、ファージ抗体ライブラリからのMabのセレクションは、プラスチックプレートなどに固定化した数g~数百g程度の標的抗原に対してファージ抗体ライブラリを反応させ、抗原に結合するファージのみを選択・増幅する、という方法(パンニング法)を用いる。既に我々は、ニトロセルロースメンブランを固相化担体として利用することで蛋白量がわずか0.5 ng程度であっても効率よくMabを選別できるパンニング法の開発に成功している。今回は、ヒト乳癌・乳腺細胞株の2D-DIGE解析により得られた発現変動スポットから蛋白質を抽出し、この蛋白質をダイレクトに抗原として用い、メンブランパンニングを行った。その結果、メンブランパンニング法を適用することで、今回得られた全てのスポットに対してMAbを単離することが出来た。以上、2D-DIGEによる変動蛋白質の同定と抗体作製を一挙に達成できる本手法は、プロテオミクスによる創薬ターゲットや疾患の早期診断・治療マーカーの同定に大きく貢献するものと期待される。
  • 鍋師 裕美, 鎌田 春彦, 阿部 康弘, 野村 鉄也, 萱室 裕之, 蓑輪 恭子, 吉岡 靖雄, 角田 慎一, 堤 康央
    セッションID: P2-45
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/08/29
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    【目的】プロテオミクス研究の進展によって、タンパク質の翻訳後修飾と疾患の発症や悪化との連関が明らかになりつつあり、一方で薬効発現メカニズムの解明に翻訳後修飾の解析が有効な手段であることが強く示唆されるようになってきた。そこで本研究では、近年、白血病の新規治療薬として注目されている三酸化ヒ素の治療効果発現に関与する蛋白質の同定を最終目的に、酸化的修飾に着目した細胞内タンパク質のファーマコプロテオーム解析を行った。 【方法】各種白血病細胞株について、三酸化ヒ素存在下、48時間培養後の細胞生存率をWST-8 assayによって評価するとともに、細胞の形態変化を確認した。また三酸化ヒ素刺激による細胞内蛋白質の酸化的修飾を検討するために、1μMの三酸化ヒ素存在下で48時間培養後の細胞をサンプルとして、2次元電気泳動による発現量の変動解析(2D-DIGE)を行った。さらに、2次元電気泳動とWestern blotを組み合わせた2D-Western blotによって、一般的にタンパク質の酸化的修飾の指標として用いられているカルボニル化タンパク質の検出を行った後に、カルボニル化の増加した蛋白質をMALDI-TOF/TOF型の質量分析計にて同定した。 【結果・考察】白血病細胞株の生存率は三酸化ヒ素の濃度依存的に低下し、また細胞株によってその感受性に大きな差があることが明らかになった。また、三酸化ヒ素刺激により、細胞同士の凝集体が減少し、細胞が分散するという形態的変化が確認された。三酸化ヒ素高感受性細胞株として、T細胞白血病株のひとつであるC5/MJ細胞を用い、2次元電気泳動解析した結果、三酸化ヒ素刺激群と無刺激群で蛋白質の存在比、およびカルボニル化蛋白質の発現量に変動が生じているスポットが多数検出された。三酸化ヒ素刺激によってカルボニル化が増加した蛋白質の同定を行ったところ、複数のヒートショック蛋白質であった。以上の変化は、三酸化ヒ素の薬効発現にヒートショック蛋白質が関与している可能性を示唆するものであり、現在、カルボニル化された蛋白質の機能や発現挙動解析を通じて、薬効発現メカニズムを詳細に検討している。
  • 阿部 康弘, 野村 鉄也, 鍋師 裕美, 萱室 裕之, 蓑輪 恭子, 鎌田 春彦, 中川 晋作, 吉岡 靖雄, 角田 慎一, 堤 康央
    セッションID: P2-46
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/08/29
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    プロテオミクス研究の進展に伴い、疾患の発症や悪化、治癒に関わる蛋白質が次々と同定されたことも相俟って、蛋白質そのものを有効な医薬品として開発しようとするプロテオーム創薬に注目が集まっている。この点、我々はプロテオーム創薬の推進を目指し、構造-活性相関及びそれら生物学的情報をもとにした医薬品の分子設計に資するバイオインフォマティクスのシステムアップを図ることを最終目標に、特定レセプターに対するアゴニストやアンタゴニストといった機能性人工蛋白質を迅速にスクリーニング可能な技術の開発を行っている。本研究ではモデル疾患関連蛋白質として、生体防御機構に深く関わるサイトカインとして知られている腫瘍壊死因子(TNF-α)を用い、2種類存在するTNFレセプター(TNFR1及びTNFR2)のそれぞれに選択的に作用するアゴニスト・アンタゴニストの作製を目指している。 今回は、JHUPO第4回大会にて発表したTNFR1指向性アゴニスト作製に引き続き、未だ機能が明らかとなっていないTNFR2に、指向性を有するアゴニストの作製を試みた。レセプターとの結合領域に位置する計6個のアミノ酸を網羅的に全20種類のアミノ酸へ置換した構造変異TNF発現ファージライブラリを作製し、このライブラリからTNFR2に結合するものを選択、回収、増幅する操作(パンニング)を繰り返すことで、TNFR2に対して特異的に結合するファージクローンを濃縮した。さらにパンニング後に回収した候補クローンについて、各レセプターを介した生物活性及びレセプター選択的結合能を評価した。その結果、スクリーニングにより得られたクローンは、TNFR2に選択的に結合し生物活性を示すTNFR2指向性アゴニストであることが判明した。現在、上述の機能性人工TNF-αを含む様々な蛋白質の構造変異体の機能評価と共に、そのX線構造解析を進めており、バイオインフォマティクスのシステムアップに貢献できるものと期待している。
  • 鎌田 春彦, 吉岡 靖雄, 柴田 寛子, 阿部 康弘, 野村 鉄也, 蓑輪 恭子, 鍋師 裕美, 中川 晋作, 角田 慎一, 堤 康央
    セッションID: P2-47
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/08/29
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    我々はこれまで、ファージ表面提示法を用いることで、機能性蛋白質の構造変異体を網羅的に発現したライブラリを構築し、その中から活性等に優れた機能性人工蛋白質の構築を行い、プロテオーム創薬に関わる基盤技術の開発を進めてきた。JHUPO第4回大会では、腫瘍壊死因子-α(TNF)の構造変異体を作製し、野生型TNFよりも生物活性に優れたmutTNF-α-K90Rを見出した。そこで本発表では、構造-活性相関追求のため、この変異体に含まれるアミノ酸の中で90番目のアミノ酸に着目し、その生物活性等を検討した。 【方法】昨年に報告したmutTNF-α-K90R中の90番目のアミノ酸を20種類のアミノ酸に置換するため、90番目のアミノ酸に相当する箇所を変異プライマーを用いたPCRにて改変した。改変したmutTNF-α-K90R に関して、大腸菌の培養上清を用いたスクリーニングから生物活性を持つクローンをスクリーニングした。活性の認められたクローンの精製タンパク質を作製し、TNFの2種類の受容体TNFR1およびTNFR2に対する結合性をBIACoreにて評価した。さらに、生物活性に関しては、TNFR1依存的な細胞死を誘導するL-M細胞およびHEp-2細胞を用いて検討した。さらにTNFR2依存的にGM-CSFの産生を誘導するPC60細胞を用いてTNFR2からの活性を評価した。 【結果・考察】大腸菌の培養上清を用いた検討から、変異mutTNF-α-K90Rのうち活性を示したクローンは、90番目のアミノ酸がリジンあるいはプロリンに変換されたものであった。その他のアミノ酸に置換された変異mutTNF-α-K90Rでは、活性が認められなかった。これらの3種の変異体の受容体への結合性をBIAcoreにて解析した結果、リジンに置換されたクローンでは、野生型と比較して、結合力が向上していた。また、生物活性においても、野生型と比較し、活性は3~8倍程度に上昇していた。一方、プロリンに置換されたものは、結合活性および生物活性は確認されたものの、その程度は野生型と比較し、ほぼ同等であった。以上の結果から、TNF中の90番目のリジンは活性に重要であり、TNF分子の安定化に関与している可能性が示唆された。
  • 津留 美智代, 永田 見生, 佐田 通夫, 松岡 啓, 山名 秀明, 田中 眞紀, 前田 忠計, 小寺 義男, 大石 正道, 山口 岳彦, ...
    セッションID: P2-48
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/08/29
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    現代、がんで死亡する患者の25〜50%に骨転移が見られ、人生の最期を骨転移による激痛で苦しむ人は7〜15万人に達すると考えられる。骨転移の早期診断方法はなく、確定画像診断として骨シンチ、その補助検査として、骨代謝マーカーを見ているのみである。癌患者にとって、骨転移から発生する痛みは最大の苦痛である。骨転移の早期情報が骨転移の分子標的タンパク質として、患者血清中から検査できれば、画像診断以前に骨転移の予防が可能となる。我々は、2004年、肝臓がん47例の血清のプロテオーム解析を行い、骨転移において、経時的に変動する特異的なタンパク質を発見した。現在、久留米大学病院において、原発巣別、骨転移バイオマーカーの前向き臨床試験をおこなっている。我々の発見した骨転移特異的タンパク質は、画像診断よりも早く骨転移を予測できる。 近い将来、がんと診断されても骨転移が予防され、治療の道が開かれれば、QOLの高い生活を営むことができる。我々が発見した骨転移特異的タンパク質は、骨転移の予防薬としての開発の期待が持てる。 今回、この臨床試験の経過報告と臨床データとの意義を発表する。
企業テクニカルセミナー
  • 人見 敏行, カールソン ロバート
    セッションID: TS-1
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/08/29
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    1993年に初代Biacoreシステムの国内1号機を販売して以来、日本で既に750台を超えるシステムが使われており、いまや生体分子相互作用解析の標準的な手法となっています。ビアコア社では、これまでにビアコアが培ってきた相互作用解析実験のノウハウをソフトウェアに組み込んで、使い易さを追求した相互作用解析のスタンダードシステム、Biacore X100を発表します。 新設計のBiacore X100には高い測定感度とシステムとしての柔軟性が作りこまれており、さまざまなアッセイフォーマットを駆使して、カイネティクス、アフィニティー、特異性、濃度など研究に必要な多くの情報をもたらします。 ソフトウェアの特色はマニュアルなしでも簡単に使えるユーザーフレンドリーさです。Wizard方式のソフトウェアがアッセイのセットアップをガイドしますので、誰でもすぐに実験を始めることができます。ソフトウェアに内蔵されたサポート機能が、センサーチップの準備から実験の構築、データ解析、評価まで実験の全ステップを通じてガイドします。測定のヒントやトラブルシューティングなどのサポート情報も満載です。ウェブ経由でさらにきめ細やかなサポート情報を得ることができます。 また、GST融合タンパク質、ビオチン化分子、マウスとヒトの抗体をキャプチャーするキットも新製品として用意しました。Biacore X100のソフトウェアはこれらのキャプチャーキットに対応したアッセイサポート機能を付加しており、最小限の条件検討ですぐに測定できます。 さらに、新しい解析アプローチとして、シングルサイクルカイネティクス解析法という新規カイネティクス解析法を採用しました。シングルサイクルカイネティクス解析法では、リガンドに結合したアナライトを除去する必要がなく、1回の測定サイクル中に5濃度のアナライトを順次添加するだけで、解析に必要な情報を得ることができます。再生条件の最適化が必要なくなるため、実験系の構築に要する時間を大幅に短縮することが可能になりました。従来のカイネティクス解析法(マルチサイクルカイネティクス解析法)を概説した後、シングルサイクルカイネティクス解析法の特徴と応用例をご紹介します。 このBiacore X100の登場により、Biacoreの測定に慣れていない研究者でも、容易に分子間相互作用の情報を得ることが可能になりました。テクニカルセミナーでは、新製品 Biacore X100をご紹介します。
  • 中野 智世
    セッションID: TS-2
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/08/29
    会議録・要旨集 フリー
    タンパク質のリン酸化は、細胞内情報伝達などにおいて極めて重要な翻訳後修飾のひとつである。そのため、リン酸化タンパク質の同定、リン酸化部位の特定は重要な研究である。しかし、現行のプロテオーム解析において、複雑なタンパク質混合試料中のリン酸化タンパク質を網羅的に解析することは極めて困難であり、初期の段階でリン酸化タンパク質、あるいはリン酸化ペプチドを網羅的に単離・濃縮する必要がある。本セミナーでは効率的な濃縮法およびその自動化の可能性、リン酸化ペプチドの同定法とそのための検索エンジンの利用法について紹介する。
  • 板東 泰彦
    セッションID: TS-2
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/08/29
    会議録・要旨集 フリー
    昨年本学会で発表したホルマリン固定組織からのタンパク質可溶化技術に合わせて、特殊コートされたスライドガラス上に固定されたがん組織から精密に疾患部(がん部)や間質部を最新のレーザーマイクロダイセクションによる分取およびZaplous LC/MS システムによる解析を行うことにより疾患部特有のタンパク質の同定の可能性が高まった。実サンプルを利用した各種がん組織からのバイオマーカー探索技術および免疫染色による病理診断との整合性をいくつかのがん組織を使った実験により紹介します。
  • 未定 未定
    セッションID: TS-3
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/08/29
    会議録・要旨集 フリー
    1.混ぜるだけのELISA; AlphaLISA バイオマーカーの定量および相互作用解析へ これまでに様々なバイオマーカーの検出法が開発されてきましたが、依然ELISAがゴールドスタンダードとなっています。ELISAは高い特異性と感度が得られ、多様なアナライトに適応可能ですが、繰り返し洗浄操作が必要なこと、狭いダイナミックレンジおよび低親和性抗体が使えない等々の制限があることも事実です。これらの問題点を克服すべく、パーキンエルマーは AlphaLISAを開発しました。 AlphaLISAはビーズを用いたAlphaScreen技術を応用したホモジニアス(mix and measure)アッセイ系で、単純な操作でELISA と同等以上のパフォーマンスが得られます。AlphaLISAは単にアッセイ操作を単純化し、時間を短縮するのみならず、アッセイのミニチュア化が容易であるため、貴重なサンプルの使用量をも減らすことが可能です。またAlphaScreenは、分子間相互作用検出にも優れた技術です。本セミナーでは、AlphaLISA テクノロジーの原理紹介および多くの実施例をご紹介いたします。 2.共焦点マイクロプレートイメージャOperaと解析ソフトウェアAcapella 共焦点顕微鏡の発展に伴い、タンパク質の局在変化や相互作用など多くの生体現象を可視化し解析を行うことが可能となり、カイネティック測定や大量のサンプル解析のニーズも高まってきました。パーキンエルマーでは、これに応えるべく信頼性の高い共焦点マイクロプレートイメージャOperaと、そこから得られる膨大なデータの解析を可能にしたソフトフェアAcapellaを提供しています。Operaは、水浸対物レンズ、4つのレーザ、3台のCCDカメラを搭載し、一日に100,000イメージセット以上を取得可能です。Acapellaは、非常に柔軟性が高い画像解析ソフトウェアで、提供されるライブラリを組み合わせることで高精度の解析を行います。本セミナーでは、Operaの特長およびAcapellaについて実施例を含めてご紹介いたします。
  • メンゼル クリストフ, 紙中 庄司
    セッションID: TS-4
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/08/29
    会議録・要旨集 フリー
    高品質の質量分析データを得るためには、効率的なサンプル調製が非常に重要です。特にMALDI質量分析では、界面活性剤などのコンタミの除去および均一なマトリックス・サンプル混合結晶の作製が重要です。さらに機能プロテオミクスにおいて、濃縮などサンプル調製法の改善は検出感度を飛躍的に向上するための重要なステップです。本セミナーでは、感度向上を図るためQIAGENが採用しているナノテクノロジーを駆使したMALDIプレート上でのサンプル調製法(SPOC法)について紹介します。SPOC法の原理を説明ばかりでなく、プレート単体もしくはQproteome分画キットと組み合わせてマニュアルおよび自動化されたプロテオミクス実験操作の中で微量タンパク質を検出できた実際のデータについても示します。
    最初にサンプルスポットがプレート表面で自己収斂する処理を実現したMassSpecFocusテクノロジーについて解説します。自己収斂とともにクロマトグラフィー的な脱塩やリン酸化ペプチド精製を行なうプレートについても実例を示しながら紹介します。
    次に、もうひとつのSPOC法であるMassSpecTurboテクノロジーによりMALDIサンプル調製をハイスループットで行なえることを示します。このテクノロジーにより強疎水性プレート表面へのマトリックス蒸着が可能になるため、1枚のプレートに1,600までのスポットを均一かつ正確に作製することができます。さらに強疎水性表面を利用してスポット上でのサンプル濃縮も可能になり、LC-MALDIで問題になるマトリックスによるスポッターの目詰まりばかりでなく、検出感度の向上を図ることが可能であることを測定データを示しながら紹介します。
企業テクニカルポスター
  • 未定 未定
    セッションID: TP-1
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/08/29
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    細胞内情報伝達ネットワークの制御機構として翻訳後修飾、特にタンパク質リン酸化は広く研究されています。リン酸モノエステルイオンに対し非常に高いアフィニティーを有する機能性分子Phos-tagを利用した蛍光ゲル染色剤により、高感度なリン酸化タンパク質の検出が可能です。 また、検出したタンパク質をゲル内の後、チタニアコート磁気ビーズを使ったPhos-Trapを使いリン酸化ペプチドの濃縮を行うことにより、効率よく質量分析によりリン酸化部位の同定が可能です。
  • カールソン ロバート, ハマライネン マルク, ヤコブ アンドレイ, カールソン オロフ
    セッションID: TP-2
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/08/29
    会議録・要旨集 フリー
    近年医薬品探索において、最適なスッキャフォールドを見出すフラグメントライブラリーのスクリーニング技術に関心が高まっている。医薬品のターゲットタンパク質に対してアフィニティーの低いフラグメントの同定にはX-ray, NMR解析は有力な技術である。しかしながら、これらの手法はスループットが低く、かつ大量のタンパク質を必要とし、大規模なフラグメントライブラリーの一次スクリーニングには必ずしも適していない。 SPRバイオセンサーを用いると10μgのタンパク質で1日あたり1,400フラグメントのスクリーニングが可能である。アレイタイプのバイオセンサー(例えばBiacore A100)では4つのタンパク質に対して4種類のフラグメントの結合を同時に測定でき、結合の選択性、結合サイトの特異性を確認することができる。この手法を用いるとmM からpMレンジのアフィニティーの測定だけでなく、ターゲットタンパク質上のフラグメントの滞留時間(解離速度)までも求めることができる。実際のフラグメントライブラリーのスクリーニング例を紹介する。
  • 和田 一輝, M Nissum, R Wildgruber, G Weber, C Eckerskorn, K Hartmann
    セッションID: TP-3
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/08/29
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    フリーフロー電気泳動(Free Flow Electrophoresis;FFE)とは、ゲルやセルロース膜のような固体の支持体を用いず、電解質溶液だけで連続的にサンプルの分離・分画を行うものであり、非変性ならびに変性条件で、pHやサンプルのサイズに関わらず、分離を行うことができるという特長を有する。FFEは、等電点電気泳動(Isoelectric Focusing;IEF)、ゾーン電気泳動(Zone Electrophoresis;ZE)、等速電気泳動(Isotachophoresis;ITP)の3つのモードでの分離が可能であるが、主として用いられるIEFモードで膜タンパク質の分離を行うと、等電点沈殿を起こしやすいという問題があった。そこで、我々は、その問題を解決すべく、インターバルゾーン電気泳動(Interval Zone Electrophoresis;iZE)を開発したので、紹介する。iZEモードは、pHのグラジエントを形成することによってタンパク質をそれぞれの等電点にフォーカスするのではなく、一定のpHにおける荷電の程度により分離を行うため、目的のタンパク質のpIと異なるpHを選択することにより、等電点沈殿を起こさない、という特長を持つ。
    (方法)HeLa細胞を用いて、全タンパク質抽出物と膜画分を調製した。すなわち、細胞を界面活性剤を含むリシスバッファに懸濁し、超音波破砕した後、超遠心にかけた上清を全タンパク質抽出物とし、細胞をHBSバッファと炭酸バッファで洗浄後、ペレットをリシスバッファ(7M尿素、2Mチオ尿素、4%CHAPS、1%ASB-14、1%DTT含有)に溶解したものを膜画分とした。これらのサンプルを、BDTM FFEシステムに、iZEモードを用い、分離用バッファのpHを8.0に設定して、アプライした。分離した各画分を回収し、トリプシン消化を行い、得られたペプチドを限外濾過と逆相のスピンカラムを用いて回収し、SDS-PAGEならびにLC-MS/MSでの分析を行った。
    (結果)全タンパク質抽出物、膜画分ともに、iZEモードを用いることにより、分離用バッファに界面活性剤を加えていないにも関わらず、沈殿することなく、IEFモードに匹敵する高分離能で分画することに成功した。すなわち、LC-MS/MSによる分析により7回膜貫通型の膜タンパク質が検出されるほどの分離能を有し、分離用バッファへの界面活性剤を添加が必要ないため界面活性剤を除くステップが省けることなど、LC-MS/MSとの組み合わせで使用するのに非常に有用なモードであることが確認された。
  • Thanai Paxton
    セッションID: TP-4
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/08/29
    会議録・要旨集 フリー
    IMS-MS/MS and MS/IMS-MS analysis are useful for accurate sequencing of large basic peptides, such as histone N-terminal tails. Histon proteins constitute the core of nucleosomes that organize DNA into chromatin. Daynamic regulation of gene activity and DNA maintenance is governed by post-translational modifications(PTMs) of histones.Combinations of PTMs of individual histones regulate the transcriptinal activity of genes by modulation of protein-DNA and Protein-protein interactions. Mass spectrometry(MS) is widely used for detection and characterization of Histone PTMs. one of the unresolved issues is the determination of the cooperativity and interdependence of multiple PTMs within histone species. We are investigating whether ion-mobility mass spectrometry(IMS) and IMS-MS/MS is useful tool in histone research. our preliminary result demonstrate that MS-IMS-MS is a promising technology for characterizing and sequencing of intact histones and histone fragments containing multiple PTMs.
  • ウォング ティモシー
    セッションID: TP-5
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/08/29
    会議録・要旨集 フリー
    The initial product of an microRNA (miRNA) gene (>100 bases) undergoes many processing steps in the nucleus, is exported to the cytoplasm as a hairpin and processed by Dicer into single strands. In the presence of the RISC complex, one strand may form an imperfect match with the 3’UTR of an mRNA, which dramatically impedes transcription. Because imperfect base pairing is sufficient, a single miRNA can regulate mRNA across the genome, acting as a Master-of-Ceremony for global events such as proliferation, and motility. Indeed, deregulation of several miRNA genes has been established as a signature of certain cancers. Here we present a correlation between regulatory miRNA abundance in primary malignant breast cells and differential protein expression identified by SILAC.
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