日本口腔粘膜学会雑誌
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17 巻, 1 号
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原著
  • 鴨井 美帆, 岡本 真理子, 山近 重生, 今村 武浩, 山本 健, 門松 伸一, 斎藤 一郎, 前田 伸子, 中川 洋一
    2011 年 17 巻 1 号 p. 1-6
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/03/24
    ジャーナル フリー
    口腔カンジダ検出のために,塗抹標本をファンギフローラYによって染色し,これをポータブル蛍光顕微鏡 CyScope®によって観察した。その鏡検方法の有用性を検討するため,培養所見をゴールドスタンダードとして感度・特異度,陽性・陰性予測値を算出した。
    その結果,感度0.71,特異度1.0,陽性予測値1.0,陰性予測値0.25であった。陰性予測値が低いためファンギフローラ染色が陰性であっても培養結果を確認する必要があるが,特異度と陽性予測値が高いためファンギフローラ染色が陽性である場合はすぐに治療を開始できる。
    以上のことからファンギフローラ染色はカンジダ診断のスクリーニングに適していると考えられた。
  • 酒巻 裕之, 藤本 陽子, 武田 祥人, 小倉 直美, 宇都宮 忠彦, 福本 雅彦, 山本 浩嗣, 近藤 壽郎
    2011 年 17 巻 1 号 p. 7-16
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/03/24
    ジャーナル フリー
    われわれは,口腔粘膜表層および表層直下組織の状態を拡大観察することを目的に,接触拡大粘膜鏡視検査(CMUS)を実施している。本報告では,臨床診断において口腔扁平苔癬37例,口腔白板症39例のCMUSと病理組織像を対比検討した。
    口腔扁平苔癬37例の内34例(91.9%)の病変で,「白色線条ならびに放射状毛細血管」のCMUS所見を得,病理組織検査では口腔扁平苔癬の診断であった。口腔扁平苔癬のCMUSの感度,特異度はともに100%であった。39例の口腔白板症では,34例(87.2%)が隆起性白斑で,その内29例は上皮乳頭内毛細血管ループの形態変化を認めなかった。「毛細血管の変化を認めない隆起性白斑」とした口腔白板症のCMUSの感度,特異度はそれぞれ84.8%,83.3%であった。
    CMUSにより口腔粘膜病変の表面の状態とIPCL形態を観察することで,OLPや白板症の臨床的鑑別が可能と考えられた。
症例報告
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