日本口腔粘膜学会雑誌
Online ISSN : 1884-1473
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4 巻, 1 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 篠原 正徳, 中村 誠司
    1998 年 4 巻 1 号 p. 1-24
    発行日: 1998/06/30
    公開日: 2010/02/25
    ジャーナル フリー
  • 細胞接着と水疱形成の分子機構
    神部 芳則, 赤坂 庸子
    1998 年 4 巻 1 号 p. 25-43
    発行日: 1998/06/30
    公開日: 2010/02/25
    ジャーナル フリー
  • 油井 久美恵
    1998 年 4 巻 1 号 p. 44-53
    発行日: 1998/06/30
    公開日: 2010/02/25
    ジャーナル フリー
    白板症67症例についてG1サイクリン (サイクリンD, E) およびサイクリン依存性キナーゼ (CDK2, 4) の発現を免疫組織化学的に検討し, 上皮異形成との関連を検討した。さらに, TUNEL法によってアポトーシスと上皮異形成との関連についても検討した。その結果, G1サイクリン, CDKともに正常粘膜上皮では主として基底細胞に発現がみられたのに対し, 白板症ではより広範囲の細胞にその存在が認められた。また, それぞれの陽性率も, 中等度, 高度の上皮異形成を示す白板症で正常粘膜上皮および軽度上皮異形成を示す白板症に比べて有意に高値を示した。TUNEL法での陽性細胞は, 正常粘膜上皮でもっとも多く, 上皮異形成の程度が強くなるほど減少する傾向がみられた。
    以上の結果から,白板症で上皮異形成が強くなるとG1サイクリン, CDKともに過剰発現しており, 細胞増殖を促すことによって癌化に関与している可能性が示唆された。
  • 藤澤 健司, 林 英司, 鎌田 伸之, 長山 勝
    1998 年 4 巻 1 号 p. 54-62
    発行日: 1998/06/30
    公開日: 2010/02/25
    ジャーナル フリー
    難治性の口腔粘膜病変に対する治療法はいずれも対症療法であり, その効果は満足のいくものではない。一方, 近年多数の細胞成長因子が大量に生産されるようになり, それらのなかには創傷治癒促進作用や細胞を傷害から保護する作用をもつものがあることが知られてきた。特に, 治癒が遅延した状態でより効果が発揮されるとの報告が多い。そこでこれら細胞成長因子を難治性の口腔粘膜病変に応用することにより, 新しい治療法が開発できるのではないかと考え, 細胞成長因子の効果を判定するための治癒遅延モデルの確立を試みた。ウサギの唇側歯肉に, 酢酸か水酸化ナトリウムの化学的損傷にて均一な潰瘍を形成した。潰瘍形成前に顎下腺摘出や抗癌剤の静注の処理を施すと, 酢酸で形成した潰瘍の治癒は正常状態に比較して遅延した。したがって, これらの潰瘍は難治性口腔粘膜病変モデルとして, 有用であることが明らかとなった。
  • 三田村 治郎, 西村 学子, 斎藤 正人, 安彦 善裕, 賀来 亨
    1998 年 4 巻 1 号 p. 63-68
    発行日: 1998/06/30
    公開日: 2010/02/25
    ジャーナル フリー
    本研究では, in vivo と in vitro において口腔組織由来上皮のp21/waf-1の発現様式を明らかにすることを目的とした。ラットの舌粘膜上皮のwaf-1の発現を検索するために, 抗waf与1抗体を用いた蛍光抗体法と in situ hybridization を行った。培養細胞には, マラッセ上皮細胞を用い, 分化を誘導するために低カルシウム状態で培養を行った後, 高カルシウム状態に変え培養を行い, 両者におけるwaf-1の発現を Northern blot 法により検索した。waf-1の発現は口腔上皮の有棘層上層から角質層直下に観察された。培養系では高カルシウム状態で培養を行ったものでwaf-1の up-regulation が観察された。以上のことからwaf-1は口腔上皮の分化に関与していることが示唆された。
  • 井上 聡, 木下 靱彦, 本間 義郎, 水沼 秀之, 小園 知
    1998 年 4 巻 1 号 p. 69-73
    発行日: 1998/06/30
    公開日: 2010/02/25
    ジャーナル フリー
    症例は53歳, 男性で, 口腔粘膜に第2期梅毒疹を認めた。皮膚や陰部に異常を認めず, 顎下リンパ節の腫脹を認めた。梅毒血清反応は, 脂質抗原試験で陽性, TPHA法で強陽性であった。組織診では, 上皮表層の融解と上皮下の血管周囲にリンパ球と多数の形質細胞浸潤がみられた。治療は, セフォタキシムの静注投与と口腔粘膜にテトラサイクリンとプレドニゾロン含有軟膏を塗布し, 症状は2週間で消退した。その後, 皮膚科に転院した。
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