カンジダ性の義歯性口内炎では,義歯がカンジダ菌の温床になるため,再燃を繰り返すことが知られている。今回,義歯に定着したカンジダ菌種の調査と,オゾン水の義歯洗浄効果を評価した。
カンジダ性口内炎疑いの患者149人における248義歯の義歯床粘膜面からカンジダ培養検査を施行し168義歯(68%)にカンジダ菌が検出された。菌種別では
C.albicansが最も多く55%を占め,次いで
C.glabrataが37%に認められた。
C.glabrataの多くは
C.albicansとともに分離された。120義歯に対し,4ppmのオゾン水で超音波洗浄を10分間行ったところ,洗浄前と比較し,有意なカンジダ菌数の減少を認めた。
C.albicansと
C.glabrataの混合菌は
C.albicans単独よりも有意にオゾン水の洗浄効果は悪かった。
以上より,義歯では
C.glabrataの検出率が高く,オゾン水による義歯洗浄は,カンジダ菌の除菌に有用であった。
C.albicansと
C.glabrataの混合菌種は
C.albicans単独よりもオゾン水洗浄に対し抵抗性を示した。
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