日本小児呼吸器疾患学会雑誌
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15 巻, 2 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 長谷川 久弥, 坂井 美穂, 吉田 和司, 園田 結子
    2004 年15 巻2 号 p. 89-94
    発行日: 2004/12/25
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
    喉頭軟化症は乳児の吸気性喘鳴 (stridor) の原因として最も多い疾患であり, 特別な治療を必要とせず, 12~18ヶ月くらいの経過で自然に治癒する場合が多い。しかし, 一部の重症例では, 哺乳不良, 体重増加不良, 閉塞性無呼吸などを認め, 保存的管理が困難な場合もある。我々は保存的管理困難な喉頭軟化症11例 (1ヶ月-1歳4ヶ月) に対し, YAG (Yttrium-Alminium-Garnet) レーザー喉頭形成術を施行したので報告する。レーザー喉頭形成術後, 全例で症状の軽減を認め, 哺乳不良, 閉塞性無呼吸などの症状は消失した。術中, 術後の合併症も認められなかった。呼吸機能検査でも, 術前でみられた吸気時のpeak-flowの抑制が術後には改善した。1例のみ, 退院後に上気道感染をきっかけに症状の増悪を来たし, 再度レーザー喉頭形成術を行ったが, この例を含み, その後, 全例良好な経過をとっている。保存的管理困難な喉頭軟化症に対するYAGレーザー喉頭形成術は, 考慮すべき有効な治療法と思われた。
  • 山本 剛, 一世 靖子, 松下 早苗, 檜枝 八重, 村松 和彦
    2004 年15 巻2 号 p. 95-102
    発行日: 2004/12/25
    公開日: 2011/06/07
    ジャーナル フリー
    2000年~2003年の4年間に当院小児科 (6歳以下) にて採取した吸引痰培養, 計1087検体を対象とし下気道感染における耐性菌の動向を調査した。主な起炎菌とされるH.influenzae, St. pneumoniae, M.catarrhalisの検出率は大きな変化なかった。各菌種とも年齢別分布は低年齢が大部分を占めていた。H.influenzaeの各抗菌薬に対する耐性度はPIPCを除き急速に進行していた。St.pneumoniaeと比較してセフェム系薬の耐性化が顕著であった。特にBLNARの増加が著しく2000年5。26%, 2003年46.9%と急増していた。また入院初期治療の無効例は有意な増加は見られなかったがBLNARの占める割合は2000年10%, 2003年70%と急激に増加していた。今後の難治例や重症例の増加が予想された。一般診療におけるセフェム系薬の繁用や, 集団保育の増加などがBLNAR増加の要因とされている。BLNARを中心とした耐性菌に対して十分な認識を持ち一般小児科医として抗菌薬の適正使用に努めなければならない。
  • 吉田 之範, 井上 壽茂, 亀田 誠, 西川 嘉英, 高松 勇, 土居 悟
    2004 年15 巻2 号 p. 103-107
    発行日: 2004/12/25
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
    我々は低出生体重児であることが気管支喘息に与える影響について症例対照研究により検討した。当院小児科に通院中の8歳以上の喘息患者で出生体重1500g以上25009未満の低出生体重児15名を症例群とした。各症例に対し1) 当科初診時年齢, 2) 生年月日がほぼ合致し, 3) 8歳時に喘息で当科通院していた, 4) 出生体重25009以上の児を合致順に2名ずつ抽出し, この30名を対照群とした。両群を比較した結果, 初診時の喘息重症度に差はなかったが, 8歳時の喘息重症度は症例群で有意に高かった (p<0.01) 。また, 吸入ステロイド薬の使用頻度 (症例群8名/15名, 対照群4名/30名: p<0.01) においても症例群で有意に高かった。このことから低出生体重児であることが喘息重症化に直接関わっている可能性が示唆された。
  • 豊泉 愛, 横山 美貴, 藤崎 光, 小太刀 康夫, 五石 圭司, 五十嵐 隆
    2004 年15 巻2 号 p. 108-112
    発行日: 2004/12/25
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
    縦隔気腫が嚢胞状陰影を呈した新生児2例を経験した。【症例1】日齢1の女児。正常分娩, AFDとして出生。著明な羊水混濁を認めた。出生後, 鼻翼呼吸を認めた。日齢1, 突然陥没呼吸が出現, 胸部X線写真上, 右気胸と縦隔気腫を認めた。CT検査にて右上縦隔に内部に隔壁をもつ円形の嚢胞状陰影を認めた。胸腔ドレーンを留置し呼吸状態は徐々に安定した。生後2週に行った画像検査にて嚢胞状陰影は消失しており, 縦隔気腫の診断となった。【症例2】日齢0の男児。早期産, 低出生体重児。羊水過少が進行したため帝王切開にて出生。出生直後, 呼吸音減弱・呻吟を認め人工呼吸器管理となった。胸部X線写真上, 右気胸と左上肺野の陰影内に内部に隔壁をもつ嚢胞状構造が認められた。経過観察にて, 嚢胞状の陰影は徐々に消失し, 縦隔気腫の診断となった。今回経験した2症例より, 新生児では縦隔間質結合組織が疎で, 漏出した空気量・圧が増すと縦隔気腫は円形で嚢胞状に見えることが示唆された。
  • 上原 すゞ子
    2004 年15 巻2 号 p. 113-128
    発行日: 2004/12/25
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
  • 気管支喘息?-X線の透亮性亢進所見について
    川崎 一輝
    2004 年15 巻2 号 p. 129-130
    発行日: 2004/12/25
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
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