日本小児呼吸器疾患学会雑誌

好酸球性肺炎

江口博之

1992 年 3 巻 1 号 p. 4-5
発行日: 1992/06/01
公開日: 2011/01/25

DOIhttps://doi.org/10.5701/jjpp.3.4

ジャーナルフリー

PDF形式でダウンロード (2242K)
気道過敏性の成立機序

市村登寿

1992 年 3 巻 1 号 p. 6-11
発行日: 1992/06/01
公開日: 2011/01/25

DOIhttps://doi.org/10.5701/jjpp.3.6

ジャーナルフリー

抄録を表示する抄録を非表示にする

喘息によって代表される気道過敏性が上下気道のアレルギー性炎症を引金として成立することを, 著者らの成績を混えながら内外の研究成績を引用して解説した。とくに強調した点は, 局所的炎症の持続と増悪が自律神経反射経路の過剰刺激となり, 中枢である迷走神経背側核・網様体の刺激閾値の低下を招き, 迷走神経の過剰反応を惹起し, また容易に心理的過剰反応を起す素地を醸成することである。
従って, 治療目標は上下気道 (とくに上気道) の炎症緩和, ウイルス感染の回避あるいは可急的早期の治療, あるいは鍛練による局所的並びに全身的循環状態の改善に置かれるべきである。

抄録全体を表示

PDF形式でダウンロード (1345K)
長期呼吸管理を受けた低出生体重児に生じる慢性肺疾患 (CLD) の気道病変

黒川博, 川崎一輝, 石田治雄, 林奐, 鎌形正一郎, 鈴木玄一, 森川征彦, 雉本忠市

1992 年 3 巻 1 号 p. 12-20
発行日: 1992/06/01
公開日: 2011/01/25

DOIhttps://doi.org/10.5701/jjpp.3.12

ジャーナルフリー

抄録を表示する抄録を非表示にする

BPD後の乳児慢性肺疾患 (CLD) 13例を対象に, 気管支造影・ファイバースコピー検査で気道病変を検索した。声門下から亜区域気管支にいたる気道の狭窄病変が全例で証明された。特に気管支造影検査は有用で, 造影所見から気管狭窄型 (7例) と区域気管支狭窄型 (6例) の2群に分類できた。気管狭窄型では低酸素発作や呼吸不全など臨床症状が重篤で気管喘々吻合術 (3例), バルーン拡張術 (3例), 気管切開 (2例) など外科的治療が必要だった。また発病に黄色ブ菌感染の関与が疑われた。区域気管支狭窄型では反復性 (細) 気管支炎が多く内科的管理の強化で軽快し, 4歳前後で呼吸器症状が消失するものが多かった。
BPD後の乳児CLDの基本的病理変化は気管から細気管支にいたる気道全体の閉塞性病変と考えられ, なかでも声門下気管から主気管支までの中枢気道に狭窄のあるものでは呼吸症状が遷延し, 外科的治療が必要である。

抄録全体を表示

PDF形式でダウンロード (16477K)
小児呼吸器疾患におけるI-123IMP肺シンチグラムの臨床的有用性の検討

梅原実, 中嶋英彦, 渡辺登, 石井勝己

1992 年 3 巻 1 号 p. 21-28
発行日: 1992/06/01
公開日: 2011/01/25

DOIhttps://doi.org/10.5701/jjpp.3.21

ジャーナルフリー

抄録を表示する抄録を非表示にする

N-isopropyl-P-(123I) Iodoamphetamineは静脈投与後, 肺循環の際に肺で高率に一時的に取り込まれた後, 肺から再放出されるが, この動態は種々の肺障害によって影響される。本検査は被験者の呼吸パターンに影響されにくい事から小児肺機能を評価する上で適した検査と考えられるが, 小児科領域での検討はない。今回, 各種小児呼吸器疾患12例および非呼吸器疾患10例に対しI-123IMP肺シンチグラムを行い, その動態および画像の解析・評価についてTime activity curveを中心に小児科領域における有用性を検討した。Tc-99m MAA肺血流シンチグラムと比較できた症例の中でI-123IMPのdelayed像の集積に解離がみられる場合があった。Time activity curveの検討では肺におけるI-123IMPクリアランスの低下がびまん性肺疾患でみられたが, 喘息ではみられなかった。I-123IMP肺シンチグラムは肺血流分布の評価のみではなく, 肺胞, 間質障害をI-123IMPの代謝機能異常として評価可能なことが示唆された。

抄録全体を表示

PDF形式でダウンロード (9311K)
小児気管支喘息の非発作時におけるDSCG液単独吸入およびDSCG液・β刺激剤少量併用吸入の気道閉塞改善効果

渋谷信治

1992 年 3 巻 1 号 p. 29-34
発行日: 1992/06/01
公開日: 2011/01/25

DOIhttps://doi.org/10.5701/jjpp.3.29

ジャーナルフリー

抄録を表示する抄録を非表示にする

非発作時の重症アトピー型喘息児14名 (男子9名, 女子5名, 年齢7～14歳) について, DSCG液単独吸入およびDSCG液・β 刺激剤少量併用吸入の気道閉塞改善効果を調べるため, ピークフローメーターを用いて検討した結果, 以下の結論を得た。1) DSCG液単独吸入の場合, 正常群 (70%≦吸入前%PEFR) では, %PEFRが軽度増加し (p<0.05), 低下群 (40%≦%PEFR<70%) では, %PEFRは明らかに増加し (p<0.01), その59%が正常域に達した。2) DSCG液・Salbutamol液0.1ml併用吸入の場合, 正常群では, %PEFRは明らかに増加し (p<0.001), 低下群では, %PEFRは著しく増加し (p<0.001), その77%が正常域に達した。3) DSCG液単独もしくはDSCG液・Salbutamol少量併用の定期吸入の適応は, PEFRなどの呼吸機能によって考慮すべきである。

抄録全体を表示

PDF形式でダウンロード (950K)
気管支拡張症による進行性の呼吸不全を呈したcommon variable immunodeficiencyの1例

西村甲, 小林俊夫, 渡辺浩子, 阿座上志郎, 佐藤清二, 番場正博, 雉本忠市

1992 年 3 巻 1 号 p. 35-41
発行日: 1992/06/01
公開日: 2011/01/25

DOIhttps://doi.org/10.5701/jjpp.3.35

ジャーナルフリー

抄録を表示する抄録を非表示にする

気管支拡張症による進行性の呼吸不全を呈したcommon variable immunodeficiencyの1例を経験した。5歳頃から両側下腿に皮下膿瘍が出現し, 以後下気道感染を繰り返し8歳時には両側の気管支拡張症が認められた。12歳から低IgA血症, 続いて低IgG血症が出現し, 下気道感染が難治となったため15歳時からγ-globulin置換療法を開始した。免疫学的検査ではT細胞系B細胞系両系の機能不全を認め, common variable immunodeficiencyと診断した。置換療法開始後は, 一時的に感染頻度が減少したが, 呼吸状態は進行性に悪化した。18歳時肺炎を契機に呼吸不全が増悪し, 肺性心をきたした。一時的に在宅酸素療法も可能であったが, 19歳時呼吸不全により死亡した。原発性免疫不全症候群において繰り返す下気道感染は気管支拡張症を合併し, 予後に決定的な影響を与える。特にT細胞機能不全を有する場合, 肺合併症に対して早期からのより緻密な日常管理が必要と思われる。

抄録全体を表示

PDF形式でダウンロード (5259K)
胸部X線単純写真読影のpitfall

藤岡睦久, 相原敏則

1992 年 3 巻 1 号 p. 42-43
発行日: 1992/06/01
公開日: 2011/01/25

DOIhttps://doi.org/10.5701/jjpp.3.42

ジャーナルフリー

PDF形式でダウンロード (217K)
肺分画症とその周辺

堀池重治, 石田治雄

1992 年 3 巻 1 号 p. 44-48
発行日: 1992/06/01
公開日: 2011/01/25

DOIhttps://doi.org/10.5701/jjpp.3.44

ジャーナルフリー

PDF形式でダウンロード (1075K)
小児呼吸器疾患患児における在宅酸素療法の実際

小川雄之亮

1992 年 3 巻 1 号 p. 49
発行日: 1992/06/01
公開日: 2011/01/25

DOIhttps://doi.org/10.5701/jjpp.3.49

ジャーナルフリー

PDF形式でダウンロード (109K)
在宅酸素療法対象予備群: 新生児慢性肺疾患の疫学

小川雄之亮

1992 年 3 巻 1 号 p. 50-53
発行日: 1992/06/01
公開日: 2011/01/25

DOIhttps://doi.org/10.5701/jjpp.3.50

ジャーナルフリー

抄録を表示する抄録を非表示にする

在宅酸素療法の適応となる小児呼吸器疾患患児の最大多数を占めている新生児慢性肺疾患を中心に, 在宅酸素療法対象予備群と目される慢性集中治療を必要とする新生児の疫学について述べた。
1987年1年間に90日以上新生児集中治療施設で長期ケアを受けた例は全国で3, 734例で, これは全出生の0.27%に相当した。出生体重が1, 500g未満の極小未熟児は69%を占め, 1, 000g未満の超未熟児でみると36%であった。別の調査で, 慢性肺疾患の発症頻度は出生体重の小さいほど, また在胎の短いほど高く, 1, 000g未満の生存超未熟児では42.5%に及んでいる。従って長期入院の極小未熟児の大半は慢性肺疾患に起因するものと考えられる。
1989年度の9施設での調査では, 6カ月以上の長期入院の慢性肺疾患例はその71%が1, 000g未満で, 全国で年間150例ほどにもなると想定され, 在宅酸素療法予備群の増加が示された。

抄録全体を表示

PDF形式でダウンロード (910K)
新生児領域における在宅酸素療法の実際

大出集, 鬼本博文, 勝又大助, 名越廉, 鳥山義仁, 大野強

1992 年 3 巻 1 号 p. 54-57
発行日: 1992/06/01
公開日: 2011/01/25

DOIhttps://doi.org/10.5701/jjpp.3.54

ジャーナルフリー

PDF形式でダウンロード (902K)
新生児慢性肺疾患に対する在宅酸素療法

在宅モニタリングシステムを中心に

長谷川久弥

1992 年 3 巻 1 号 p. 58-60
発行日: 1992/06/01
公開日: 2011/01/25

DOIhttps://doi.org/10.5701/jjpp.3.58

ジャーナルフリー

PDF形式でダウンロード (429K)
年長児の慢性呼吸不全例における在宅酸素療法

林田道昭

1992 年 3 巻 1 号 p. 61-63
発行日: 1992/06/01
公開日: 2011/01/25

DOIhttps://doi.org/10.5701/jjpp.3.61

ジャーナルフリー

PDF形式でダウンロード (473K)
当院における在宅酸素療法の現状と問題点について

川崎一輝, 黒川博

1992 年 3 巻 1 号 p. 64-66
発行日: 1992/06/01
公開日: 2011/01/25

DOIhttps://doi.org/10.5701/jjpp.3.64

ジャーナルフリー

PDF形式でダウンロード (590K)
一般演題抄録

1992 年 3 巻 1 号 p. 67-91
発行日: 1992/06/01
公開日: 2011/01/25

DOIhttps://doi.org/10.5701/jjpp.3.67

ジャーナルフリー

PDF形式でダウンロード (6081K)

J-STAGEへの登録はこちら（無料）