日本小児呼吸器疾患学会雑誌
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最新号
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  • 萩原 里実, 望月 博之, 村松 礼子, 只木 弘美, 水野 隆久, 荒川 浩一, 森川 昭廣
    2008 年 19 巻 2 号 p. 105-111
    発行日: 2009/01/31
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
    小児の喘息の多くは, 乳児期に発症する。しかし, 乳児喘息の初期の診断は必ずしも容易ではない。その原因のひとつとして乳幼児期の喘鳴性疾患にはアトピー型喘息以外に, いくつかの亜型 (phenotype) が存在することが考えられている。今回, 平成13年度から19年度まで群馬県の1村全体における小学校就学予定児に喘鳴, 喘息に関連する疫学的調査を行い, 気道過敏性検査を含む肺機能検査を行った。対象587名のうち, 喘鳴は21.8% (128名) に, 喘息は10.4% (61名) に認められた。非喘息性の喘鳴群では, 喘息群同様に有意な気道過敏性の亢進が認められた (p<0.001) 。また, 家族の喫煙やペットの飼育, 大気汚染による肺機能検査や気道過敏性への影響は認められなかった。
  • 徳永 修, 村田 祐樹, 濱谷 舟, 宮野前 健, 末永 麻由美, 宮川 知士, 錦戸 知喜, 吉田 之範, 亀田 誠, 高松 勇, 土居 ...
    2008 年 19 巻 2 号 p. 112-121
    発行日: 2009/01/31
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
    新たに導入された結核感染体外診断法 “クォンティフェロン®TB-2G” (QFT) の小児例における有用性を検討した報告例は少ない。今回, 我々は4医療施設で経験した小児活動性結核症例38例 (うち菌陽性例17例) を対象に本検査を実施し, 小児結核症例におけるQFTの反応性について検討した。治療開始前にQFTを実施した35例中29例 (82.9%), 菌陽性例に限ると15例中14例 (93.3%) が陽性を示した。乳児早期発症例を含む初期変化群症例においても陽性率は高く, 菌陰性例の多い小児活動性結核症例の補助的診断方法として非常に有用であることが示唆された。一方でQFr陽性を呈さなかった菌陽性例も見られたことから, QFrのみではなく, 良質な検体による細菌学的検査, 慎重な画像的検索, さらに問診やツ反結果を併せた総合的な評価に基づく診断が重要であると考えられる。
  • 重症化危険因子の抽出
    岸本 健治, 田村 卓也, 春田 恒和
    2008 年 19 巻 2 号 p. 122-129
    発行日: 2009/01/31
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
    [目的] 乳児百日咳の臨床像を検討し重症化危険因子を抽出する。 [方法と対象] 過去20年間に当院に入院した乳児百日咳患者を対象とし, 診療録に基づく後方視的検討を行った。人工呼吸管理を要した症例を重症例とし, 重症化危険因子を検討した。 [結果] 46例が本検討の対象となった。全例が三種混合ワクチン未接種であった。月齢は3カ月未満が19例 (41%) であった。痙攣が5例 (11%), 低酸素症が18例 (39%), 無呼吸が12例 (26%) に出現した。人工呼吸管理施行群9例 (20%) と非施行群37例 (80%) の検討から, 低月齢 (<3カ月), 基礎疾患, 無呼吸, 入院時白血球数 (>20, 000/μl), 入院時リンパ球数 (>15, 000/μl), CRP頂値 (>1.0mg/dl) が重症化危険因子であった。 [結論] 乳児百日咳では重症化の頻度が高いため, 早期に重症化危険因子を評価し, 危険因子を要する症例は厳重な管理を行うべきである。
  • 永井 仁美, 下内 昭, 高松 勇
    2008 年 19 巻 2 号 p. 130-136
    発行日: 2009/01/31
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
    小児結核患者数が減少しており, 小児結核対策は集団的・一律的対策よりも個別的・重点的対策に比重を移していくべきである。そこで, 大阪地区では「医療機関・保健所の合同症例検討会」を2003年度より連続4年間実施している。その年度に登録された小児結核患者症例を, 医療機関と保健所が一堂に会して検討することにより, その予防, 治療支援, 患者背景などに関して共通の理解を得, また共同していく基盤を確立し, 実際に小児結核患者の治療支援や発生予防に活かしてきた。4年間で参加者の人数は増加傾向にあり, 医師・保健師・看護師のみならず多職種の参加が見られてきた。全国的に見ると, 小児結核患者の発生は, 都市部に多く見られており, この検討会方式の対策は, 今後全国の都市部における結核対策への拡大が可能であり今後の行政施策に大きく貢献できる可能性がある。
  • 武田 紳江, 黒崎 知道, 石和田 稔彦, 河野 陽一
    2008 年 19 巻 2 号 p. 137-147
    発行日: 2009/01/31
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
    乳幼児のマイコプラズマ肺炎の臨床像を検討するため, 5歳以下43例を6歳以上40例と比較した。6歳以上に比べ5歳以下では咳噺の性状は湿性咳噺が90.0%を占め, 肺副雑音も83.7%に聴取し, 末梢血白血球数も10, 000/μL以上を示す症例がみられ成人市中肺炎診療ガイドラインに記載されている非定型肺炎の特徴とは異なる臨床像を認めた。また5歳以下の乳幼児では細気管支炎, 気管支喘息発作を合併する割合や, ウイルスや細菌の混合感染の割合が6歳以上より高率に認められ, 臨床像が成人と異なる要因と考えられた。年齢による微粒子凝集 (PA) 法による抗体価上昇の遅延は認めないが, 診断基準を満たす抗体価上昇に15日以上要した症例がみられた。以上より5歳以下のマイコプラズマ肺炎の臨床像は非典型的であり, 急性期に診断ができる感度のよい検査法もないため, 早期に有用な検査法の確立が望まれる。
  • 杉山 剛, 金井 宏明, 星合 美奈子, 中野 佳央, 原田 清, 杉田 完爾
    2008 年 19 巻 2 号 p. 148-153
    発行日: 2009/01/31
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
    11カ月女児。ボールペンをくわえたまま炬燵の上から転落し口腔内に出血を認め, 当院に紹介された。入院時, 出血はみられず呼吸障害は認めなかった。頭蓋内損傷精査のため撮影した頭部CTで, 頚部に皮下気腫を認め, 胸部レントゲン写真で縦隔気腫と皮下気腫を認めた。舌圧子による視診では, 受傷部位を同定できなかった。緊急の外科治療を要する食道, 気管損傷による縦隔気腫の可能性も否定できず, 喉頭ファイバースコープ検査を実施したところ咽頭後壁に凝血塊を認め受傷部位を同定しえた。また気管支ファイバースコープで気管分岐部まで観察したが気管に損傷はなかった。抗生剤投与のみで経過観察したが, 皮下気腫, 縦隔気腫ともに速やかに改善し, 第9病日に退院した。縦隔気腫では原因を同定することが治療方針決定の上で重要であり, その際気道ファイバースコープは有用な検査であると思われた。
  • 14年間にわたり長期管理中のSMAIの経過
    港 敏則, 加地 倫子, 田口 和裕, 吉田 真策, 島 栄恵, 久松 千恵子, 前田 貢作
    2008 年 19 巻 2 号 p. 154-163
    発行日: 2009/01/31
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
    脊髄性筋萎縮症 (以下SMAと略す) は, 運動ニューロンの変性疾患で, その臨床像は, 四肢と体幹部の近位筋の萎縮を特徴とする。そして呼吸筋の萎縮による呼吸障害の進行が生命予後に影響する。われわれは, 臨床経過と生後8カ月の筋生検でSMAI型と診断した女児例を経験した。本症例に対して2歳8カ月時に気管切開人工呼吸を導入, 3歳時に在宅医療へ移行し約11年間良好に経過した。14歳になり無気肺を発症, 内科治療で経過をみるも急速進行性に呼吸状態の悪化を認め, 気管内視鏡下粘液栓除去が必要となった。機序として原疾患の病態に加え, 寝たきりにより進行した側弯と気管軟化による気道の扁平化などが病態に関与したと考えた。現在, 粘液栓再発予防のため, 各職種が連携して呼吸管理を行い経過は良好である。
  • 高瀬 真人, 坂田 宏, 鹿田 昌宏, 多田羅 勝義, 福島 崇義, 宮川 知士
    2008 年 19 巻 2 号 p. 164-176
    発行日: 2009/01/31
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
  • 改訂のポイント
    黒崎 知道
    2008 年 19 巻 2 号 p. 177-182
    発行日: 2009/01/31
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
  • 岡田 賢司
    2008 年 19 巻 2 号 p. 183-189
    発行日: 2009/01/31
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
  • 高瀬 真人
    2008 年 19 巻 2 号 p. 190-199
    発行日: 2009/01/31
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
  • 上田 康久
    2008 年 19 巻 2 号 p. 200-202
    発行日: 2009/01/31
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
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