山形県内の枝肉共進会に出品された血統の明確な黒毛和種肥育牛を用い、性および枝肉共進会開催日(以下と殺時期)を母数効果、父牛を変量効果とした最小二乗法により枝肉形質とと殺時の血清総コレステロール(TC)値等の8形質について遺伝的パラメータを推定した。その結果、血清TCと枝肉重量および牛脂肪交雑基準(B.M.S.No.)の間には中程度以上の遺伝相関がみられた。遺伝率は血清TC値および枝肉重量でそれぞれ0.85、0.66と高く、B.M.S.No,では0.34であった。枝肉重量および血清TCにおける母数効果は、雌および7月と9月で負、去勢と11月は正であり、性・時期による差がみられた。以上から枝肉性状は遺伝的能力と季節に大きく影響され、また血清TC値は枝肉重量およびB.M.S.No.をモニターする生化学マーカーとして有用であることが示唆された。
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