日本家畜臨床学会誌
Online ISSN : 1883-4604
Print ISSN : 1346-8464
ISSN-L : 1346-8464
27 巻, 1 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 高畑 幸子, 千葉 正寛, 沼津 敬治, 渡辺 昭夫, 一條 俊浩, 蓬田 信一, 八島 正, 松田 敬一, 川名 晶子
    2004 年27 巻1 号 p. 1-6
    発行日: 2004/06/30
    公開日: 2009/04/22
    ジャーナル フリー
    平成14年6月~8月までに管内黒毛和牛繁殖農家に飼育されていた子牛で子牛虚弱症候群と診断された3症例(症例1、13日齢、体重約12kg、雄。症例2、51日齢、体重約30kg、雄。症例3、2日齢、体重約10kg、雄。)について、臨床症状、血液生化学検査、超音波断層検査、病理組織検査および家系調査を行った。その結果、臨床症状については全症例において元気沈鬱、哺乳欲不振、発育不良および皮毛粗剛が認められた。血液生化学検査では全症例においてクレアチニン(Cre)の高値が認められ、症例1および2において血中尿素窒素(BUN)の高値が認められた。超音波断層検査では症例1で左腎は小さく分葉不明瞭であり、右腎は不明であった。症例2および3では左右腎臓は小さく分葉が不明瞭であった。剖検時の腎臓の肉眼所見でも、腎臓の表面は退色し分葉が不明瞭であった。組織学的には、全症例において未熟小型腎単位や原始集合菅が認められ、瘢痕化組織や炎症性反応は全く認められなかった。家系調査では全症例おいて茂金系種雄牛Aを頂点とした交配環境にあった。腎臓の形成異常は様々な要因によって引き起こされるが、全症例において種雄牛Aが深く関与しており、遺伝的疾患である可能性が推察された。また、血液検査で腎臓の異常が疑われる場合に超音波断層検査を行うことは、診断の一助になるものと考えられた。
  • 菊池 元宏, 山田 直樹, 大岩 佳子, 久保田 美穂, 小池 正充, 三浦 弘, 大浪 洋二
    2004 年27 巻1 号 p. 7-12
    発行日: 2004/06/30
    公開日: 2009/04/22
    ジャーナル フリー
    馬精巣上体(上体)の各部灌流液中に見られる円形細胞の形態および数的変化を観察し、射出精液中の円形細胞の出現数との関連性についても検討を加えた。
    実験には21頭(5~28歳)から採取した精液23検体および雄馬4頭の精巣上体各部から採取した精巣上体管灌流液を供試し、直径7.0μm以下(SC)、7.0~12.5μm(MC)、12.5μm以上(LC)に分類した円形細胞数および精子数の算出と形態観察を行った。
    精子1000尾に対する円形細胞の平均出現数は輸出管で5.73個であったが、上体頭では45.01に急増した。しかし、上体体上部では3.05に低下し、上体体中部以下では漸増する傾向があった。なお、上体尾の円形細胞は69.2%が生存していた。輸出管と上体管内の円形細胞を大きさ別にみると、MCの出現割合が最も高く54.9~71.4%を占めていた。一方、SCは輸出管では14.7%であったが、上体管内では26.2~42.2%を占め、MCとSCには相反する増減傾向が見られた。LCの割合は輸出管では16.8%であったが、上体管内では2.2~4.7%と低くなった。一方、射出精液中の円形細胞の平均出現数は0.20個と上体管に比べて極めて低く、大きさではSCが4.8%、MCが90.1%、LCが5.1%であり、上体管内に比べMCの割合が著しく高かった。
    以上の結果から、円形細胞の大多数が精巣上体通過中に消失することが明らかとなり、射出精液中に出現する円形細胞は上体頭で見られるものの1/100以下である可能性が示唆された。
  • 山岸 則夫, 李 仁炯, 大星 健治, 安藤 道雄, 高木 光博, 中川 昭
    2004 年27 巻1 号 p. 13-19
    発行日: 2004/06/30
    公開日: 2009/04/22
    ジャーナル フリー
    1牛群で2年間に分娩したホルスタイン経産牛のべ160頭に対し、乾乳後期に、毎週1回一定時刻に臨床検査(第一胃の内容量および性状、尿pHおよびケトン体濃度のスコア評価)を行い、それらの所見と周産期疾病との関係を検討した。さらに、血液生化学検査を行い、上記の臨床検査の有用性を判断した。周産期疾病は160頭中64頭に発生し、その内訳はケトーシス(n=27)、第四胃変位(n=17)、産褥期子宮疾患(n=12)ならび乳熱(n=8)であった。周産期疾病の罹患牛では、分娩1週前に分娩2週間前に比べて第一胃の内容量と尿pHのスコアが有意な低値を示した。血液検査所見において、周産期疾病の罹患牛では、健康牛に比べて血清FFA濃度の高値やBUN、T-Cho、Glu、iPとMg濃度の低値傾向が認められ、エネギーバランスの低下が示唆された。乾乳後期における定期的な臨床検査によって、周産期疾病の発生を予測することは可能と思われた。
  • 三浦 潔, 三浦 泰斗, 菊地 薫, 岡田 啓司
    2004 年27 巻1 号 p. 20-24
    発行日: 2004/06/30
    公開日: 2009/04/22
    ジャーナル フリー
    黒毛和種子牛の白痢治療における抗菌剤使用に関する考察を試みた。白痢便を呈した3週齢以下の黒毛和種子牛89頭を対象として、一般臨床検査、血液検査、微生物学的検査および分離菌の薬剤感受性試験を実施した。初診時の便の状態、大腸菌数、大腸菌の薬剤感受性、体温および治療日数の間に有意な関係は認められなかった。白痢の予防注射を接種しなかった群および初診時に第四胃アトニーを呈していた群において治療日数が有意に長引いた。糞便中からの牛ロタウイルスの検出には周期性があり、検出の有無と他の検査および治療日数の間に有意な関係は認められなかった。大腸菌O157は調査期間を通じて分離されなかった。下痢便から分離した大腸菌の薬剤耐性パターンは、診療担当獣医師および地区により若干の違いが認められた。また抗菌剤投与区と非投与区の治癒までの経過に差が認められなかった。今回の調査においては、子牛の白痢に対して抗菌剤を使用すべき指標は何も認められなかった。
  • 坂本 公一, 小森 良彦, 鈴木 直人
    2004 年27 巻1 号 p. 25-26
    発行日: 2004/06/30
    公開日: 2009/04/22
    ジャーナル フリー
  • 大澤 健司, 大塚 浩通
    2004 年27 巻1 号 p. 27-29
    発行日: 2004/06/30
    公開日: 2009/04/22
    ジャーナル フリー
  • 三宅 陽一
    2004 年27 巻1 号 p. 30-31
    発行日: 2004/06/30
    公開日: 2009/04/22
    ジャーナル フリー
feedback
Top