日本家畜臨床学会誌
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25 巻, 1 号
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  • 渡辺 大作, 伴 顕, 高橋 雅博, 石川 弘, 渡辺 昭夫, 山野辺 浩, 角金 俊一, 藤森 康一郎, 三宅 陽一, 岡田 幸助, 大塚 ...
    2002 年25 巻1 号 p. 1-10
    発行日: 2002/06/30
    公開日: 2009/04/22
    ジャーナル フリー
    東北地方における黒毛和種牛のクローディン-16(CL-16)欠損症の発生について遺伝子診断を実施し調査した。その結果、1999年6月から2001年6月までに110頭の発症が確認された。発症月齢は1―60ヶ月齢で13.3±8.9ヶ月齢であった。雄は48頭(44%)、繁殖牝牛3頭を含め牝は62頭(56%)であった。繁殖牝牛は1例を除きすべてCL-16保因牛であった。発症牛を生み正常ホモと診断された繁殖牝牛の遺伝子解析から新型のCL-16遺伝子欠損(Type2)が確認された。症例は出生時に臨床学的な異常所見は認められず、月齢の増加に伴って発育不良と食欲不振の出現率が増加し、最終的に全例で認められた。また過長蹄は67%でみられた。血液生化学検査では、尿素窒素とクレアチニンおよび無機リン濃度は増加し、カルシウムは低下した。腎臓は萎縮・硬化し、組織所見では腎尿細管の低形成、萎縮、間質の線維化および尿細管上皮細胞の変性と脱落がみられた。CL-16に対する特異抗体を用いたABC染色による免疫組織学的観察で、CL-16は正常牛では腎尿細管上皮細胞周囲に存在したが、発症牛ではみられなかった。山形県の一地域の調査において繁殖牝牛の7.5%が保因と推定され、保因種雄牛の精液利用率が44%(1999年)であったことから、この地域では発症子牛が0.8%生産されると推定された。
  • 山科 秀也
    2002 年25 巻1 号 p. 11-16
    発行日: 2002/06/30
    公開日: 2009/04/22
    ジャーナル フリー
    牛輸入凍結胚の品質と受胎率および流産率を調べた。輸入凍結胚の総数は970胚で、総受胎率は63,4%であった。輸出国別にアメリカ合衆国524胚、カナダ409胚、オランダ37胚であり、受胎率はそれぞれ66.2、59.9、62.1%であった。凍結保護剤別に、1.4Mグリセロール(Gly)570個、1.4MGly十0.1Mショ糖(Suc)61個、1.5Mエチレングリコール(EG)306個、1.7MEG33個で、受胎率はそれぞれ67.5、52.5、59.2、51.5%であった。1.5MEG処理胚および1.7MEG処理胚において、子宮角深部移植(32.6および15.4%)と浅部移植(63.7および75.0%)の受胎率に有意差が認められ(p<0.05)、子宮角浅部への移植により受胎率が高くなった。子宮角深部への移植は分岐部より10~15cmの深い部位で、子宮角浅部への移植は分岐部より2~4cmの浅い部位におこなった。Gly処理胚の融解後の品質の悪い胚61個の移植部位別受胎率は、子宮角深部移植(48.3%)と浅部移植(25.0%)との間に有意差が認められ(p<0.05)、子宮角深部への移植により受胎率が高くなった。総流産頭数は39頭で、流産率は受胎総頭数の6.3%であった。Gly処理胚の融解後の流産率では、品質良い胚(5.9%)と品質の悪い胚(18.2%)に有意差が認められ(p<0.05)、品質の悪い胚は流産率が高かった。
  • 松田 敬一, 沼津 敬治, 渡辺 昭夫, 一條 俊浩, 蓬田 信一, 八島 正, 高畑 幸子, 千葉 正寛
    2002 年25 巻1 号 p. 17-22
    発行日: 2002/06/30
    公開日: 2009/04/22
    ジャーナル フリー
    コアグラーゼ陰性ブドウ球菌感染により臨床症状を呈し、抗生物質を全身および乳房内に投与されている乳房炎発症牛(対照群10頭、実験群10頭)を供試した。臨床型乳房炎の治療期間短縮を目的として、実験群では、第1~3病日に1日2回2時間、左右両側の大腿部内側と乳房外側の間に保冷剤を設置できるように工夫した冷罨法を実施した。身体検査として体温、乳房の腫脹・硬結・熱感などを観察し、乳汁はCMT変法による乳汁の色調と凝集の検査と凝乳物の排出量を観察した。これら所見の重篤度をスコア化しその推移を調査した。実験群では対照群に比べ体温、乳房の熱感、および乳房の腫脹のスコアが早期に減少した。また全ての所見のスコアーの合計を比較しても、実験群では対照群に比べ早期に減少した。この結果より、乳房炎が早期に治癒したものと考えられた。本法は経費がかからず、設置方法も簡単なので、牛の乳房炎治療に有効な補助療法であると考えられた。
  • 三浦 弘, 小池 正充, 加藤 航, 菊池 元宏, 長谷川 喜久, 大浪 洋二
    2002 年25 巻1 号 p. 23-26
    発行日: 2002/06/30
    公開日: 2009/04/22
    ジャーナル フリー
    抗牛インヒビンαサブユニット抗体を用いた時間分解蛍光免疫測定法を用いて正常雌牛のLHサージから排卵後約24時間までの血中インヒビンαサブユニット濃度の変化を測定した。その結果、3例について排卵確認後にインヒビン濃度が十数時間にわたって上昇する傾向が見られ、4例については排卵しても特に一定の傾向を示さなかった。これは排卵によって卵胞液中のインヒビンが血中に吸収されるためであると考えられる。
  • 畠山 直一郎, 庄司 浩
    2002 年25 巻1 号 p. 27-31
    発行日: 2002/06/30
    公開日: 2009/04/22
    ジャーナル フリー
    日本短角種の5例の唇裂(雄4例、雌1例)と1例の唇顎裂(雄)を検索した。唇裂を認めた症例については食欲等に著明な異常を認めなかったが、唇顎裂を認めた症例3では著明な哺乳困難を認めた。症例3を除いた5例は子牛市場で売却された。症例3の剖検では頭部骨格異常を認めた。本症の原因を特定できなかったが、家系内調査では少ない家系内での交配が発生原因のひとつと示唆された。
  • 坂本 公一, 小森 良彦
    2002 年25 巻1 号 p. 33-36
    発行日: 2002/06/30
    公開日: 2009/04/22
    ジャーナル フリー
  • 2002 年25 巻1 号 p. 37-39
    発行日: 2002/06/30
    公開日: 2009/04/22
    ジャーナル フリー
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