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土居 秀幸, 菊地 永祐, 日野 修次, 伊藤 丈, 高木 茂人, 鹿野 秀一
セッションID: 3D10
発行日: 2003年
公開日: 2004/11/26
会議録・要旨集
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潟沼は平均pH 2.2の強酸性湖である.潟沼において,炭素安定同位体比を用いて堆積有機物起源の解析を行った.また,潟沼はその生物相が単純であることから,堆積有機物起源の詳細な解析が可能である.一般に酸性湖沼は非調和型湖沼であり,堆積有機物の起源は周りから供給される有機物が多い.しかし炭素安定同位体比解析の結果,潟沼の堆積有機物は周りの森林からの有機物由来のものは少なく,その多くは底生珪藻と植物プランクトン(内生産性の有機物)に由来することが分かった.この要因としては,潟沼が流入河川を持たないこと,珪藻と植物プランクトンの生産が大きいことが考えられた.
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鹿野 秀一, 菊地 永祐
セッションID: 3D11
発行日: 2003年
公開日: 2004/11/26
会議録・要旨集
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酸性湖潟沼において、成層期と循環期に湖水を採集し、細菌の16S rRNA遺伝子を増幅し、クローニングライブラリーを作成して、細菌群集解析を行った。その結果、細菌群集の多様性は強酸性のために低く、群集組成は成層状態の変化に伴い入れ替わる特徴が見られた。
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野中 昭彦, 福壽 真也, 田中 啓介
セッションID: 3D12
発行日: 2003年
公開日: 2004/11/26
会議録・要旨集
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全国的に湖沼でのCODの上昇傾向が報告され、また一部では原因についての調査が実施されている。要因としては、一部に難分解性有機物の増加などが報告されているが、具体的には未解明の部分が多いといえる。本論では、全国の湖沼でのCODと他の水質項目の傾向の整理とともに、琵琶湖を対象に関連する流域条件・湖内水質・内部生産の長期的変化を整理し、これによりマクロ的視点からCODの上昇に関しての要因解明への知見を提供する。また、分析結果に基づいて今後のCOD問題の解明に向けた課題を整理する。
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新村 行雄, 信里 匡昭, 雄川 洋子
セッションID: 3D13
発行日: 2003年
公開日: 2004/11/26
会議録・要旨集
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祐延ダム貯水池において、水質特性を把握するため調査を行った。 理化学的な水質については、有機汚濁指標であるCODは3.9mg/lとやや高いものの、湖沼の富栄養化と関連の深い全窒素及び全りんは0.11mg/l、0.004mg/lと低い状態であった。またプランクトンの出現状況は、種族数、量ともに少ない状況であることから、祐延ダム貯水池は貧栄養湖であると考えられる。また、溶存有機炭素が夏季に高く、湖底に堆積した腐植物質の溶出が認められ、地質に由来する物質から見るとアルカリ土類炭酸水素塩区に属していることがわかった。
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石手川ダム湖の場合
香川 尚徳
セッションID: 3D14
発行日: 2003年
公開日: 2004/11/26
会議録・要旨集
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愛媛県下の石手川ダム湖において1983年から2002年まで、月に一度、上旬に水質調査を行った。20年間の表水層のデータを成層期(4_から_9月)と循環期(10_から_3月)とに分けると、成層期にのみ、クロロフィルa濃度と全リン濃度との間に有意な正の相関が認められ、この期間にのみリンが浮遊性藻類の制限因子であったとみられた。リンの供給源である流入河川の水量の指標として調査日前1月の降水量を用いて、全リン濃度およびクロロフィルa濃度との関係を検討したところ、夏期の成層期には降水量とこれら両濃度とに正の関係が認められた。なお、これらの関係は1995年以前には明白でなく、1996年以降に湖水の流動をフェンスで制御した効果の一つとみられる。
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中国雲南省撫仙湖での事例
早川 和秀, 熊谷 道夫, 焦 春萌, 坂本 充, 宋 学良, 張 子雄
セッションID: 3D15
発行日: 2003年
公開日: 2004/11/26
会議録・要旨集
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中国雲南省撫仙湖の湖水中に含まれる蛍光性溶存有機物の生成と分解について検討した。その結果、湖内で生成・分解する蛍光性溶存有機物が湖外来性のものより多いことがわかった。
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吉川 俊一, 中川 和子, 川井 仁之, 吉田 宏三
セッションID: 3D16
発行日: 2003年
公開日: 2004/11/26
会議録・要旨集
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京都市沢の池とその集水域におけるアルカリ度の生成と消費について報告する。
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伊敷 牧, 崎濱 秀明, 岩崎 綾, 渡久山 章
セッションID: P01
発行日: 2003年
公開日: 2004/11/26
会議録・要旨集
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これまで沖縄島では降水の研究、河川水の研究など個別に行われてきた例はあるが、降水から河川水に至るまでを一貫して研究された例は少ない。本研究はこの点に注目して、沖縄島北部の3ヵ所に試料採集地点を設置し、林外降下物・林内降下物・樹幹流・表流水・河川水および地下水を採集している。採集は2001年8月から2003年7月現在も継続して行っている。採集された試料の化学成分分析を行い沖縄島における森林を介した物質の移動について議論していきたい。
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児玉 竜, 福島 和夫
セッションID: P02
発行日: 2003年
公開日: 2004/11/26
会議録・要旨集
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河川上流域の水質は大局的に岩質特性によって決定されることが明らかとなっている。降水が地下に浸透し岩石を溶かし込んで地表に現れるとすると、地下での岩石溶出機構を解明することが必要である。地下における特徴として、高い二酸化炭素濃度が挙げられる。本研究では、この高い二酸化炭素濃度が岩石の化学的風化に及ぼす影響に着目し、溶出実験を行った。実験方法は岩石粉末を含んだ水に二酸化炭素を通気し、二酸化炭素飽和水中で溶出する主要陽イオンをイオンクロマトグラフィで測定・解析した。
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鎌内 宏光
セッションID: P03
発行日: 2003年
公開日: 2004/11/26
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河畔林における落葉の窒素濃度が落葉期の間に大きく変化することが分かった。そこでその変動が河畔林から河川に落葉として供給される窒素量の見積りにあたえる影響を定量的に検討した。
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中島 沙知, 廣田 瑞恵, 山田 佳裕
セッションID: P04
発行日: 2003年
公開日: 2004/11/26
会議録・要旨集
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河川の源流域における水質は下流に少なからず影響を与えるため、源流域における自然負荷の程度を明らかにすることは水系生態系の物質循環を考える上で重要である。本研究では四国に存在する河川の源流域において窒素の動態に関する定期的な調査を行った。その結果、讃岐山脈を流れる河川の源流域で1500_から_2800μg/lの非常に高いNO3-N濃度が観測された。その原因として少雨地域のために森林地下水中の酸性降下物の相対的な増加、乾燥に起因する土壌生態系の劣化が考えられ、降水が河川源流域の窒素負荷に大きく寄与していることが示された。
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Vu Thanh Lan Anh, 戸田 任重
セッションID: P05
発行日: 2003年
公開日: 2004/11/26
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ベトナム北部の紅河(Red River)およびThai Binh River流域において、雨季と乾季に窒素濃度を中心に水質調査を実施した。
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岡野 淳一, 土居 秀幸, 菊地 永祐
セッションID: P06
発行日: 2003年
公開日: 2004/11/26
会議録・要旨集
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これまで,水生昆虫はいくつかの大きな機能摂食群に分けて考えられてきた。またいくつかの種においてはその食性の解析が行われてきたが,多くの水生昆虫の詳細な食性解析はあまり行われていない. 本研究では,炭素・窒素安定同位体比により,山地渓流に生息する水生昆虫の食物網解析を行い,渓流内,さらに渓流間での食物網の比較を行った.そして,同じ機能摂食群である水生昆虫間での餌資源の選択性の違い,あるいは環境要因の違いによる食性への影響などを明らかにすることを目指した.
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福永 八千代, 木村 悟朗, 中本 信忠, 平林 公男
セッションID: P07
発行日: 2003年
公開日: 2004/11/26
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ガガンボ類の生息場所の一つとして、浄水場ろ過池から発生する成虫を年間を通して調査した。調査は2001年4月から2002年3月までの毎月4日間(厳冬期の1,2月は各々1日のみ)ライトトラップにより行った。ガガンボ類の成虫が得られた期間は4月から11月までであり、どの月においても
Antocha (Antocha) bifidaが優占種であった。約20種の捕獲が確認されたが、小型から中型種の捕獲が多く、大型種はほとんど捕獲されなかった。
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大田 英登, 松田 亮, 山口 一裕, 北岡 豪一
セッションID: P08
発行日: 2003年
公開日: 2004/11/26
会議録・要旨集
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旭川河川敷の閉塞池群における水温変動分布について講演する。
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湯原温泉の場合
山口 一裕, 北岡 豪一, 三田村 緒佐武
セッションID: P09
発行日: 2003年
公開日: 2004/11/26
会議録・要旨集
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湯原温泉における旭川の水温への温泉水の影響について検討したので報告する。
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河野 忠
セッションID: P10
発行日: 2003年
公開日: 2004/11/26
会議録・要旨集
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弘法大師にまつわる伝説の水を自然科学的,地理学的に考察した.弘法水の伝説は日本全国に1400ヶ所ほどあり,そのうち300ヶ所の存在を確認し,水文科学的な調査を実施した.その結果,湧出量が0.1_リットル_/秒以下のごく小規模な湧水が50%を占め,山頂や海岸など,地下水を得にくい場所に存在することがわかった.また,眼病,皮膚病,閼伽水などに利用される弘法水の水質には,それぞれNa-Cl型,低ORP値,高濃度の硫酸イオンが認められた.従って,弘法水とは,その伝説の真偽はともかく,長い年月の間に淘汰され安定した湧出量を持つ湧水と,温泉に近い水質を示し,薬効が認められた湧水が弘法水として伝えられたものと考えられる.
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関野 樹, 吉岡 崇仁, 田中 拓弥, 木庭 啓介, 古川 剛史
セッションID: P11
発行日: 2003年
公開日: 2004/11/26
会議録・要旨集
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複雑な問題を対象にした研究プロジェクトでは、様々なデータの連携が必要である。特に、環境問題を対象とした研究プロジェクトでは、人文社会分野のデータや情報との連携も必要になってくる。このように分野の壁を越えてデータや情報を連携させるためにはモニタリングデータや研究データをどのように整理・蓄積すべきなのかについて検討を行う。
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岩崎 麻美, 高松 信樹, 功刀 正行, 大沢 信二
セッションID: P12
発行日: 2003年
公開日: 2004/11/26
会議録・要旨集
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群馬県四万湖の色彩測定,水質分析,呈色因子物質の分析を行い,四万湖の青色呈色因子について考察した。四万湖水中には二価の鉄イオンや銅イオン濃度が極めて低いことから,青色呈色の原因がこれらイオンによる光の吸収によるものではないと判断された。また,四万湖の懸濁物の赤外吸収スペクトル解析,蛍光X線分析,走査型電子顕微鏡による観察から,四万湖水中には,粘土鉱物の前駆物質であるアロフェンが存在しているこが確認された。アロフェン粒子の直径は約40nmであり,この粒子に太陽光の光があたることによりレイリー散乱が生じ,青色に呈色していると結論された。
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張田 裕之助, 堀 智孝, 杉山 雅人
セッションID: P13
発行日: 2003年
公開日: 2004/11/26
会議録・要旨集
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2002年2月から2003年2月にかけて毎月、琵琶湖南湖および流入河川に溶存するバンジン酸の濃度を測定し、得られたデータを用いて収支計算をすることにより、琵琶湖南湖におけるバナジウムの内部負荷量を見積もった。
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由水 千景, Kim Chulgoo, 西村 洋子, 横川 太一, 小板橋 忠俊, 宮野 貴広, 永田 俊
セッションID: P14
発行日: 2003年
公開日: 2004/11/26
会議録・要旨集
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琵琶湖における溶存酸素の時空間分布の詳細,および深水層水中における酸素消費速度について報告する.
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濱田 浩美, 真砂 佳菜子
セッションID: P16
発行日: 2003年
公開日: 2004/11/26
会議録・要旨集
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日光国立公園内にある日光白根山五色沼は、栃木県日光市と群馬県片品村の県境付近にあり、白根山の火成作用によって形成された日光火山群唯一の火口湖で、湖水面標高は2170mである。蓼ノ湖は湯ノ湖の北東1km位置し、温泉ヶ岳(2333m)と三岳(1945m)の山体に囲まれる閉塞湖である。 五色沼・蓼ノ湖は閉塞湖であり、水位を安定に保とうとする自己調節機能をもっているが、水温・水質の季節変化と同様に明らかにされていない。そこで本研究では、日光白根山五色沼および蓼ノ湖において、水位変動および水温変化を観測し、湖水の主要イオン濃度の分析を行うとともに、光波測量および平板測量を行い、正確な湖盆図を作成した。これらの観測結果から、閉塞湖における水温・水質の季節変化および水収支を明らかにした。
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大谷 文雄, 松原 光男
セッションID: P17
発行日: 2003年
公開日: 2004/11/26
会議録・要旨集
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我々は1999年度から米子市の依託により、年に4回程度、中海の水質汚濁状況の調査を行っている。中海の14ケ所の調査地点での観測、及び表層面から湖底の垂直方向に1m間隔で試料を採取し、各種分析を行っている。調査項目は、水深、気温、水温、透明度、粗比重、水素イオン濃度指数(pH)、溶存酸素量(DO)、生物化学的酸素消費量(BOD)、化学的酸素消費量(COD)、塩化物イオン濃度(Cl
-)、浮遊物質量(SS)、底泥の強熱減量の12項目である。1999年8月から2003年6月までの16回の調査により得られたデータから、特徴的な事柄について述べる。
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梅村 麻希, 八木 明彦
セッションID: P18
発行日: 2003年
公開日: 2004/11/26
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藤前干潟における浄化機構を明らかにするために、底泥間隙水中の有機物の分解量や窒素の変化に伴って発生するN
2OやN
2ガスの周年変化を求めた。干潟が最大に干上がる時間を中心として、その前後約二時間(4時間)における溶存有機炭素(DOC)と脱窒作用により発生するN
2OやN
2の底泥(0_から_5cm、5_から_10cm、10_から_15cm)間隙水中の増減を求めた。DOC濃度は干潮前後において、低くなる場合と高くなる場合が認められた。これは好気性従属栄養細菌と脱窒菌がDOCを消費していることが示唆された。
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速水 祐一, 古泉 統義, 小濱 剛, 中野 伸一, 兼田 淳史, 武岡 英隆
セッションID: P19
発行日: 2003年
公開日: 2004/11/26
会議録・要旨集
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宇和海(豊後水道東部)の北灘湾は、湾奥に流入する河川水の影響下にあるエスチュアリーである一方、湾口から進入する外洋系海水の影響を強く受けている。この湾において、夏季の1ヶ月間にわたって詳細な現地調査をおこなった。湾口に設置したADCPデータを利用して湾口における物質フラックスを見積もり、湾内及び流入河川のデータと合わせて窒素・リン収支の変動を連続して見積もった。その結果、底入り潮と呼ばれる湾口底層からの間欠的な冷水進入にともなって湾内に栄養塩が供給され、それが湾内で植物プランクトンの大発生を引き起こし、発生した大量の植物プランクトンは湾口上層から湾外の宇和海に輸送されていることがわかった。湾外からの溶存無機態窒素フラックスは、河川フラックスの約5倍にも達した。
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岩田 拓朗, 後藤 直成, 三田村 緒佐武
セッションID: P20
発行日: 2003年
公開日: 2004/11/26
会議録・要旨集
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琵琶湖北湖最深部において,湖水と湖底堆積物を採取し,それぞれの生物態シリカ現存量とクロロフィルa含有量を測定した.琵琶湖北湖最深部における湖水中と堆積物中の生物態シリカ濃度は,それぞれ,62.1_から_109.2 mg Si m
-3と66.7_から_100.0 mg Si g
-1 (dry sediment)の範囲にあり,それら生物態シリカの分布は鉛直的にほぼ一様であった。湖水中と堆積物中の生物態シリカ/クロロフィルa比(weight ratio)は培養した珪藻種(植物プランクトン2種,底生珪藻4種)の生物態シリカ/クロロフィルa比よりも非常に高くなっていたことから,天然中の生物態シリカの大部分は死んだ珪藻被殻として分布していると考えられる.
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阿久津 由記, 井上 源喜, 高松 信樹
セッションID: P21
発行日: 2003年
公開日: 2004/11/26
会議録・要旨集
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千葉県北西部に位置する印旛沼は,1960年代に行われた開発事業および流域の都市化により水質が悪化した典型的な富栄養湖である。本研究では,西印旛沼の表層堆積物中の全有機炭素(TOC),全窒素(TN),炭化水素,脂肪酸およびステロールの水平分布から,湖周辺の環境および人為汚染の現状を考察した。TOC濃度は富栄養湖に値していた。石油性炭化水素が検出されたことなどから,人為汚染を受けていると判断された。河口付近での高いTOC濃度,高い石油性炭化水素濃度は,両河川から西印旛沼へ汚水が流入しているためと考えられた。TOC/TN重量比などからは,外来性有機物より自生性有機物の寄与が大きいことが判明した。
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加藤 尚之, 大野 章, 山田 宏治, 工藤 智子, 進藤 洋一, 山口 惠三
セッションID: P22
発行日: 2003年
公開日: 2004/11/26
会議録・要旨集
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温泉におけるレジオネラ属菌のヒトへの感染が散発し、社会問題となっている。この原因の一つに循環式ろ過装置のろ材や配管にアメーバなどの原生動物が繁殖し、アメーバ内でレジオネラ属菌が増殖して浴槽内に侵入するとためと考えられている。従って、温泉水を殺菌するために過剰な殺菌剤の投与が行われているのが現状である。しかし、温泉は様々な泉質を有するためにその殺菌効果が十分に働かないことも指摘されている。そこで今回温泉を用いてレジオネラ属菌に対する殺菌効果について検討したので報告する。
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永田 貴丸, 張 光玄, 花里 孝幸
セッションID: P23
発行日: 2003年
公開日: 2004/11/26
会議録・要旨集
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長野県の様々な湖沼のミジンコ群集の種組成や形態を分析した。ミジンコ群集の生体量は植物プランクトン生体量と正の関係を示した。小型ミジンコの種組成では、無脊椎捕食者のケンミジンコの個体群密度が増えるとゾウミジンコが優占する傾向がみられた。無脊椎捕食者に対する防御機能として知られているゾウミジンコのantennuleは捕食者の体長と正の関係を見せた。また、ゾウミジンコのantennuleとmucroneはpHと負の相関関係を見せた。
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笠井 あずさ, 花里 孝幸
セッションID: P24
発行日: 2003年
公開日: 2004/11/26
会議録・要旨集
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諏訪湖における、いくつかの種のCopepodaでの昼夜の分布と季節的な個体群動態。
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ワムシの個体群密度及び形態と無脊椎捕食者の関係について
永田 貴丸, 張 光玄, 花里 孝幸
セッションID: P25
発行日: 2003年
公開日: 2004/11/26
会議録・要旨集
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長野県の様々な湖沼における動物プランクトン群集の比較(2)ワムシの個体群密度及び形態と無脊椎捕食者の関係について報告する。
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上野 裕之, 片野 俊也, 中野 伸一, 安佛 かおり, 三田村 緒佐武, 佐藤 泰哲, 杉山 雅人
セッションID: P26
発行日: 2003年
公開日: 2004/11/26
会議録・要旨集
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バイカル湖のBarguzin湾において、河口から沖にかけてトランゼクトにおいて、ピコプランクトンと原生生物の現存量の鉛直分布を調べた。
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藤原 好, 花里 孝幸
セッションID: P27
発行日: 2003年
公開日: 2004/11/26
会議録・要旨集
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氷の下でのDaphnia個体群の分布と変動について報告する。
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坂本 正樹, 花里 孝幸
セッションID: P28
発行日: 2003年
公開日: 2004/11/26
会議録・要旨集
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諏訪湖のゾウミジンコの行動及び形態に及ぼす殺虫剤(カルバリル)の影響について報告する。
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戸田 智子, 花里 孝幸
セッションID: P29
発行日: 2003年
公開日: 2004/11/26
会議録・要旨集
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湖沼沿岸帯に生息している枝角類Sidaは、背部の吸盤を使って水草に付着する一方、水草を離れて泳ぎ出すこともある。彼らがなぜ水草に付着し、また遊泳するのか、その要因はまだあまり詳しく調べられてない。そこで、彼らの行動を支配している要因として、光、餌環境、捕食者の存在に注目した。本研究では、これら環境要因に対する幼体と成体の行動を比較した。
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多田 満, 小神野 豊, 軽部 智美
セッションID: P30
発行日: 2003年
公開日: 2004/11/26
会議録・要旨集
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継代飼育されているヌカエビの抱卵メスならびに幼生に17β-エストラジオールなどの内分泌かく乱化学物質を対照,0.1,1.0,10 μg l
-1の濃度でそれぞれ暴露し,幼生・稚エビの生存,親エビの性比,ならびに抱卵メスの産仔,次世代幼生の生存など繁殖に関わるライフステージへの影響を評価した。
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1994年と2003年との比較
平林 公男, 吉澤 一家, 吉田 雅彦, 風間 ふたば
セッションID: P31
発行日: 2003年
公開日: 2004/11/26
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山中湖において1994年と2003年に底生動物群集の水平調査を行った。1994年の調査では、湖全体で4467匹/m2の密度で底生動物が生息しており、水生貧毛類が29.1%、ユスリカ類の幼虫が70.9%であった。一方、2003年の調査では、平均密度が1847匹/m2で、水生貧毛類が69.9%、ユスリカ類が30.1%であった。1994年では、アカムシユスリカの幼虫密度はヤマトユスリカに比べて約3.5倍であったが、2003年では5.7倍となった。近年、水質の変化から湖の富栄養化が報告されており、今回の調査結果からも、富栄養湖に優占するアカムシユスリカ幼虫の個体数が以前に比べ増加していることが明らかとなり、湖底環境の変化が示唆された。
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河 鎭龍, 花里 孝幸
セッションID: P32
発行日: 2003年
公開日: 2004/11/26
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Foraging preference of larval fish in different life stages depending on prey size.
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帆苅 信, 伊藤 章, 岡 夙男, 帆苅 信夫, 富樫 繁春, 伊藤 正一, 松本 史郎, 馬場 吉弘, 本間 義治
セッションID: P33
発行日: 2003年
公開日: 2004/11/26
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信濃川妙見堰建設に伴って生じた河跡湖五辺の池の陸水生物相について報告する。
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永野 真理子, 田中 正明, 八木 明彦
セッションID: P34
発行日: 2003年
公開日: 2004/11/26
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長野県南部の山間にある深見池は、夏期成層期に長期にわたり停滞する湖で、古くから陸水学的な調査が行われてきた。しかし、そこに生息するフサカについて十分な調査はなされていないので、フサカの日周変動と食性について調査した。2003年6月21日10時から22日10時まで、2時間おきに各層(1m間隔)のフサカの分布を調べた。従来知られているように、昼間は無酸素層である底層に生息し、夜間には動物プランクトンを捕食する為表層に浮遊することが確認できた。特に、昼間におけるフサカの分布は、4mと7m付近の二つにピークがあることが明らかとなった。更に、実験室において、24時間の間におけるフサカの食性も観察した。
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前原 康博, 日野 修次, 杉山 浩一, 毛利 秋仁, 渡辺 悟, 斉藤 直樹, 菊池 宗光, 新田 起志雄
セッションID: P35
発行日: 2003年
公開日: 2004/11/26
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猪苗代湖は強いリン制限である事が知られている。2001年の炭素、窒素、リンを添加した培養実験の結果、リンのみの著しい取込みが観察された。そこで、我々は光条件や栄養塩条件を変えて実験を行い植物プランクトンの光合成活性に与える影響について実験を行った。
今回の結果は、リンの添加に対して期待されるような光合成活性の増加は観察されなかった。光条件を変えての実験においては、季節、水深に関係なく、100μE/_m2_/secで飽和していた。これは、2002年の阿寒湖の値(200)と比べて低い光強度で飽和している。
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紀平 征希, 後藤 直成, 三田村 緒佐武
セッションID: P36
発行日: 2003年
公開日: 2004/11/26
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リン添加培養実験による植物プランクトンに対するリン制限を評価することと,ピコプランクトン細胞内におけるリン貯蔵物質を指標として琵琶湖のピコプランクトンの季節変動の要因を明らかにしようとした。
ピコプランクトンの個体数,植物プランクトンのクロロフィルa量がリンを添加することにより顕著な増加を示し,琵琶湖北湖有光層では植物プランクトンにとってリンが不足した状態であった。また,ピコプランクトンは大型の植物プランクトンより各種リンを蓄積する能力に優れていることが示唆され,これらの結果から,ピコプランクトンがリンをめぐる生物地球化学的循環に大きな役割を果たしていることが考えられた。
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崔 光洵, 植木 昌也, 川端 善一郎
セッションID: P37
発行日: 2003年
公開日: 2004/11/26
会議録・要旨集
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The photoalteration of algal DOMs produced from different growth phase of blue-green alga,
Microcystis aeruginosa, was investigated by comparing the biodegradability and DOM-fraction distributions of algal DOMs under different UV treatments. All algal DOMs were transformed into recalcitrant after UV exposures, without a complete photodegradation. The decreased biodegradability after UV exposures was distinct in algal DOM from aged culture (stationary phases) as compared to the DOM from exponential growth phase. The DOM distributions were also significantly different between before and after UV exposure, implying the photoalteration in chemical composition of algal DOM.
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佐久間 昌孝
セッションID: P38
発行日: 2003年
公開日: 2004/11/26
会議録・要旨集
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水草付着性の枝角類であるAlonaは付着藻類を摂食していると考えられている。また、Alonaの分布は付着藻類量に依存しているという報告がある。付着藻類の多い水草上でAlonaが多いのは、その場での増殖に加えて、付着藻類の多いところへの移動が要因に考えられる。そこで本研究ではAlonaが付着藻類量の多少を認識できるかどうか調べるためシャーレ内で実験を行なった。
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セキショウモとイバラモ属3種の関係について
養田 勝則, 福原 晴夫
セッションID: P39
発行日: 2003年
公開日: 2004/11/26
会議録・要旨集
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新潟県の砂丘湖の一つ長峰池において,沈水植物で優占するセキショウモ(Vallisneria asiatica)とイバラモ属3種,イバラモ(Najas marina),オオトリゲモ(N. oguraensis),ホッスモ(N. graminea)の分布と成長に関する関係を調べた.分布の水深限界はホッスモ,セキショウモで約250cm,イバラモ,オオトリゲモで約340cmであった。また,分布限界の相対照度はホッスモ,セキショウモで2-3_%,イバラモ,オオトリゲモで0.8-1%であった。4種について分布と底質の関係,成長時期の違いなどから種間関係を考察する。
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藤田 光則, 矢部 徹, 小田倉 碧, 土谷 岳令
セッションID: P40
発行日: 2003年
公開日: 2004/11/26
会議録・要旨集
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水辺のヨシ帯は水質浄化機能が期待され水質浄化の観点から多くの応用研究が行われ、今日では事業としてヨシ帯造成が盛んである。この事業は植物体に取り込まれた様々な物質を最終的に植物体ごと生育水域から取り去ることで完了する。したがってヨシ条例で知られる琵琶湖をはじめ日本各地でなされている事業では地上部である旱の刈り取り作業(ヨシ刈り)が秋に行われている。しかしヨシ刈りによるヨシ原生態系への他の影響については十分検討されていない。本研究ではこの影響についてヨシの換気能力と根圏の酸化還元環境に注目して検討した。
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藤谷 俊仁, 広渡 俊哉, 谷田 一三
セッションID: P41
発行日: 2003年
公開日: 2004/11/26
会議録・要旨集
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コカゲロウ科Baetidaeは河川で個体数が卓越する水生昆虫の1グループだが,最近は日本での分類体系の整理はほとんどされていなかった。コカゲロウ亜科Baetinaeについて,現在提唱されている分類体系に照らしあわせると,コカゲロウ属
Baetis,ヒゲトガリコカゲロウ属
Tenuibaetis,フタバコカゲロウ属
Baetiella,ミジカオフタバコカゲロウ属
Acentrella,フトヒゲコカゲロウ属
Labiobaetis,トビイロコカゲロウ属
Nigrobaetis,シリナガコカゲロウ属
Alainitesの7属に含まれる44種が日本に分布すると分かった。日本産種による系統解析も試みる予定である。
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吉村 真由美, 前藤 薫
セッションID: P42
発行日: 2003年
公開日: 2004/11/26
会議録・要旨集
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広葉樹天然林流域と針葉樹人工林流域のそれぞれ上流・中流・下流地点にて、水生昆虫の定量採集を冬季と春季に行い、水生昆虫群集の比較を行った。
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中野 大助
セッションID: P43
発行日: 2003年
公開日: 2004/11/26
会議録・要旨集
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造網型トビケラは石礫表面に営巣する。この営巣により石礫表面の物理環境は多少なりとも変化することが考えられるが、この変化が底生動物群集の構造にどのような影響を及ぼすのかについての研究は見当たらない。そのため本研究では造網型トビケラの営巣が他の底生動物群集にどのような影響を与えるかについて操作実験を行った。実験の結果から造網型トビケラの営巣が他の底生動物群集の組成を大きく変化させることが示された。
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木村 悟朗, 安藤 誠, 塚田 久美子, 福永 八千代, 中本 信忠, 平林 公男
セッションID: P44
発行日: 2003年
公開日: 2004/11/26
会議録・要旨集
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トビケラ類の飛翔距離を明らかにするためにスティッキートラップを用い、春から夏に調査を行った。トラップにはクダトビケラ属sp.・コガタシマトビケラ属spp.・シマトビケラ属spp.などが捕獲され、クダトビケラ属sp.は河道に近いほど多く捕獲された。河道に近いところでは飛翔の高さは低く、河道から遠くなるとその傾向は認められなくなった。植生との関係では、植生の境界で多く捕獲される傾向が認められた。一例としてカワヤナギの内外および境界に多く捕獲される傾向があり、ナヨクサフジでは植生内、ナヨクサフジ+枯ヨシでは境界に多く捕獲が見られた。
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